【食道がん:二次治療(OS)】「オプジーボ」vs「化学療法」

ATTRACTION-3(Lancet Oncol)                

「フルオロピリミジン系+プラチナ製剤」を含む化学療法を受けたことがある人が次の治療を考える場合、「オプジーボ」治療を選択することで、「パクリタキセル(またはドセタキセル)」を選択した場合を上回る生存期間が期待できる。

オプジーボ」治療を受けた18%の人がグレード3または4の治療関連有害事象を経験した(vs 63%)。「オプジーボ」治療のグレード3または4の主な治療関連有害事象は貧血(2%)、化学療法の主なグレード3または4の好中球数減少(28%)。

本試験の結果に基づき、2019年5月30日、「オプジーボ」の「癌化学療法後に増悪した根治切除不能な進行・再発の食道癌 」を効能・効果として追加する承認申請が行われ、2020年2月21日、承認された。

【発表】

2019年9月30日

【試験名】

ATTRACTION-3(Phase 3)〔NCT02569242/jRCT2080222974

【試験参加国】

日本(愛知県がんセンター、名古屋大学医学部附属病院、弘前大学医学部附属病院、国立がん研究センター東病院、四国がんセンター、北海道大学病院、神戸市立医療センター中央市民病院、東海大学医学部付属病院、聖マリアンナ医科大学病院、横浜市立大学附属病院、神奈川県立がんセンター、三重大学医学部附属病院、東北大学大学院、佐久医療センター、新潟大学医歯学総合病院、近畿大学病院、大阪大学医学部附属病院、大阪医科薬科大学病院、埼玉医科大学国際医療センター、埼玉県立がんセンター、静岡がんセンター、自治医科大学附属病院、東京都立駒込病院、国立がん研究センター中央病院、聖路加国際病院、がん研有明病院、東京医療センター、虎の門病院、昭和大学病院、慶應義塾大学病院、東京女子医科大学病院、秋田大学医学部附属病院、千葉大学医学部附属病院、九州大学病院、福島県立医科大学附属病院、広島大学病院、鹿児島大学病院、熊本大学病院、京都府立医科大学附属病院、京都大学医学部附属病院、新潟県立がんセンター新潟病院、大阪国際がんセンター、静岡県立総合病院)、米国、デンマーク、ドイツ、イタリア、韓国、台湾、英国

【原著】

Lancet Oncol. 2019 ;20:1506-1517. [PubMed:31582355]

【さらに詳しく】

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【添付文書における表記】

フッ化ピリミジン系抗悪性腫瘍剤及びプラチナ製剤を含む併用療法に不応又は不耐の根治切除不能な進行・再発の食道癌患者*28388例(日本人患者274例を含む。本剤群193例、対照群195例)を対象に、タキサン系薬剤(ドセタキセル又はパクリタキセル)を対照として本剤240mgを2週間間隔で点滴静注したときの有効性及び安全性を検討した。主要評価項目である全生存期間(中央値[95%信頼区間])は、本剤群で11.17[9.99~13.73]ヵ月、対照群で8.54[7.20~9.89]ヵ月であり、本剤はタキサン系薬剤に対し統計学的に有意な延長を示した(ハザード比0.79[95%信頼区間:0.63~0.99]、p=0.0381[層別log-rank検定]、2018年11月12日データカットオフ)。また、安全性評価対象192例中129例(67.2%)に副作用(臨床検査値異常を含む)が認められた。主な副作用は、発疹23例(12.0%)、下痢20例(10.4%)、甲状腺機能低下症17例(8.9%)、そう痒症17例(8.9%)、食欲減退15例(7.8%)、発熱15例(7.8%)、疲労14例(7.3%)であった。

*28:大動脈、気管等への明らかな浸潤を認めず、かつ食道又は気管にステント治療法を実施していない患者が対象とされた。