
MARIANNE(JCO)
遠隔転移を有するHER2陽性乳がんと診断された人が初めての治療を考える場合、「カドサイラ+パージェタ」治療を選択しても、「ハーセプチン+タキサン」治療を上回る無増悪生存期間は期待しにくい。
「カドサイラ」治療を受けた人の59.7%、「カドサイラ+パージェタ」治療を受けた人の64.2%、「ハーセプチン+タキサン」治療を受けた人の67.9%が治療に奏効した。
グレード3以上の有害事象は、「ハーセプチン+タキサン」治療より、「カドサイラ」治療や「カドサイラ+パージェタ」治療を選択することで、避けられる確率は高くなる。「ハーセプチン+タキサン」治療では54.1%の人がグレード3以上の有害事象を経験したが、「カドサイラ」治療を受けた人では45.4%、「カドサイラ+パージェタ」治療を受けた人では46.2%と少なかった。
この試験結果を踏まえて、2015年10月23日、HER2陽性乳癌を対象にした「カドサイラ」の一次治療としての使用を可能にする薬事対応を行わないことが発表された。
【発表】
2016年11月7日
【試験名】
MARIANNE(Phase 3)〔NCT01120184/jRCT2080221448〕
【試験参加国】
日本(愛知県がんセンター、四国がんセンター、北九州市立医療センター、九州がんセンター、岐阜大学医学部附属病院、群馬大学医学部附属病院、広島大学病院、北海道大学病院、兵庫医科大学病院、兵庫県立がんセンター、金沢大学附属病院、岩手医科大学附属病院、聖マリアンナ医科大学病院、東海大学医学部付属病院、熊本大学病院、熊本市民病院、京都大学医学部附属病院、東北大学病院、新潟県立がんセンター新潟病院、岡山大学病院、川崎医科大学附属病院、大阪大学医学部附属病院、大阪医療センター、埼玉医科大学総合医療センター、埼玉県立がんセンター、静岡県立がんセンター、静岡県立総合病院、自治医科大学附属病院、相良病院、三河乳がんクリニック、国立がん研究センター中央病院、虎の門病院、がん研有明病院、昭和大学病院、東京医科大学病院、杏林大学医学部付属病院)、米国、アルゼンチン、オーストラリア、オーストリア、バハマ、ベルギー、ボスニア・ヘルツェゴヴィナ、ブラジル、カナダ、コロンビア、チェコ、デンマーク、ブラジル、ドイツ、ギリシャ、グアテマラ、ハンガリー、イタリア、韓国、マケドニア、マレーシア、メキシコ、ニュージーランド、パナマ、ペルー、フィリピン、ポーランド、ポルトガル、ルーマニア、ロシア、スペイン、スウェーデン、スイス、台湾、タイ、トルコ、英国
【原著】
J Clin Oncol. 2017 ;35:141-148. [PubMed:28056202]
【さらに詳しく】
【こちらの図鑑も合わせて見る】