【多発性骨髄腫:二次治療(ORR)】「ベルケイド(皮下注射)」vs「ベルケイド(静脈注射)」

MMY3021(Lancet Oncol)                     

多発性骨髄腫と診断され、1〜3ラインの治療歴がある人がベルケイド治療を考える場合、「皮下注射」を選択しても「静脈注射」を選択した場合に劣らない奏効率が期待でいる。

ベルケイド(静脈注射)」を受けた人の無増悪生存期間は8.0ヵ月であったのに対し、「皮下注射」を受けた人の無増悪生存期間は10.2ヵ月であった(p=0.504)。

本試験の結果に基づいて、2012年12月21日、「ベルケイド」の皮下投与による新投与経路追加の承認された。

【発表】

2011年4月18日

【試験名】

MMY3021(Phase 3)〔NCT00722566

【原著】

Lancet Oncol. 2011 ;12:431-40. [PubMed: 21507715]

【添付文書における表記】

前治療歴のある多発性骨髄腫患者に対する海外第Ⅲ相試験(MMY3021試験)における成績概要は以下のとおりであった。
1~3回の前治療歴を有する患者を対象とする無作為化非盲検非劣性試験の皮下投与群及び静脈内投与群では本剤1.3mg/m2を投与した。主要評価項目であるサイクル4までの全奏効率(ORR)は、皮下投与群、静脈内投与群ともに42%であり、非劣性が検証された。副次評価項目である腫瘍増殖抑制期間(TTP)及び1年生存率は、静脈内投与群で9.4ヵ月(中央値)及び76.7%、皮下投与群で10.4ヵ月(中央値)及び72.6%であった。

本剤を皮下投与した症例において、147例中124例(84%)に副作用が認められた。主な副作用[10%以上を記載]は、末梢性感覚ニューロパチー[51例35%]、血小板減少[44例30%]、好中球減少[34例23%]、神経痛[34例23%]、貧血[28例19%]、下痢[28例19%]、白血球減少[26例18%]、悪心[24例16%]、発熱[18例12%]であった。なお、皮下投与による局所注射部位反応は85例(58%)に認められた。