JMDB(Oncologist)
非小細胞肺がんと診断された人が初めての治療を考える場合、組織型が腺がんまたは大細胞がんであれば、「ペメトレキセド+シスプラチン」治療を選択することで「ゲムシタビン+シスプラチン」治療を選択した場合を上回る生存期間が期待できる。
扁平上皮非がんであれば、「ゲムシタビン+シスプラチン」治療を選択することで「ペメトレキセド+シスプラチン」治療を選択した場合を上回る生存期間が期待できる。
【発表】
2009年2月16日
【試験名】
JMDB(Phase 3)
【原著】
Oncologist. 2009;14:253-63. [PubMed: 19221167]
【こちらの図鑑も合わせて見る】
【肺がん:一次治療(OS)】「ペメトレキセド+シスプラチン」vs「ゲムシタビン+シスプラチン」
【肺がん(腺がん):一次治療(OS)】「ペメトレキセド+シスプラチン」vs「ゲムシタビン+シスプラチン」
【添付文書における表記】
非小細胞肺癌患者(化学療法未治療)を対象に米国ほか26ヵ国で実施された第III相試験注19)における、本剤500mg/m2及びシスプラチン75mg/m2併用投与群とゲムシタビン1250mg/m2及びシスプラチン75mg/m2併用投与群の成績は、次表及び図のとおりであった。なお、本試験は非劣性を検証することを主要目的として実施した。
本剤とシスプラチンの併用群839例において、本治療との因果関係を否定できない有害事象は、悪心(56.1%)、嘔吐(39.7%)、ヘモグロビン減少(33.0%)、疲労(42.7%)、好中球減少症(29.0%)であった。
本試験における組織型別の部分集団解析の結果を以下の表に示す。
組織型別
部分集団
生存期間中央値(月)
(95%信頼区間)
ハザード比注10),注11)
(95%信頼区間)
本剤及びシスプラチン
併用投与群
ゲムシタビン及び
シスプラチン併用投与群扁平上皮癌
(N=473)
9.4
(8.4-10.2)
N=244
10.8
(9.5-12.1)
N=229
1.23
(1.00-1.51)
腺癌
(N=847)
12.6
(10.7-13.6)
N=436
10.9
(10.2-11.9)
N=411
0.84
(0.71-0.99)
大細胞癌
(N=153)
10.4
(8.6-14.1)
N=76
6.7
(5.5-9.0)
N=77
0.67
(0.48-0.96)
その他注12)
(N=252)
8.6
(6.8-10.2)
N=106
9.2
(8.1-10.6)
N=146
1.08
(0.81-1.45)
注10) ハザード比が1を下回る場合は本剤及びシスプラチン群がゲムシタビン及びシスプラチン群に比較して生存期間が長いことを示す
注11) 共変量としてECOG PS、性、病期、病理学的診断方法を用い調整したハザード比
注12) その他は、一次診断が扁平上皮癌、腺癌及び大細胞癌のいずれに分類されるのか明らかでなかった症例等を含む
注19) 発疹の発現及び重症化を軽減するため、外国臨床試験では、本剤投与の前日から投与の翌日までの3日間、デキサメタゾンを1回4mg、1日2回経口投与した。また、国内臨床試験では、発疹が発現した症例に限り、次回の本剤投与時から外国臨床試験の用法・用量を参考にデキサメタゾン等の副腎皮質ホルモン剤の投与を可能とした。