【BRCA陽性乳がん(PFS)】「リムパーザ」vs「化学療法」

OlympiAD(NEJM)                         

BRCA遺伝子陽性HER2陰性転移性乳がんと診断され、化学療法歴が0〜2の女性が次の治療を考える場合、「リムパーザ」治療を選択することで「化学療法単剤(カペシタビンハラヴェンビノレルビンより主治医が選択)」治療を選択した場合を上回る無増悪生存期間が期待できる。

奏効率は、化学療法単剤治療を受けた女性で28.8%であったのに対し、「リムパーザ」治療を受けた女性では59.9%と有意に向上した。

グレード3以上の有害事象は、化学療法単剤治療を受けた女性の50.5%が経験したのに対し、「リムパーザ」治療を受けた女性では36.6%であった。化学療法単剤治療を受けた女性の7.7%、「リムパーザ」治療を受けた女性の4.9%が有害事象のため治療中止に至った。

【発表】

2017年6月4日

【試験名】

OlympiAD(Phase 3)〔NCT02000622/jRCT2080222477

【試験参加国】

日本(国立がん研究センター中央病院、聖路加国際病院、九州がんセンター、相良病院、愛知県がんセンター、大阪医療センター、北海道がんセンター、昭和大学病院、大阪大学医学部附属病院)、米国、ブルガリア、中国、チェコ、フランス、ハンガリー、イタリア、韓国、メキシコ、ペルー、ポーランド、ルーマニア、ロシア、スペイン、スイス、台湾、トルコ、英国

【原著】

N Engl J Med. 2017;377:523-33.  [PubMed:28578601]

【さらに詳しく】

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【添付文書における表記】

生殖細胞系列のBRCA遺伝子変異(病的変異又は病的変異疑い)陽性かつHER2陰性であり、アントラサイクリン系抗悪性腫瘍剤(禁忌でない場合)及びタキサン系抗悪性腫瘍剤による治療歴を有する手術不能又は再発乳癌患者302例(本剤群205例、化学療法群97例、うち日本人は本剤群15例、化学療法群9例)を対象として、本剤300mg1日2回投与の有効性及び安全性を、医師が選択した化学療法(カペシタビン、エリブリン、又はビノレルビンのいずれかを選択)と比較する非盲検無作為化多施設共同第III相試験を実施した。主要評価項目である盲検下での独立中央評価に基づく無増悪生存期間において、本剤は医師が選択した化学療法に対し統計学的に有意な延長を示した(ハザード比0.58、95%信頼区間0.43~0.80、p=0.0009[両側])。無増悪生存期間の中央値は本剤群で7.0カ月、化学療法群で4.2カ月であった。(2016年12月9日データカットオフ)

本剤が投与された205例(日本人15例を含む)中200例(97.6%)に有害事象が認められ、主な有害事象は、悪心119例(58.0%)、貧血81例(39.5%)、嘔吐66例(32.2%)であった。(2017年9月25日データカットオフ)