2023年、新しいがん治療レジメンの承認申請、Phase3試験結果の論文発表/学会発表/企業プレスリリースが数多く行われた。これらレジメンは、2024年内あるいは遠くない将来、日本において選択できる可能性が高い。ここでは近い将来、選択が可能になりそうながん治療についてまとめてみた。
1. 肺がん /2. 乳がん /3. 食道がん・胃がん /4. 大腸がん /5. 肝細胞がん /6. 胆道がん /7. 腎細胞がん /8. 前立腺がん /9. 尿路上皮がん /10. 卵巣がん /11. 子宮頸がん /12. 子宮体がん
1. 肺がん
2023年10月に開催された欧州臨床腫瘍学会(以下、
ESMO 2023 )では、数多くのエポックメイキングな臨床成績が発表された。この結果を受けて、論文発表、承認申請、承認など、2024年はさらに肺がん治療の進歩が見込まれている。また、現在進行中の臨床試験のいくつかの結果が発表される予定である。
まず、2024年は、術前に免疫チェックポイント阻害薬を化学療法を上乗せし術後にも免疫チェックポイント阻害薬療法を行う「サンドイッチ型の周術期治療」の臨床応用が話題になりそうだ。
2023年9月7日、Phase 3試験『
KEYNOTE-671 』の結果(2023年6月3日、NEJM誌に発表)に基づいて、「
キイトルーダ 」について、切除可能な非小細胞肺がんに対する術前の化学療法との併用療法と、それに続く術後の
キイトルーダ 単独療法として、承認申請された。2024年内の承認が期待されている。
「キイトルーダ(一般名:ペムブロリズマブ)」について、「非小細胞肺がんにおける術前・術後補助療法」として、2023年9月7日に承認申請され、2024年8月28日承認された。この承認は、Phase 3試験『KEYNOTE-671』の結果に基づく。 【承認日】 2024年8月28日 ...
2024年8月28日
「キイトルーダ(一般名:ペムブロリズマブ)」について、「非小細胞肺がんにおける術前・術後補助療法」として、2023年9月7日に承認申請され、2024年8月28日承認された。この承認は、Phase 3試験『KEYNOTE-671』の結果に基づく。 【承認日】 2024年8月28日 ...
2024年8月28日
2023年10月23日、Phase 3試験『AEGEAN 』の結果がNEJM誌に発表された。『AEGEAN 』試験では「イミフィンジ 」について、切除可能な期非小細胞肺がんに対する「術前のイミフィンジ +化学療法および術後補助療法としてイミフィンジ 」によって1年無イベント生存率の改善された。『AEGEAN 』試験には日本も参加しており、2024年は、国内における「イミフィンジ 」の適応拡大に関する動向が注目される。
AEGEAN(NEJM) 切除可能なIIA期-IIIB期非小細胞肺がんと診断された人が手術前後の治療を考える場合、「術前の化学療法」に「イミフィンジ」の上乗せおよび「術後のイミフィンジ(4週毎に最長12サイクル)」の追加を選択する ...
2023年10月23日
2023年10月には、ESMO 2023 にて、Phase 3試験『CheckMate 77T 』の結果として、切除可能な期非小細胞肺がんに対する「術前のオプジーボ +化学療法および術後補助療法としてオプジーボ 」によって1年無イベント生存率の改善が得られたことが発表された。小野薬品の発表によると、2024年3月までに承認申請を予定されている。
CheckMate 77T(NEJM) 切除可能なII期-IIIB期非小細胞肺がんと診断された人が手術を受ける場合、「術前の化学療法」への「オプジーボ」の上乗せ、および「術後補助療法としてオプジーボの実施」を選択することで18ヵ月無イベ ...
2024年5月16日
2023年12月15日、Phase 3試験『ALINA 』の結果に基づいて、「アレセンサ 」単剤治療が「ALK融合遺伝子陽性の非小細胞肺がんにおける術後補助療法」に対し、承認申請された。2024年内の承認が期待されている。
「アレセンサ(一般名=アレクチニブ塩酸塩)」は、2014年7月4日、「ALK融合遺伝子陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺がん」に対して承認されたALK阻害薬。「ALK融合遺伝子陽性の非小細胞肺がんにおける術後補助療法」に対しては、2023年12月15日、承認申請され、2024 ...
2024年8月28日
ALINA(NEJM) ALK融合遺伝子陽性のIB-ⅢA期の非小細胞肺がんと診断された人が手術後の治療を考える場合、「アレセンサ」治療を選択することで「プラチナ製剤を含む併用化学療法」を選択した場合を上回る2年無病生存率が期待で ...
2024年4月11日
小野薬品の発表によると、Phase 3試験『CheckMate 73L 』の結果に基づき、2025年3月までに承認申請する予定とのこと。『CheckMate 73L 』試験では、切除不能なⅢ期非小細胞肺がん対する化学放射線療法後の維持療法として「オプジーボ +ヤーボイ 」治療が無増悪生存期間において「イミフィンジ 」治療を上回るかについて検証している。
CheckMate 73L 切除不能なⅢ期非小細胞肺がんと診断され人が「化学放射線療法+オプジーボ治療を受け、維持療法としてオプジーボ+ヤーボイ」治療を選択しても、「化学放射線療法を受け、維持療法としてイミフィンジ」治療を選択 ...
2024年5月10日
中外製薬の発表によると、Phase 3試験『SKYSCRAPER-01 』のトップラインデータが2024年3月までに入手、12月までに承認申請予定とのこと。『SKYSCRAPER-01 』試験では、PD-L1高発現の進行非小細胞肺がんに対する「テセントリク +抗TIGIT抗体チラゴルマブ 」治療が生存期間において「テセントリク 」治療を上回るかについて検証している。
SKYSCRAPER-01 PD-L1高発現の局所進行切除不能または転移性の非小細胞肺がんと診断された人が初めての治療を考える場合、「テセントリク」治療に「抗TIGIT抗体チラゴルマブ」の上乗せを選択しても無増悪生存期間の延長は期 ...
2024年11月26日
ESMO 2023 では、Phase 3試験『TROPION-LUNG01 』の結果として、既治療の進行非小細胞肺がんに対する「抗TROP2抗体薬物複合体ダトロウェイ 」治療が、生存期間において「ドセタキセル 」単剤治療を上回ったことが発表された。『TROPION-LUNG01 』試験には日本も参加しており、本年も、論文発表、国内での動向が注目される。
TROPION-LUNG01(JCO) 進行または転移性の非小細胞肺がんと診断され、何らかの治療中に病勢が進行した人が次の治療を考える場合、「ダトロウェイ」治療を選択することで「ドセタキセル」治療を選択した場合を上回る無増悪生存期間が期待 ...
