【頭頸部がん:二次治療(OS)】「オプジーボ」vs「化学療法」

CheckMate 141 (NEJM)                      

頭頸部扁平上皮がんと診断され、プラチナ製剤を含む化学療法後6ヵ月以内に増悪した人が次の治療を考える場合、「オプジーボ」治療を選択することで、生存期間の延長が期待できる。

試験では1年生存率は16.6%から36.0%に、6ヵ月無増悪生存率は9.9%から19.7%に、奏効率は5.8%から13.3%に向上した。治療に関連したグレード3または4の有害事象は、35.1%から13.4%に軽減した。

本試験の結果に基いて、「オプジーボ」が2016年11月10日、米国で「再発または転移性の頭頸部扁平上皮がんで、プラチナ製剤ベースの治療を施行中または施行後に病勢進行を認めた患者」の適応拡大が承認された。日本では2016年7月27日、本試験の結果に基いて「再発又は遠隔転移を有する頭頸部がん」を追加する適応拡大が申請され、2017年3月24日承認された。

【発表】

2016年10月8日

【試験名】

CheckMate 141 (Phase 3)〔NCT02105636/jRCT2080222596

【試験参加国】

日本(がん研有明病院、神戸大学医学部附属病院、兵庫県立がんセンター、愛知県がんセンター、静岡がんセンター、国立がん研究センター東病院、大阪医科薬科大学病院、北海道大学病院)、米国、アルゼンチン、ブラジル、カナダ、フランス、ドイツ、香港、イタリア、韓国、オランダ、スペイン、スイス、台湾、英国

【原著】

N Engl J Med. 2016 ;375:1856-1867.  [PubMed:27718784]

【さらに詳しく】

【こちらの図鑑も合わせて見る】

【頭頸部がん:二次治療(OS)】「オプジーボ」vs「化学療法」
CheckMate 141 (NEJM)                       頭頸部扁平上皮がんと診断され、プラチナ製剤を含む化学療法後6ヵ月以内に増悪した人が次の治療を考える場合、「オプジーボ」治療を選択することで、生存期間の延長が期待できる。 試験では1年生存率は16 ...
【頭頸部がん(アジア人):二次治療】「オプジーボ」vs「化学療法」
CheckMate 141 (Oral Oncol)                     アジア人でも、頭頸部扁平上皮がんと診断され、プラチナ製剤を含む化学療法後6ヵ月以内に増悪した人が次の治療を考える場合、「オプジーボ」治療を選択することで、生存期間の延長が期待できる。 【 ...
【頭頸部がん(アジア人):二次治療(2年OS)】「オプジーボ」vs「化学療法」
CheckMate 141 (Head Neck)                     アジア人でも、頭頸部扁平上皮がんと診断され、プラチナ製剤を含む化学療法後6ヵ月以内に増悪した人が次の治療を考える場合、「オプジーボ」治療を選択することで、化学療法を選択した場合を上回る2年 ...

 

【添付文書における表記】

プラチナ製剤を含む化学療法*20終了後から6ヵ月以内に病勢進行又は再発が認められた、根治目的の局所療法の適応とならないⅢ期/Ⅳ期の頭頸部扁平上皮癌*21患者361例(日本人患者27例を含む。本剤群240例、対照群121例)を対象に、治験担当医師が選択した治療(メトトレキサート、ドセタキセル又はセツキシマブ)を対照として本剤3mg/kgを2週間間隔で点滴静注注1)したときの有効性及び安全性を検討した。主要評価項目である全生存期間(中央値[95%信頼区間])の中間解析結果は、本剤群で7.49[5.49~9.10]ヵ月、対照群で5.06[4.04~6.05]ヵ月であり、本剤は治験担当医師が選択した治療に対し統計学的に有意な延長を示した(ハザード比0.70[97.73%信頼区間:0.51~0.96]、p=0.0101[層別log-rank検定]、2015年12月18日データカットオフ)。また、安全性評価対象236例中139例(58.9%)に副作用(臨床検査値異常を含む)が認められた。主な副作用は、疲労33例(14.0%)、悪心20例(8.5%)、発疹18例(7.6%)、そう痒症17例(7.2%)、食欲減退17例(7.2%)、下痢16例(6.8%)、貧血12例(5.1%)であった。

*20:根治目的又は術後の化学放射線療法を含む。
*21:対象とされた原発部位は、口腔、中・下咽頭及び喉頭。