【多発性骨髄腫:四次治療(ORR)】「サークリサ+デキサメタゾン」vs「サークリサ」

多発性骨髄腫と診断され、プロテアソーム阻害剤および免疫調節薬を含む3レジメン以上の前治療歴を有する、またはプロテアソーム阻害剤および免疫調節薬のいずれに対しても抵抗性となった人が次の治療を考える場合、「サークリサ」治療に「デキサメタゾン」の上乗せを選択することで、奏効率の向上、無増悪生存期間の延長が期待できる。

【発表】

2021年3月4日

【試験】

Phase 2〔NCT01084252

【試験参加国】

米国、アルゼンチン、ベルギー、ブラジル、チリ、フィンランド、フランス、ギリシア、イスラエル、イタリア、メキシコ、ペルー、ロシア、スペイン、トルコ、ウクライナ、英国

【原著】

Blood. 2021 ;137:1154-1165. [PubMed: 33080623]

【添付文書における表記】

第2相パートのステージ2において、再発又は難治性の多発性骨髄腫患者9) 164例を対象に、本剤10) 及びデキサメタゾン11) 併用療法、並びに本剤単独療法10) の有効性及び安全性を検討する非盲検非対照試験を実施した。
主要評価項目である奏効率12) は、本剤及びデキサメタゾン併用群では43.6%(95%信頼区間:30.3~57.7%)(24/55例)、本剤単独群では23.9%(95%信頼区間:16.2~33.0%)(26/109例)であった(2019年1月21日データカットオフ)。
本剤及びデキサメタゾン併用群55例中41例(74.5%)に副作用が認められた。主な副作用は、Infusion reaction 22例(40.0%)、不眠症12例(21.8%)、呼吸困難6例(10.9%)、咳嗽6例(10.9%)、悪心6例(10.9%)、消化不良4例(7.3%)、肺炎3例(5.5%)、高血糖3例(5.5%)、頭痛3例(5.5%)、咽喉刺激感3例(5.5%)、嘔吐3例(5.5%)等であった。
本剤単独群109例中67例(61.5%)に副作用が認められた。主な副作用は、Infusion reaction 44例(40.4%)、呼吸困難14例(12.8%)、咳嗽12例(11.0%)、悪心11例(10.1%)、疲労8例(7.3%)、頭痛8例(7.3%)、嘔吐7例(6.4%)等であった。

9) プロテアソーム阻害剤及び免疫調節薬を含む3レジメン以上の前治療歴を有する、又はプロテアソーム阻害剤及び免疫調節薬のいずれに対しても難治性である患者を選択した。なお、抗CD38モノクローナル抗体による前治療歴を有する患者は除外した。
10) 本剤の用法及び用量:28日間を1サイクルとし、1日1回20mg/kgを、最初のサイクルは1週間間隔で4回(1、8、15、22日目)、2サイクル以降は2週間間隔で2回(1、15日目)静脈内投与した。
11) デキサメタゾンの用法及び用量:28日間を1サイクルとし、1日1回40mg(75歳以上の患者では20mg)を1、8、15及び22日目に静脈内又は経口投与した。
12) 奏効率は、独立効果判定委員会によって評価された最良総合効果が部分奏効以上である患者の割合とした。