2024年9月9日
2023年11月、Phase3試験『FLAURA2 』の結果がNEJM誌に発表された。EGFR遺伝子変異陽性の進行非小細胞肺がんに対する「タグリッソ +化学療法」併用療法が、無増悪生存期間において「タグリッソ 」単剤治療を上回った。本試験の結果に基づき、米国では適応追加申請が行われている。『FLAURA2 』試験には日本も参加しており、2024年は、国内における「タグリッソ 」の適応拡大に関する動向が注目される。
FLAURA2(NEJM) EGFR遺伝子変異陽性の局所進行または転移性の非小細胞肺がんと診断された人が初めての治療を考える場合、「タグリッソ」治療に「ペメトレキセド+プラチナ製剤」の上乗せを選択することで、無増悪生存期間の延長が期 ...
2023年11月8日
2023年11月17日、Phase 3試験『PAPILLON 』の結果に基づいて、「EGFR/MET二重特異性抗体 ライブリバント 」が、化学療法との併用療法として「EGFRエクソン20挿入変異陽性の非小細胞肺がん」を対象に承認申請された。2024年内の承認が期待されている。
「ライブリバント(一般名:アミバンタマブ)」は、2024年11月20日に発売されたEGFR/MET二重特異性抗体。2024年9月24日に「EGFR遺伝子エクソン20挿入変異陽性の非小細胞肺がん」を効能及び効果として、承認された。この承認は、Phase 3試験『PAPILLON試験 ...
2024年11月20日
【試験名】 PAPILLON(Phase 3)〔NCT04538664/jRCT2051200087〕 【試験開始日】 2020年12月10日 【試験終了予定日】 2025年1月31日 【試験参加国】 日本(姫路医療センター、久留米大学医学部附属病院、山口宇部医療センター、新潟県 ...
2020年12月10日
ESMO 2023 では、Phase 3試験『MARIPOSA 』の結果として、EGFR変異陽性の進行非小細胞肺がんに対する「ライブリバント +EGFR-TKIラズクルーズ 」併用療法が、無増悪生存期間において「タグリッソ 」単剤治療を上回ったことが発表されている。『MARIPOSA 』試験には日本も参加しており、本年も、論文発表、国内での動向が注目される。
MARIPOSA(NEJM) 局所進行または転移性のEGFR変異陽性の非小細胞肺がんと診断された人が初めての治療を考える場合、「EGFR/MET二重特異性抗体ライブリバント+EGFR-TKIラズクルーズ」治療を選択することで「タグリッ ...
2024年6月26日
2023年10月、Phase3試験『MARIPOSA-2 』の結果がESMO 2023 およびAnnals of Oncology誌に発表された。「タグリッソ 」治療が無効になったEGFR遺伝子変異陽性の進行非小細胞肺がんに対する「ライブリバント +ラズクルーズ +化学療法」併用療法が、無増悪生存期間において化学療法を上回った。『MARIPOSA-2 』試験には日本も参加しており、今後、国内での動向が注目される。
MARIPOSA-2(Ann Oncol) 局所進行または転移性のEGFR変異陽性の非小細胞肺がんと診断され、「タグリッソ」治療が無効になった人が次の治療を考える場合、「ペメトレキセド+カルボプラチン」に「EGFR/MET二重特異性抗体ライ ...
2023年10月23日
EGFR遺伝子変異陽性の進行非小細胞肺がんの二次治療としては、「抗HER3抗体薬物複合体 パトリツマブ デルクステカン 」治療の成績も2024年内に明らかになる可能性もありそうだ。第一三共の発表によると、Phase 3試験『HERTHENA-Lung02 』のトップラインデータが2025年3月までに入手予定とのこと。『HERTHENA-Lung02 』試験では、EGFR-TKI阻害薬治療中に病勢が進行したEGFR遺伝子変異陽性の進行非小細胞肺がんに対する「パトリツマブ デルクステカン 」治療が無増悪生存期間において「化学療法」を上回るかについて検証している。
HERTHENA-Lung02 EGFR遺伝子変異陽性の局所進行または転移性の非小細胞肺がんと診断され、EGFR-TKI阻害薬治療中に病勢が進行した人が次の治療を考える場合、「パトリツマブ デルクステカン」治療を選択することで「化学 ...
2024年9月17日
第一三共の発表によると、Phase 3試験『DESTINY-Lung04 』のトップラインデータが2025年3月までに入手予定とのこと。『DESTINY-Lung04 』試験では、未治療のHER2遺伝子変異陽性の進行非小細胞肺がんに対する「エンハーツ 」治療が無増悪生存期間において「キイトルーダ +化学療法」を上回るかについて検証している。
DESTINY-Lung04 HER2エクソン19または20変異陽性の切除不能な局所進行または転移性の非小細胞肺がんと診断された人が初めての治療を考える場合、「エンハーツ」治療を選択することで「キイトルーダ+化学療法(プラチナ製剤 ...
2021年10月22日
2023年10月25日、Phase 1/2試験『TRIDENT-1 』の結果に基づいて、「ROS1/TRK/ALKチロシンキナーゼ阻害薬 オータイロ 」が、「ROS1融合遺伝子陽性の非小細胞肺がん」を対象に承認申請された。2024年1月11日Phase 1/2試験『TRIDENT-1 』の結果がNEJM誌に発表された。2024年内の承認が期待されている。
「オータイロ(一般名:レポトレクチニブ)」は、2024年11月20日に発売されたROS1/TRK/ALKチロシンキナーゼ阻害薬。「オータイロ」は、ROS1融合遺伝子陽性の非小細胞肺がんに対して、2023年10月25日に承認申請され、2024年9月24日に承認された。この承認は、P ...
2024年11月20日
TRIDENT-1(NEJM) ROS1融合遺伝子陽性の非小細胞肺がんと診断された71名が初めてのROS1 TKI治療として「オータイロ」治療を受けた結果、79%の人が治療に奏効し、奏効が34.1ヵ月持続した。 【発表】 2024年1 ...
