【乳がん:骨転移巣(SRE)】「ランマーク」vs「ゾメタ」

骨転移を有する進行乳がんと診断された女性が骨病変の治療を考える場合、「ランマーク」治療を選択することで、初回の骨関連事象発現までの期間の延長が期待できる。

生存期間、無増悪生存期間は「ランマーク」治療、「ゾメタ」治療のいずれを選択しても差はなかった。

【発表】

2010年11月8日

【試験】

Phase 3

【原著】

J Clin Oncol. 2010 ;28:5132-9. [PubMed: 21060033]

【添付文書における表記】

骨転移を有する進行乳癌患者対象試験(日本が参加した国際共同試験)において、主要評価項目であるSRE(骨関連事象:病的骨折、骨への放射線治療、骨に対する外科的処置又は脊髄圧迫)の初回発現までの期間についてゾレドロン酸に対する本剤の非劣性の検証を主目的として検討した結果は次表のとおりであり、非劣性が検証された。このうち、国内症例は136例(デノスマブ群69例、ゾレドロン酸群67例)であった。なお、全ての患者に対して、治験期間中に高カルシウム血症が認められない限り、毎日少なくとも500mgのカルシウム及び400IUの天然型ビタミンDの補充が強く推奨された。

副作用発現頻度は、デノスマブ群で32.3%(329/1,020例)であった。主な副作用は、関節痛4.3%、疲労3.7%、低カルシウム血症2.9%、悪心2.7%、下痢2.2%であった。
低カルシウム血症の有害事象の発現頻度は、デノスマブ群で5.6%(57/1,020例)、ゾレドロン酸群で3.5%(35/1,013例)であり、うち重篤な低カルシウム血症の発現頻度は、デノスマブ群で0.5%(5/1,020例)、ゾレドロン酸群で0.2%(2/1,013例)であった。