【HR陽性乳がん:術後治療(4年OS)】「タモキシフェン5年+フェマーラ5年」vs「タモキシフェン5年」

MA17(J Natl Cancer Inst)                     

切除可能なHR陽性乳がんと診断され、手術後の補助療法としてタモキシフェンを5年投与が完了した女性が次の治療を考える場合、「フェマーラ5年投与」を選択することで4年無病生存率の向上は期待できるが、4年生存率の向上は期待しにくい。

ただし、腋窩リンパ節転移陽性の女性においては、「フェマーラ5年投与」の上乗せを選択することで4年生存率の向上が期待できる(HR 0.61、95%CI:0.38-0.98、p=0.04)。

【発表】

2005年9月7日

【試験名】

MA17(Phase 3)〔NCT00003140

【試験参加国】

カナダ、英国

【原著】

J Natl Cancer Inst. 2005 ;97:1262-71. [PubMed: 16145047]

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【添付文書における表記】

乳房切除術後にタモキシフェンによる術後補助療法を受けた原発性乳癌患者5,170例を対象に、本剤群(1日1回2.5mg投与)又はプラセボ群に無作為に割り付け、二重盲検群間比較試験を実施した(観察期間の中央値;30ヵ月、範囲;1.5~61.4ヵ月)。主要評価項目であるDFSに関して、本剤群は2,583例中92例が再発したのに対して、プラセボ群では2,587例中155例が再発し、本剤群はプラセボ群と比較して再発のリスクを相対的に42%低下させ(ハザード比0.58、95%信頼区間:0.45~0.76、p<0.001)、4年時点でのDFSは本剤群で94.4%、プラセボ群で89.8%であった(絶対差4.6%)。また、副次的評価項目である全生存率については、本剤群は2,583例中51例が死亡したのに対して、プラセボ群では2,587例中62例が死亡し、両群間に統計学的有意差は認められず(ハザード比0.82、95%信頼区間:0.57~1.19、p=0.3)、4年時点での全生存率は本剤群で95.4%、プラセボ群で95.0%であった(絶対差0.4%)。しかしながら、腋窩リンパ節転移陽性例において本剤群はプラセボ群と比較して死亡のリスクを相対的に39%低下させた(ハザード比0.61、95%信頼区間:0.38~0.98、p=0.04)。更に、遠隔転移発生のリスクを相対的に40%低下させ(ハザード比0.60、95%信頼区間:0.43~0.84、p=0.002)、4年時点での無遠隔転移生存率は、本剤群で96.6%、プラセボ群で93.7%であった(絶対差2.9%)。