2024年1月11日
TRIDENT-1(NEJM) ROS1融合遺伝子陽性の非小細胞肺がんと診断され、 ROS1 TKI治療を受けたことがあるが、化学療法はまだ受けていない56名が「ROS1 TKI オータイロ」治療を受けた結果、38%の人が治療に奏効し ...
2024年1月11日
2023年9月8日、Phase 2試験『GLORY 』の結果に基づいて、「MET阻害薬 ハイイータン 」が「MET遺伝子エクソン14スキッピング変異陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺がん」を対象に承認申請された。2024年内の承認が期待されている。
「ハイイータン(一般名:グマロンチニブ)」は、2024年6月24日、「MET遺伝子エクソン14スキッピング変異陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺がん」に対して、承認されたMET阻害薬。この承認は、Phase 2試験『GLORY試験』の結果に基づく。発売は同年10月11日。 【 ...
2024年10月11日
2.乳がん
2024年は抗体に薬物を結合させたバイオ医薬品「抗体薬物複合体(Antibody-drug conjugate: ADC)」の臨床応用が本格化する。2020年3月に承認された抗HER2抗体薬物複合体「エンハーツ 」はさらに新しい臨床試験成績が発表されており、抗Trop-2抗体薬物複合体は「トロデルビ 」、「ダトロウェイ 」の近々の承認申請も期待されている。
その他、初の「AKT阻害薬 トルカプ 」や「PARP阻害薬 ターゼナ 」は2024年内の承認が見込まれている。
2023年10月開催のESMO 2023 にて、Phase 3試験『KEYNOTE-756 』の結果として、ER陽性HER2陰性乳がんの周術期治療として「術前補助化学療法+キイトルーダ 」および「術後補助内分泌療法+キイトルーダ 」治療が、病理学的完全奏効率を改善させることが証明された。『KEYNOTE-756 』試験には日本も参加しており、2024年は、『KEYNOTE-756 』試験の論文発表、無病生存期間への影響、国内承認に関する動向が注目される。
KEYNOTE-756(Nat Med) ER陽性HER2陰性乳がんと診断され、手術を受けた女性が手術前後の治療を考える場合、「術前補助化学療法(パクリタキセル→ドキソルビシン+シクロホスファミド)」および「術後補助内分泌療法」に「キイト ...
2025年1月21日
2023年は、抗Trop-2抗体薬物複合体の国内での臨床応用への期待が高まった年でもあった。2023年8月、Phase 3試験『TROPiCS-02 』の結果として、内分泌療法歴を有する HR陽性転移性乳がんに対する「抗Trop-2抗体薬物複合体 トロデルビ 」治療が「化学療法」を上回る生存期間が得られたことがLancet誌に発表された。『TROPiCS-02 』試験における無増悪生存期間の延長については2022年にJCO誌に発表されていた。「トロデルビ 」は本邦でも開発が進行中であり、国内承認が期待されている。
TROPiCS-02(Lancet) HR陽性HER2陰性転移性乳がんと診断され、ホルモン療法抵抗性となり、化学療法歴がある女性が、次の治療を考える場合、抗Trop-2抗体薬物複合体「トロデルビ」治療を選択することで「化学療法(カペシタビン、 ...
2023年8月24日
「抗Trop-2抗体薬物複合体 トロデルビ 」について、2024年1月30日、「全身療法歴のある手術不能または再発のトリプルネガティブ乳がん」を対象に承認申請された。
「トロデルビ(一般名:サシツズマブ ゴビテカン)」は2024年11月20日に発売された抗Trop-2抗体薬物複合体。2024年9月24日、「化学療法歴のある手術不能または再発のホルモン受容体陰性かつHER2陰性乳がん」を対象に承認された。本承認はPhase 3試験『ASCENT試 ...
2024年11月20日
同じく抗Trop-2抗体薬物複合体として「ダトロウェイ 」の開発も進んでいる。Phase3試験『TROPION-Breast01 』の結果として、化学療法歴を有する HR陽性転移性乳がんに対する「ダトロウェイ 」治療が「化学療法」を上回る無増悪生存期間が得られたことが2023年10月に開催されたESMO 2023 にて発表された。『TROPION-Breast01 』試験には日本も参加しており、2024年は、『TROPION-Breast01 』試験の論文発表、「ダトロウェイ 」の国内承認に関する動向が注目される。
TROPION-Breast01(JCO) 切除不能または転移性HR陽性、HER2陰性乳がんと診断された1~2ラインの全身化学療法歴のある女性が次の治療を考える場合、「ダトロウェイ」治療を選択することで、「単剤化学療法(カペシタビン、ゲムシ ...
2024年9月12日
TROPION-Breast01 切除不能または転移性HR陽性、HER2陰性乳がんと診断された女性が次の治療を考える場合、「ダトロウェイ」治療を選択することで、「単剤化学療法」を選択した場合を上回る無増悪生存期間が期待できるが、生存 ...
2025年2月13日
「ダトロウェイ 」については、Phase 3試験『TROPION-Breast02 』のトップラインデータが2025年3月までに入手予定であることを第一三共は発表している。『TROPION-Breast02 』試験では、抗PD-(L)1抗体の適応とならない進行トリプルネガティブ乳がんに対する「ダトロウェイ 」治療が無増悪生存期間、生存期間において単剤化学療法を上回るかについて検証している。
TROPION-Breast02 抗PD-(L)1抗体の適応とならない局所再発切除不能または転移性トリプルネガティブ乳がんと診断された女性が初めての治療を考える場合、「ダトロウェイ」治療を選択することで、「単剤化学療法(パクリタキセ ...
2022年5月16日
第一三共の発表によると、Phase 3試験『DESTINY-Breast09 』のトップラインデータが2025年3月までに入手予定とのこと。『DESTINY-Breast09 』試験では、未治療のHER2陽性乳がんに対する「エンハーツ +パージェタ 」併用療法または「エンハーツ 」治療が無増悪生存期間において「ハーセプチン +パージェタ +タキサン」を上回るかについて検証している。
DESTINY-Breast09 遠隔転移を有するHER2陽性乳がんと診断された女性が初めての治療を考える場合、「エンハーツ+パージェタ」治療を選択することで、「ハーセプチン+パージェタ+タキサン」治療を選択した場合を上回る無増悪生 ...
