【HER2陽性乳がん:術前治療(pCR)】「パージェタ+ハーセプチン+ドセタキセル」vs「ハーセプチン+ドセタキセル」

NeoSphere(Lancet Oncol)                    

HER2陽性の早期乳がんと診断された女性が術前治療を考える場合、「ハーセプチンドセタキセル」治療に「パージェタ」の上乗せを選択することで、病理学的完全奏効率の向上が期待できる。

また、「パージェタハーセプチンドセタキセル」治療を選択することで、「パージェタドセタキセル」治療を選択した場合を上回る病理学的完全奏効率が期待できる。

【発表】

2011年12月6日

【試験名】

NeoSphere(Phase 2)〔NCT00545688

【試験参加国】

オーストラリア、オーストリア、ブラジル、カナダ、イスラエル、イタリア、韓国、メキシコ、ペルー、ポーランド、ロシア、スペイン、スウェーデン、台湾、タイ、トルコ、英国

【原著】

Lancet Oncol. 2012;13:25-32. [PubMed: 22153890]

【さらに詳しく】

【こちらの図鑑も合わせて見る】

【トライアル図鑑】NeoSphere(HER2陽性乳がん:術前治療)
【試験名】 NeoSphere(Phase2)〔NCT00545688〕 【試験開始日】 2006年6月26日 【試験終了予定日】 2014年9月22日 【試験参加国】 オーストラリア、オーストリア、ブラジル、カナダ、イスラエル、イタリア、韓国、メキシコ、ペルー、ポーランド、ロシ ...
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【添付文書における表記】

HER2陽性(IHC法3+又はIHC法2+かつFISH/CISH法陽性)の早期乳癌の術前患者(原発巣の腫瘍径が2cm超で遠隔転移を有しない患者)417例を対象に、術前薬物療法としてトラスツズマブ+ドセタキセル(T+D群)、本剤+トラスツズマブ+ドセタキセル(本剤+T+D群)、本剤+トラスツズマブ(本剤+T群)注8)、本剤+ドセタキセル(本剤+D群)注8)を比較する第Ⅱ相非盲検無作為化4群比較試験を実施した。本剤は初回投与量840mg、2回目以降、維持投与量420mgを3週間間隔で、トラスツズマブは初回投与量8mg/kg(体重)、2回目以降、維持投与量6mg/kgを3週間間隔で投与した。ドセタキセルは75mg/m2注1)を3週間間隔で投与した。いずれの薬剤も3週間を1サイクルとして、術前薬物療法として4サイクル投与した。トラスツズマブは術前薬物療法と術後薬物療法を合わせて1年間投与した。主要評価項目である病理学的完全奏効(pCR)率において、T+D群に比べて本剤+T+D群で有意に高かった。

また、安全性については、術前薬物療法期間の副作用はT+D群で104/107例(97.2%)、本剤+T+D群で102/107例(95.3%)であった。主な副作用は、脱毛症(T+D群:65.4%、本剤+T+D群:63.6%、以下同順)、好中球減少症(62.6%、50.5%)、下痢(26.2%、43.0%)、悪心(31.8%、34.6%)、疲労(26.2%、18.7%)等であった。術後薬物療法期間の副作用はT+D群で90/103例(87.4%)、本剤+T+D群で85/102例(83.3%)であった。主な副作用は、悪心(T+D群:42.7%、本剤+T+D群:45.1%、以下同順)、好中球減少症(39.8%、37.3%)等であった。

注8)本剤の承認された用法・用量は、トラスツズマブ(遺伝子組換え)と他の抗悪性腫瘍剤との併用投与である。