【多発性骨髄腫:四次治療(ORR)】エルレフィオ

MagnetisMM-3(Nat Med)                    

多発性骨髄腫と診断され、プロテアソーム阻害薬、免疫調節薬、抗CD38抗体の各1剤以上に抵抗性となった123名が「BCMAxCD3二重特異性抗体エルレフィオ」治療を受けた結果、61.0%の人が治療に奏効した。

本試験、国内Phase1試験「MagnetisMM-2試験」などの結果に基づき、2023年6月29日、エルレフィオは「再発又は難治性の多発性骨髄腫」を予定適応症として承認申請された。

【発表】

2023年8月15日

【試験名】

MagnetisMM-3(Phase 2)〔NCT04649359jRCT2041210098

【試験参加国】

日本(名古屋市立大学病院、群馬大学医学部附属病院、神戸市立医療センター中央市民病院、岩手医科大学附属病院、東北大学病院、日本赤十字社医療センター、山形大学医学部附属病院)、米国、オーストラリア、ベルギー、カナダ、フランス、ドイツ、ポーランド、スペイン、英国

【原著】

Nat Med. 2023 ;29:2259-2267. [PubMed: 37582952]

【さらに詳しく】

【添付文書における表記】

免疫調節薬、プロテアソーム阻害剤及び抗CD38モノクローナル抗体製剤のそれぞれ少なくとも1剤による前治療歴を有する(ただし、前治療のレジメン数を問わない)再発又は難治性の多発性骨髄腫患者注1)187例(日本人患者12例を含む)を対象として、本剤の有効性及び安全性を検討する非盲検非対照第Ⅱ相試験を実施した。本試験では、B細胞成熟抗原(BCMA)を標的とした治療による治療歴のない患者をコホートA(日本人患者12例を含む123例)、BCMAを標的とした抗体薬物複合体又はキメラ抗原受容体T細胞療法による治療歴のある患者をコホートB(64例)にそれぞれ組み入れた。

用法・用量は、1サイクルを28日間とし、第1サイクルの第1日目及び第4日目にそれぞれ本剤12及び32mgを皮下投与注2)、第1サイクルの第8日目以降は76mgを1週間に1回皮下投与し、疾患進行又は投与中止基準に該当するまで投与を継続した。また、76mgの週1回投与を少なくとも6サイクル実施し、部分奏効以上の奏効が2ヵ月以上持続している場合、投与間隔を2週間に1回に変更した。
主要評価項目とされた中央判定注3)による奏効率(%)(部分奏効以上の最良総合効果を示した患者の割合)は、コホートAで61.0(95%信頼区間:51.8, 69.6)(75/123例)、コホートBで29.7(95%信頼区間:18.9, 42.4)(19/64例)であった(データカットオフ日:2022年6月17日

本剤が投与された183例注4)(日本人患者12例を含む)中167例(91.3%)に副作用が認められた。主な副作用は、サイトカイン放出症候群106例(57.9%)、注射部位反応67例(36.6%)、好中球減少症66例(36.1%)、貧血49例(26.8%)、疲労47例(25.7%)、リンパ球減少症43例(23.5%)、血小板減少症34例(18.6%)、食欲減退28例(15.3%)等であった(データカットオフ日:2022年10月14日)。

注1)免疫調節薬、プロテアソーム阻害剤及び抗CD38モノクローナル抗体製剤のそれぞれ少なくとも1剤に対して難治性を示し、かつ直近の治療に対して再発又は難治性の患者が対象とされた。

注2)最初に組み入れられたコホートAの4例は、第1日目に本剤44mgが投与され、第1サイクルの第8日目以降から76mgが週に1回投与された。

注3)国際骨髄腫ワーキンググループの効果判定規準に従った判定

注4)本剤44mgの投与後に76mgの週1回投与を受けたコホートAの4例を除く。