2025年4月21日
同じく「エンハーツ 」治療に関しては、Phase 3試験『DESTINY-Breast06 』のトップラインデータが2024年9月までに入手予定であることも第一三共が発表している。『DESTINY-Breast06 』試験では、HER2低発現HR陽性の転移性乳がんに対する「エンハーツ 」治療が無増悪生存期間において「単剤化学療法」を上回るかについて検証している。
DESTINY-Breast06(NEJM) HER2低発現HR陽性の転移性乳がんと診断され、内分泌療法で病勢進行が認められたが、化学療法未治療の女性が次の治療を考える場合、「エンハーツ」治療を選択することで、「単剤化学療法(カペシタビン、パ ...
2024年9月14日
さらに「エンハーツ 」治療に関しては、Phase 3試験『DESTINY-Breast11 』のトップラインデータが2025年3月までに入手予定であることも第一三共が発表している。『DESTINY-Breast11 』試験では、切除可能なHER2陽性乳がんに対する「エンハーツ 」治療が病理学的完全奏効率において「AC(ドキソルビシン +シクロホスファミド )→THP(パクリタキセル +ハーセプチン +パージェタ )」を上回るかについて検証している。
DESTINY-Breast11 切除可能なHER2陽性乳がんと診断された女性が手術の前の治療を考える場合、「エンハーツ」治療が「AC(ドキソルビシン+シクロホスファミド)→THP(パクリタキセル+ハーセプチン+パージェタ)」治療を ...
2021年10月29日
2023年12月に開催されたSan Antonio Breast Cancer Symposium(以下、SABCS 2023 )では、HER2チロシンキナーゼ阻害薬「ツカチニブ 」のPhase 3試験の一つ『HER2CLIMB-02 』が発表された。その結果、「ハーセプチン +ドセタキセル 」治療を受けたことがあるHER2陽性進行乳がんに対する「ツカチニブ +カドサイラ 」併用療法が、無増悪生存期間において「カドサイラ 」単剤治療を上回ることが証明された。『HER2CLIMB-02 』試験には日本も参加しており、2024年は、『HER2CLIMB-02 』試験の論文発表、「ツカチニブ 」の国内承認に関する動向が注目される。
HER2CLIMB(NEJM) HER2陽性乳がんと診断され、ハーセプチン、パージェタ、カドサイラの治療歴がある女性が次の治療を考える場合、「ハーセプチン+カペシタビン」治療に経口HER2阻害薬「ツカチニブ」の上乗せを選択することで無 ...
2019年12月11日
HER2CLIMB(Ann Oncol) HER2陽性乳がんと診断され、ハーセプチン、パージェタ、カドサイラの治療歴がある女性が次の治療を考える場合、「ハーセプチン+カペシタビン」治療に経口HER2阻害薬「ツカチニブ」の上乗せを選択するこ ...
2021年12月22日
HER2CLIMB(JCO) HER2陽性乳がんと診断され、脳転移が認められ、ハーセプチン、パージェタ、カドサイラの治療歴がある女性が、次の治療を考える場合、「ハーセプチン+カペシタビン」治療に経口HER2阻害薬「ツカチニブ」の上乗 ...
2020年5月29日
HER2CLIMB(JAMA Oncol) 脳転移を有するHER2陽性乳がんと診断され、ハーセプチン、パージェタ、カドサイラの治療歴がある女性が次の治療を考える場合、「ハーセプチン+カペシタビン」治療に経口HER2阻害薬「ツカチニブ」の上乗 ...
2022年12月1日
同じくSABCS 2023 では、「PI3K阻害薬イナボリシブ 」のPhase 3試験『INAVO120 』も発表され、SNS上でも注目を集めた。その結果、HR陽性HER2陰性PICK3CA変異陽性乳がんに対する「イナボリシブ +フェソロデックス +イブランス 」併用療法が、無増悪生存期間および生存期間において「フェソロデックス +イブランス 」併用療法を上回ることが証明された。『INAVO120 』試験には日本は参加していないが、「イナボリシブ 」の日本における今後の開発動向については注視したい。
INAVO120(NEJM) HR陽性HER2陰性PICK3CA変異陽性乳がんと診断され、術後補助療法加療中または終了1年以内に再発した女性が次の治療を考える場合、「フェソロデックス+イブランス」治療に「PI3K阻害薬イナボリシブ」 ...
2024年10月31日
INAVO120 HR陽性HER2陰性PICK3CA変異陽性乳がんと診断され、術後補助療法加療中または終了1年以内に再発した女性が次の治療を考える場合、「フェソロデックス+イブランス」治療に「PI3K阻害薬イナボリシブ」の ...
2025年1月28日
2023年2月4日、Phase 3試験『EMBRACA 』などの結果に基づいて、「PARP阻害薬 ターゼナ 」が「BRCA遺伝子変異陽性かつHER2陰性の手術不能または再発乳がん」を対象に承認申請された。11月27日に開催された厚生労働省の薬食審・医薬品第二部会において承認が了承されており、2024年の早い段階での承認が期待されている。
「ターゼナ」はがん化学療法歴のあるBRCA遺伝子変異陽性かつHER2陰性の手術不能または再発乳がんに対して、2024年1月18日に承認されたPARP阻害薬。この申請は、Phase3試験『EMBRACA試験』や国内Phase 1試験の結果に基づく。 【承認日】 2024年1月18日 ...
2024年1月18日
【試験名】 EMBRACA(Phase 3)〔NCT01945775〕 【試験開始日】 2013年10月14日 【試験終了予定日】 2017年9月15日 【試験参加国】 米国、オーストラリア、ベルギー、ブラジル、フランス、ドイツ、アイルランド、イスラエル、イタリア、韓国、ポーラン ...
2013年10月14日
2023年9月30日までに、Phase 3試験『CAPItello-291 』の結果に基づき、「AKT阻害薬 トルカプ 」が「フェソロデックス 」との併用療法として「HR陽性進行乳がん」を対象に承認申請されており、2024年内の承認が期待されている。
「 トルカプ(一般名:カピバセルチブ)」は、2024年3月24日に、「内分泌療法後に増悪したPIK3CA、AKT1又はPTEN遺伝子変異を有するホルモン受容体陽性かつHER2陰性の手術不能又は再発乳がん」の効能・効果として、「フェソロデックス」との併用療法において承認されたAKT ...
2024年3月26日
【試験名】 CAPItello-291(Phase 3)〔NCT04305496/jRCT2080225182〕 【試験開始日】 2020年3月1日 【試験終了予定日】 2024年10月8日 【試験参加国】 日本(千葉県がんセンター、九州がんセンター、福島県立医科大学附属病院、埼 ...
