PRIME(JCO)
遠隔転移を有する大腸がんと診断された人が初めての治療を考える場合、KRAS野生型であれば「FOLFOX」治療に「ベクティビックス」の上乗せを選択することで無増悪生存期間の延長が期待できる。KRAS変異型であれば「FOLFOX」治療に「ベクティビックス」の上乗せを選択することで無増悪生存期間は短縮する。
【発表】
2010年10月4日
【試験】
PRIME(Phase 3)〔NCT00364013〕
【試験参加国】
アルゼンチン、オーストラリア、ベルギー、ブラジル、カナダ、チリ、コスタリカ、チェコ、エストニア、フランス、ハンガリー、イタリア、ラトビア、メキシコ、ポーランド、南アフリカ、スペイン、スイス、英国
【原著】
J Clin Oncol. 2010;28:4697-705. [PubMed:20921465]
【さらに詳しく】
- パニツムマブとFOLFOXの併用でKRAS野生型転移性結腸・直腸癌患者の無増悪生存期間が延長〔日経メディカル〕
- KRAS変異ない大腸癌患者に対するパニツムマブとFOLFOXの併用療法に全生存期間の延長傾向【ASCO GI】〔日経メディカル〕
【こちらの図鑑も合わせて見る】
【添付文書における表記】
化学療法未治療の転移性結腸・直腸癌患者1,183例を対象に、フルオロウラシル、ロイコボリンカルシウム及びオキサリプラチンを含む化学療法(FOLFOX4)に本剤を併用投与したときの有効性及び安全性を比較検討した。主要評価項目は無増悪生存期間であった。KRAS遺伝子野生型集団注1)における成績は以下のとおりであった。
KRAS遺伝子野生型集団の有効性 評価項目
本剤併用群(n=325)
FOLFOX4単独群
(n=331)P値
ハザード比
(95%信頼区間)無増悪生存期間中央値(月)
(95%信頼区間)9.6
(9.2,11.1)8.0
(7.5,9.3)0.0234
0.798
(0.656,0.971)全生存期間中央値注)(月)
(95%信頼区間)NE
(20.3,NE)18.8
(17.2,NE)0.1623
0.831
(0.640,1.079)注)中間解析、NE:推定不能
KRAS遺伝子野生型集団の本剤併用群の副作用発現頻度は、100%(321/322)であり、主な副作用は好中球減少症59%(189/322)、下痢56%(181/322)及び発疹54%(175/322)であった。