【肺がん:一次治療(OS、PFS)】「テセントリク+アバスチン+化学療法」vs「アバスチン+化学療法」

IMpower150(NEJM)                       

非扁平上皮がんと診断された人が初めての治療を考える場合、「化学療法(カルボプラチンパクリタキセル)+アバスチン」に「テセントリク」の上乗せを選択することで、生存期間および無増悪生存期間の延長が期待できる。

本試験結果に基づいて2018年12月21日、「テセントリクカルボプラチンパクリタキセルアバスチン」治療が「切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌 に対する初回治療としての併用療法」 への適応拡大が承認された。

【発表】

2018年6月4日

【試験名】

IMpower150(Phase 3)〔NCT02366143/jRCT2080222890

【試験参加国】

米国、アルゼンチン、オーストラリア、オーストリア、ベルギー、ブラジル、ブルガリア、カナダ、チリ、フランス、ドイツ、イタリア、日本(四国がんセンター、九州医療センター、九州がんセンター、久留米大学病院、神奈川県立循環器・呼吸器病センター、北里大学病院、京都大学医学部附属病院、宮城県立がんセンター、新潟県立がんセンター中央病院、大阪公立大学医学部附属病院、大阪刀根山医療センター、虎の門病院、国際医療研究センター病院、杏林大学医学部附属病院、和歌山県立医科大学附属病院)、ラトビア、リトアニア、メキシコ、オランダ、ペルー、ポルトガル、ロシア、シンガポール、スロバキア、スペイン、スイス、台湾、ウクライナ

【原著】

N Engl J Med 2018; 378:2288-2301. [PubMed: 29863955]

【さらに詳しく】

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【添付文書における表記】

国際共同第Ⅲ相臨床試験(IMpower150試験)

化学療法歴のない注4)、扁平上皮癌を除く切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌患者1202例(日本人93例を含む)を対象に、本剤1200mgと他の抗悪性腫瘍剤(カルボプラチンパクリタキセル[A群、402例]、又はカルボプラチンパクリタキセルベバシズマブ(遺伝子組換え)[B群、400例])の併用投与の有効性及び安全性を、併用化学療法(カルボプラチンパクリタキセルベバシズマブ(遺伝子組換え)[C群、400例])と比較する第Ⅲ相試験を実施した注5)。2018年1月22日の中間解析の結果、EGFR遺伝子変異陽性又はALK融合遺伝子陽性の患者を除く1045例(日本人67例を含む)のITT-WT集団において、本剤併用群(B群359例)で対照群(C群337例)と比較して主要評価項目である全生存期間の有意な延長が認められ(ハザード比[95%信頼区間]:0.780[0.636, 0.956]、P=0.0164[層別log-rank検定]、有意水準両側0.0184)、中央値[95%信頼区間]は本剤併用群B群で19.2[17.0, 23.8]カ月、対照群C群で14.7[13.3, 16.9]カ月であった。なお、本剤併用群(A群349例)は対照群C群と比較して全生存期間において有意な延長は認められなかった。また、日本人患者におけるITT-WT集団の全生存期間の中央値[95%信頼区間]は、本剤併用群(B群32例)で19.8[14.1, 24.2]カ月、対照群(C群14例)で推定不能[13.2, 推定不能]であった(ハザード比[95%信頼区間]:1.311[0.498, 3.446])。
本剤と抗悪性腫瘍剤(カルボプラチンパクリタキセルベバシズマブ(遺伝子組換え))が投与されたB群393例(日本人36例を含む)において370例(94.1%)に副作用が認められた。主な副作用(20%以上)は、脱毛症185例(47.1%)、悪心135例(34.4%)、疲労104例(26.5%)、貧血97例(24.7%)、食欲減退89例(22.6%)、末梢性ニューロパチー88例(22.4%)、下痢84例(21.4%)等であった。また、B群の日本人36例において7例(19.4%)に発熱性好中球減少症が認められた。

注4)EGFR遺伝子変異陽性又はALK融合遺伝子陽性の患者では、それぞれEGFR阻害作用又はALK阻害作用を有する抗悪性腫瘍剤による治療歴がある患者が組み入れられた。
注5)本剤1200mg、カルボプラチンAUC6、パクリタキセル200mg/m2ベバシズマブ(遺伝子組換え)15mg/kgを3週間間隔で4又は6サイクル投与後、本剤及びベバシズマブ(遺伝子組換え)を3週間間隔で投与した。