2020年3月1日
3.食道がん・胃がん
2023年10月、ESMO 2023 にてPhase 3試験『KEYNOTE-811 』の結果が発表され(Lancet誌に同日掲載)、HER2陽性の進行胃がんに対する「ハーセプチン +化学療法+キイトルーダ 」治療によって無増悪生存期間の延長が得られることが示された。本試験には日本も参加しており、承認申請については未発表であるが、本試験の結果に基づいたより早期の承認が待たれる。
KEYNOTE-811(Lancet) HER2陽性の進行胃がんと診断された人が初めての治療を考える場合、「ハーセプチン+化学療法(5-FU+シスプラチンまたはCAPOX)」に「キイトルーダ」の上乗せを選択することで無増悪生存期間の延長が ...
2023年10月20日
KEYNOTE-811(NEJM) HER2陽性の進行胃がんと診断された人が初めての治療を考える場合、「ハーセプチン+化学療法(5-FU+シスプラチンまたはCAPOX)」に「キイトルーダ」の上乗せを選択することで生存期間の延長が期待でき ...
2024年9月13日
KEYNOTE-811(Nature) HER2陽性の進行胃がんと診断された人が初めての治療を考える場合、「ハーセプチン+化学療法(5-FU+シスプラチンまたはCAPOX)」に「キイトルーダ」の上乗せを選択することで奏効率の向上が期待でき ...
2021年12月15日
一方、HER2陰性の進行胃がんに対しては「CAPOX +キイトルーダ 」は、2023年5月12日に承認申請されており、年内の承認が期待される。この申請は、2023年10月にLancet Oncology誌に発表されたPhase 3試験『KEYNOTE-859 試験』の結果に基づいている。
「キイトルーダ+CAPOX」は治癒切除不能な進行・再発の胃がんに対して、Phase 3試験『KEYNOTE-859試験』の結果に基づき、2023年5月12日に承認申請され、2024年5月17日に承認された。 【承認日】 2024年5月17日 【効能及び効果】 治癒切除不能な進行・ ...
2024年5月17日
「キイトルーダ+5-FU+シスプラチン」は治癒切除不能な進行・再発の胃がんに対して、Phase 3試験『KEYNOTE-859試験』の結果に基づき、2023年5月12日に承認申請され、2024年5月17日に承認された。 【承認日】 2024年5月17日 【効能及び効果】 治癒切除 ...
2024年5月17日
HER2陰性の進行胃がんの中でも、Claudin 18.2陽性に対しては、化学療法(CAPOX およびFOLFOX )への「抗Claudin 18.2抗体 ビロイ 」の上乗せによって無増悪生存期間の延長が2023年に示されており、同年6月には「ビロイ 」が化学療法の併用療法において「Claudin 18.2陽性のHER2陰性の進行胃がん」に対する承認申請を行っており、こちらも年内の承認が見込まれる。
「抗Claudin 18.2抗体 ビロイ」は「CLDN18.2陽性の治癒切除不能な進行・再発の胃がん」を対象に、2024年3月26に承認された抗CLDN18.2モノクローナル抗体。この承認は、Phase 3試験『SPOTLIGHT』および『GLOW』の結果に基づいている。『GLO ...
2024年3月26日
「抗Claudin 18.2抗体 ビロイ」は、「CLDN18.2陽性の治癒切除不能な進行・再発の胃がん」を対象に2024年3月26日承認された抗CLDN18.2モノクローナル抗体。本承認は、Phase 3試験『SPOTLIGHT』および『GLOW』の結果に基づいている。『SPOT ...
2024年3月26日
食道がんについては、抗PD-1抗体「テビムブラ 」の開発が進んでいる。進行食道扁平上皮がんの一次治療として「化学療法+ テビムブラ 」治療が生存期間において「化学療法」を上回るPhase3試験『RATIONALE-306 』の結果が2023年4月にLancet Oncology誌に発表されており、国内での早期承認が期待される。承認されれば、抗PD-(L)1抗体としては 国内7番目、食道がんに適応をもつ抗PD-1抗体としては3番目となる。
RATIONALE-306(Lancet Oncol) 切除不能、局所進行、再発または転移性食道扁平上皮がんと診断された人が初めての治療を考える場合、「化学療法」に「抗PD-1抗体 テビムブラ」の上乗せを選択することで、生存期間の延長が期待できる ...
2023年4月17日
RATIONALE-306(Lancet Oncol) 切除不能、局所進行、再発または転移性食道扁平上皮がんと診断された人が初めての治療を考える場合、「シスプラチン+5-FU(またはカペシタビン)」に「抗PD-1抗体 テビムブラ」の上乗せを選択す ...
2023年4月17日
RATIONALE-306(Lancet Oncol) 切除不能、局所進行、再発または転移性食道扁平上皮がんと診断された人が初めての治療を考える場合、「シスプラチン+パクリタキセル」治療に「抗PD-1抗体 テビムブラ」の上乗せを選択することで、生 ...
2023年4月17日
RATIONALE-306(Lancet Oncol) 切除不能、局所進行、再発または転移性食道扁平上皮がんと診断された日本人が初めての治療を考える場合、「化学療法」に「抗PD-1抗体 テビムブラ」の上乗せを選択することで、生存期間の延長が期待で ...
2023年4月17日
4. 大腸がん
まず、三次治療において2023年9月に承認申請された経口チロシンキナーゼ阻害薬「フリュザクラ 」の年内の承認が期待できる。「フリュザクラ 」は、『FRESCO 』試験に加えて、2023年にLancet誌に発表された『FRESCO-2 』試験では四次治療としての有用性も示している。
「フリュザクラ(一般名:フルキンチニブ)」は、2024年11月22日に発売されたVEGFR1/2/3阻害薬。2023年9月29日に承認申請され、2024年9月24日、「がん化学療法後に増悪した治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸がん」を対象に承認された。この承認は、Phase 3 ...
2024年11月22日
KRAS G12C変異陽性例の三次治療には、2023目10月にNEJM誌に発表された『CodeBreak 300 』試験では、「ベクティビックス +ルマケラス 」治療が「ロンサーフ (またはスチバーガ )」治療を上回る無増悪生存期間を示した。今後の展開が期待される。
CodeBreak 300(NEJM) KRAS G12C変異陽性の転移性大腸がんと診断され、何らかの治療を受けた人が次の治療を考える場合、「ベクティビックス+ルマケラス」治療を選択することで、「ロンサーフ(またはスチバーガ)」治療を選択 ...
