【食道がん:術後治療(DFS)】「オプジーボ」vs「プラセボ」

CheckMate 577(NEJM)                   

StageⅡまたはⅢの食道がんと診断され、化学放射線療法に続いて手術を受けた人が術後の治療を考える場合、「オプジーボによる術後補助療法」を選択することで無病生存期間の延長が期待できる。

オプジーボ」治療を受けた人の13%がグレード3または4の治療関連有害事象を経験し(vs 6%)、9%の人が治療関連有害事象のため治療を中止した(vs 3%)。

本試験の結果に基づいて、2021年2月18日、「オプジーボ」について「食道がんの術後補助療法」に関する適応拡大の承認申請が行われ、2021年11月25日、承認された。

【発表】

2021年4月1日

【試験名】

CheckMate 577(Phase 3)〔NCT02743494/jRCT2080223354

【試験参加国】

日本(恵佑会札幌病院、秋田大学医学部附属病院、千葉大学医学部附属病院、九州大学病院、岐阜大学医学部附属病院、広島大学病院、北海道大学病院、鹿児島大学病院、熊本大学病院、東北大学大学院、近畿大学病院、大阪大学医学部附属病院、埼玉県立がんセンター、国立がん研究センター中央病院、がん研有明病院、虎の門病院、東京医科大学病院、慶應義塾大学病院、九州がんセンター、香川大学医学部附属病院)、米国、アルゼンチン、オーストラリア、ベルギー、ブラジル、カナダ、中国、チェコ、デンマーク、フランス、ドイツ、香港、ハンガリー、アイルランド、イスラエル、イタリア、韓国、メキシコ、オランダ、ペルー、ポーランド、プエルトリコ、ルーマニア、ロシア、シンガポール、スペイン、スイス、台湾、トルコ、英国

【原著】

N Engl J Med 2021; 384:1191-1203  [PubMed: 33789008]

【さらに詳しく】

【添付文書における表記】

術前化学放射線療法により病理学的完全奏効(pCR)が認められなかった*32食道癌又は食道胃接合部癌(腫瘍の中心が食道胃接合部より上下5cm以内に位置する腺癌又は扁平上皮癌)の術後患者794例(日本人患者63例を含む。本剤群532例、プラセボ群262例)を対象に、プラセボを対照として本剤240mgを2週間間隔で8回点滴静注した後、480mgを4週間間隔で点滴静注注8)(最長12ヵ月間)したときの有効性及び安全性を検討した。主要評価項目である無病生存期間(中央値[95%信頼区間])は、本剤群で22.41[16.62~34.00]ヵ月、プラセボ群で11.04[8.34~14.32]ヵ月であり、本剤はプラセボに対し統計学的に有意な延長を示した(ハザード比0.69[96.4%信頼区間:0.56~0.86]、p=0.0003[層別log-rank検定]、2020年5月12日データカットオフ)。また、安全性評価対象532例中376例(70.7%)に副作用(臨床検査値異常を含む)が認められた。主な副作用は、疲労90例(16.9%)、下痢88例(16.5%)、そう痒症53例(10.0%)であった。

*32:術後の病理組織学的検査でAmerican Joint Committee on Cancer(AJCC)病期分類(第7版)に基づくypT1以上又はypN1以上であることと定義された。

注8)本剤の承認された食道癌における術後補助療法の用法及び用量は「通常、成人にはニボルマブ(遺伝子組換え)として、1回240mgを2週間間隔又は1回480mgを4週間間隔で点滴静注する。ただし、食道癌における術後補助療法の場合は、投与期間は12ヵ月間までとする。」である。