2023年10月22日
一方、一次治療については、特定の集団で標準治療より高い効果が示されている。MSI-HまたはdMMRの転移性大腸がんの一次治療における「オプジーボ +ヤーボイ 」治療が標準化学療法を上回る無増悪生存期間が得られたことがPhase 3試験『CheckMate 8HW 』より示され、1月20日、ASCO GI 2024にて発表された。また、小野薬品の発表によると、2025年3月までに承認申請予定。
CheckMate 8HW(NEJM) 遠隔転移を有するMSI-H/dMMR大腸がんと診断された人が初めての治療を考える場合、「オプジーボ+ヤーボイ」治療を選択することで、「化学療法」を選択した場合を上回る2年無増悪生存率が期待できる。 ...
2024年11月28日
CheckMate 8HW(Lancet) 遠隔転移を有するMSI-H/dMMR大腸がんと診断された人が初めての治療を考える場合、「オプジーボ」治療に「ヤーボイ」治療の上乗せを選択することで無増悪生存期間の延長が期待できる。 【発表】 2 ...
2025年1月25日
さらに、BRAFV600E 遺伝子変異陽性の転移性大腸がんの一次治療として、「FOLFOX 」治療への「ビラフトビ +アービタックス 」治療の上乗せが無増悪生存期間を延長するかを検証しているPhase 3試験『BREAKWATER 』の結果が年内にも発表されると見込まれている。小野薬品の発表によると、「FOLFOX +ビラフトビ +アービタックス 」治療の2025年3月までの申請を予定している。
BREAKWATER(Nat Med) 遠隔転移を有するBRAFV600E遺伝子変異陽性の大腸がんと診断された人が初めての治療を考える場合、「FOLFOX+ビラフトビ+アービタックス」治療を選択することで「FOLFOX(またはCAPOX、F ...
2025年1月25日
BREAKWATER 遠隔転移を有するBRAFV600E遺伝子変異陽性の大腸がんと診断された人が初めての治療を考える場合、「FOLFOX+ビラフトビ+アービタックス」治療を選択することで「FOLFOX(またはCAPOX、FOLF ...
2025年2月3日
5.肝細胞がん
肝切除またはラジオ波焼灼療法後も、再発リスクが高い人では1年無再発生存率は65%ほどである。2023年10月にLancet誌に発表された『IMbrave050 』試験の結果によると、肝切除またはラジオ波焼灼療法後に「テセントリク +アバスチン 」併用療法を最大1年間行うことで、無再発生存期間が延長されることが示された。中外製薬の発表によると、2024年12月までに「テセントリク +アバスチン による術後補助療法」の承認申請が見込まれている。
IMbrave050(Lancet) 再発リスクが高い切除可能な肝細胞がんと診断された人が肝切除またはラジオ波焼灼療法後の治療を考える場合、「テセントリク+アバスチン」治療を選択することで、1年無再発生存率の向上が期待できる。 生存期 ...
2024年7月25日
肝切除またはラジオ波焼灼療法が適応とならず、「肝動脈化学塞栓療法(TACE) 」に適応がある場合、「TACE 」に「イミフィンジ +アバスチン 」の上乗せを選択することで、無増悪生存期間の延長することが、2024年1月、ASCO GI 2024 (米サンフランシスコ 開催)にて発表された『EMERALD-1 』試験の結果より示された。「TACE +イミフィンジ +アバスチン 」治療のより早い承認申請が期待される。
EMERALD-1(Lancet) 肝動脈化学塞栓療法(TACE)に適応がある肝細胞がんと診断された人が治療を考える場合、「TACE」に「イミフィンジ+アバスチン」の上乗せを選択することで、無増悪生存期間の延長が期待できる。 【発表】 ...
2025年1月8日
切除不能な肝細胞がんに対しては、現在、「テセントリク +アバスチン 」併用療法、「イミフィンジ +イジュド 」併用療法、「イミフィンジ 」単剤療法が承認されている。近い将来、同じく免疫チェックポイント阻害薬をベースとしたレジメンが治療選択肢として増えそうだ。
その一つが「オプジーボ +ヤーボイ 」治療である。「オプジーボ +ヤーボイ 」治療の「ネクサバール (またはレンビマ )」治療と有用性を比較検証するPhase 3試験『CheckMate 9DW 』が現在進行中である。小野薬品の発表によると、2025年3月までに承認申請される予定である。
CheckMate 9DW 切除不能な進行肝細胞がんと診断された人が初めての治療を考える場合、「オプジーボ+ヤーボイ」治療を選択することで、「ネクサバール(またはレンビマ)」治療を選択した場合を上回る生存期間が期待できる。 【学 ...
2024年6月4日
もう一つが「抗PD-1抗体 テビムブラ 」単剤治療である。2023年10月にJAMA Oncology誌に発表されたPhase3試験『RATIONALE-301 』の結果、生存期間において「テビムブラ 」単剤治療が「ネクサバール 」治療に対する非劣性が示された。
RATIONALE-301(JAMA Oncol) 切除不能な進行肝細胞がんと診断された人が初めての治療を考える場合、「テビムブラ」治療を選択しても「ネクサバール」治療を選択した場合に劣らない生存期間が期待できる。 【発表】 2023年10月5日 ...
2023年10月5日
6. 胆道がん
現在、治癒切除不能な胆道がんに対するがん免疫療法として「イミフィンジ +ゲムシタビン +シスプラチン 」療法が承認されている。2023年4月、Lancet誌に『KEYNOTE-966 』試験の結果が発表された。本試験では切除不能な進行胆道がんに対する一次治療として「キイトルーダ +ゲムシタビン +シスプラチン 」治療の生存期間に関する有用性が示された。本試験の結果に基づき、2023年6月には切除不能な胆道がんに対し、承認申請されており、2024年内の承認が見込まれている。
「キイトルーダ+ゲムシタビン+シスプラチン」治療は、2023年6月13日、「切除不能な胆道がん」を対象に承認申請され、2024年5月17日に承認された治療レジメン。 本申請はPhase3試験『KEYNOTE-966』の結果に基づいている。 【承認日】 2024年5月17日 【効能 ...
2024年5月17日
KEYNOTE-966(Lancet) 切除不能な局所進行または転移性胆道がんと診断された人が初めての治療を考える場合、「ゲムシタビン+シスプラチン」治療に「キイトルーダ」の上乗せを選択することで生存期間の延長が期待できる。 「キイトルー ...
2023年4月16日
「FGFR2融合遺伝子を有する進行胆道がん」に対するFGFR阻害薬として、現在、「ペマジール 」と「リトゴビ 」が承認されている。2023年12月、「FGFR阻害薬 タスルグラチニブ 」が「FGFR2融合遺伝子を有する進行胆道がん」を対象に承認申請されており、2024年内の承認が見込まれている。
「タスフィゴ(一般名:タスルグラチニブ)」は、2024年11月20日に発売されたFGFR選択的阻害薬。2023年12月18日、「がん化学療法歴のあるFGFR2融合遺伝子陽性の治癒切除不能な胆道がん」を対象に承認申請され、2024年9月24日に承認された。 【承認日】 2024年9 ...
2024年11月20日
7. 腎細胞がん
現在、中リスクまたは高リスクの淡明細胞型腎細胞がんの一次治療として「オプジーボ +ヤーボイ 」治療が承認されている。2023年5月にNEJM誌に発表された『COSMIC-313 』試験によると、「オプジーボ +ヤーボイ 」治療にさらに「カボメティクス 」の上乗せによって無増悪生存期間が延長する。本試験には日本の施設は参加していない。
COSMIC-313(NEJM) 中リスクまたは高リスクの淡明細胞型腎細胞がんと診断された人が初めての治療を考える場合、「オプジーボ+ヤーボイ」治療に「カボメティクス」の上乗せを選択することで、無増悪生存期間の延長が期待できる。 「カ ...
2023年5月11日
現在、進行腎細胞がんの一次治療は「抗PD-(L)1抗体療法+VEGF阻害薬」治療が標準治療であるが、抵抗性になった場合の治療は確立していない。2023年10月、ESMO2023にて「経口HIF-2α阻害薬 ベルズチファン 」のPhase3試験『LITESPARK-005 』が発表され、「ベルズチファン 」単剤治療が「アフィニトール 」単剤治療を上回る無増悪生存期間を示した。 2023年12月、「ベルズチファン 」は、米国で承認された。『LITESPARK-005 』試験には日本の施設も参加しており、日本においても承認が待たれる。
LITESPARK-005(NEJM) 進行腎細胞がんと診断され、抗PD-(L)1抗体療法、VEGF阻害薬治療歴がある人が次の治療を考える場合、「経口HIF-2α阻害薬 ベルズチファン」治療を選択することで「アフィニトール」治療を選択した ...
2024年8月22日
8. 前立腺がん
2023年6月にLancet誌に発表されたPhase3試験『TALAPRO-2 』の結果に基づき、2024年1月18日、「イクスタンジ +ターゼナ 」治療が「BRCA遺伝子変異陽性の転移性去勢抵抗性前立腺がん」に対して、に承認された。
「イクスタンジ+ターゼナ」治療は「BRCA遺伝子変異陽性の転移性去勢抵抗性前立腺がん」に対して、2024年1月18日に承認された経口レジメン。この申請は、Phase3試験『TALAPRO-2試験』の結果に基づく。 【承認日】 2024年1月18日 【効能及び効果】 BRCA遺伝子 ...
2024年1月18日
【試験名】 TALAPRO-2(Phase 3)〔NCT03395197/jRCT2080224595〕 【試験開始日】 2019年3月25日 【試験終了予定日】 2024年11月25日 【試験参加国】 日本(名古屋大学医学部附属病院、弘前大学医学部附属病院、国立がん研究センター ...
2019年3月25日
2023年8月、アンドロゲン受容体シグナル阻害薬治療歴を有する前立腺がんを対象とした『CONTACT-02 』試験の結果、「テセントリク +カボメティクス 」治療が無増悪生存期間を延長させることが発表された。武田薬品の発表によると2024年3月までの承認申請を目標に置いている。
CONTACT-02 転移性去勢抵抗性前立腺がんと診断され、アンドロゲン受容体シグナル阻害薬治療後に進行した男性が次の治療を考える場合、「テセントリク+カボメティクス」治療を選択することで、「イクスタンジ(またはザイティガ+ ...
2024年9月15日
9. 尿路上皮がん
2023年10月22日、NEJM誌に『CheckMate 901 』試験の結果が発表され、 シスプラチン 適格の進行尿路上皮がんに対する「オプジーボ +ゲムシタビン +シスプラチン 」治療の無増悪生存期間および生存期間における有用性が示された。本試験の結果に基づいて、2023年12月18日、「オプジーボ +ゲムシタビン +シスプラチン 」治療が「根治切除不能な尿路上皮がん」を対象に承認申請された。2024年内の承認が期待される。
「オプジーボ+ゲムシタビン+シスプラチン」併用療法が「根治切除不能な尿路上皮がん」を対象に2023年12月18日に承認申請され、2024年12月27日承認された。 【承認日】 2024年12月27日 【効能及び効果】 根治切除不能な尿路上皮癌 【さらに詳しく】 ニボルマブの根治切 ...
2024年12月27日
2023年10月21日、NEJM誌に『THOR cohort 1 』試験の結果が発表され、抗PD-1抗体を含む治療歴を有するFGFR遺伝子変異陽性転移性尿路上皮がんに対する「FGFR阻害薬 バルバーサ 」治療の生存期間における有用性が示された。本試験の結果に基づいて、2023年11月20日、「バルバーサ 」治療が「FGFR3遺伝子変異または融合遺伝子を有するがん薬物療法後に増悪した根治切除不能な尿路上皮がん」を対象に承認申請された。2024年内の承認が期待される。
「 バルバーサ(一般名:エルダフィチニブ)」は「がん化学療法後に増悪したFGFR3遺伝子変異又は融合遺伝子を有する根治切除不能な尿路上皮がん」に対して、2024年12月27日に承認されたFGFR阻害薬。この承認は、Phase 3試験『THOR試験』の結果に基づく。 【承認日】 2 ...
2024年12月27日
2023年10月22日、『EV-302/KEYNOTE-A39 』試験の結果がESMO2023 にて発表され、進行尿路上皮がんに対する一次治療として「キイトルーダ +パドセブ 」治療の無増悪生存期間および生存期間における有用性が示された。アステラス社の発表によると、2024年3月までに本試験の結果に基づいて、グローバルでの当局申請を実施する予定。
EV-302/KEYNOTE-A39(NEJM) 局所進行性または転移性尿路上皮がんと診断された人が初めての治療を考える場合、「キイトルーダ+パドセブ」治療を選択することで「化学療法(ゲムシタビン+シスプラチン(またはカルボプラチン)」を選択する ...
2024年3月7日
筋層浸潤性膀胱がんの周術期治療として「ゲムシタビン +シスプラチン 」治療への「オプジーボ ±リンロドスタット 」の上乗せの有用性を検証するPhase3試験『ENERGIZE 』試験が進行中である。小野薬品の発表によると、2025年3月までに本試験の結果に基づいて、承認申請を実施する予定。
ENERGIZE 筋層浸潤性膀胱がんと診断された人が手術前後の治療を考える場合、手術前に「化学療法(ゲムシタビン+シスプラチン)」に「オプジーボ」または「オプジーボ+リンロドスタット」の上乗せを選択し、手術後に「オプジーボ ...
2018年10月12日
10. 卵巣がん
高悪性度上皮性卵巣がんの一次治療として「化学療法+アバスチン 」治療への「イミフィンジ 」の上乗せ、それに続く維持療法として「アバスチン 」治療への「イミフィンジ +リムパーザ 」の上乗せによって無増悪生存期間が延長されることがPhase3試験『DUO-O 』の結果、示され、2023年6月開催のASCO 2023にて発表された。『DUO-O 』試験には日本の施設も参加しており、今後、日本での承認動向が注視される。
DUO-O 高悪性度上皮性卵巣がんと診断された女性が初めての治療を考える場合、導入療法として「化学療法(パクリタキセル+カルボプラチン)+アバスチン」に「イミフィンジ」を上乗せし、終了後 「アバスチンによる維持療法」に ...
2023年6月3日
2023年12月、『MIRASOL 』試験の結果が、NEJM誌に発表された。『MIRASOL 』試験では、FRα高発現プラチナ抵抗性卵巣がんの「ミルベツキシマブ ソラブタンシン 」治療が無増悪生存期間、生存期間における有用性が示された。MIRASOL 』試験には日本の施設は参加していないが、「ミルベツキシマブ ソラブタンシン 」の日本における開発は武田薬品が権利を取得しており、今後の開発動向が注視される。
MIRASOL(NEJM) FRα高発現卵巣がんと診断され、1〜3ラインの治療を受け、プラチナ製剤を含む化学療法に抵抗性となった女性が次の治療を考える場合、「ミルベツキシマブ ソラブタンシン」治療を選択することで、化学療法単剤(パク ...
2023年12月7日
11. 子宮頸がん
2023年10月に開催されたESMO2023 において、『KEYNOTE-A18 』試験の結果として、局所進行子宮頸がんへの「化学放射線療法+キイトルーダ 」治療が無増悪生存期間において有用性が示された。本試験の結果を受けて、2024年1月12日、米国では「III期からIVA期の局所進行子宮頸がん」に対し、承認された。『KEYNOTE-A18 』試験には日本の施設も参加しており、今後、日本での承認動向が注視される。
KEYNOTE-A18(Lancet) 高リスク局所進行子宮頸がんと診断された人が初めての治療を考える場合、「化学放射線療法」に「キイトルーダ」の上乗せを選択することで、2年無増悪生存率の向上が期待できる。 本試験の結果に基づいて、20 ...
2024年3月20日
再発・進行子宮頸がんの一次治療においても選択肢が増えそうだ。日本でも2021年10月に「化学療法±アバスチン +キイトルーダ 」治療が承認されている治療分野ではあるが、「化学療法+アバスチン +テセントリク 」治療の有用性を検証した『BEATcc 』試験結果が、2023年12月、Lancet誌に発表され、生存期間の延長が示された。『BEATcc 』試験には日本の施設も参加しており、今後、承認動向が注視される。
BEATcc(Lancet) 再発または進行子宮頸がんと診断された女性が初めての治療を考える場合、「プラチナ製剤+パクリタキセル+アバスチン」治療に「テセントリク」の上乗せを選択することで、生存期間の延長が期待できる。 【発表】 ...
2023年12月1日
再発・進行子宮頸がんの一次治療が充実する中で、二次治療の進歩にも注目したい試験結果『innovaTV301 』が、2023年10月のESMO2023 にて発表された。抗体薬物複合体である「テブダック 」療法がこれまでの標準治療を上回る生存期間を示した。
innovaTV301(NEJM) 進行または再発子宮頸がんと診断され、一次または二次治療を受けたことがある女性が次の治療を考える場合、「テブダック」療法を選択することで「化学療法(トポテカン、ビノレルビン、ゲムシタビン、イリノテカン、 ...
2024年7月4日
12. 子宮体がん
子宮体がんの一次治療が大きく変わりそうだ。2023年、プラチナ製剤を含む化学療法への抗PD-(L)1抗体の上乗せ効果を検証した試験結果が相次いで発表された。これらの試験結果に基づいて「キイトルーダ 」、「テセントリク 」、「イミフィンジ 」について、2024年内の承認申請が期待される。「ドスタルリマブ 」の有用性を検証した『RUBY 』試験には日本の施設は参加していない。
2023年3月27日
KEYNOTE-868(NEJM) ミスマッチ修復機構欠損を有する進行子宮体がんと診断された女性が初めての治療を考える場合、「カルボプラチン+パクリタキセル」治療に「キイトルーダ」の上乗せを選択することで、無増悪生存期間の延長が期待でき ...
2023年10月21日
DUO-E(JCO) 進行または再発子宮体がんと診断された女性が初めての治療を考える場合、「化学療法」に「イミフィンジ」の上乗せを選択し、「イミフィンジ+リムパーザによる維持療法」を選択することで無増悪生存期間の延長が期待できる ...
2024年8月2日
AtTEnd(Lancet Oncol) 進行または再発子宮体がんと診断された女性が初めての治療を考える場合、「パクリタキセル+カルボプラチン」治療に「テセントリク」の上乗せを選択することで、無増悪生存期間の延長が期待できる。 【発表】 ...
2023年3月27日
RUBY(NEJM) 進行または再発子宮体がんと診断された女性が初めての治療を考える場合、「カルボプラチン+パクリタキセル」治療に「ドスタルリマブ」の上乗せを選択することで、2年無増悪生存率、2年生存率の向上が期待できる。 特に ...
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