
EMILIA(Lancet Oncol)
遠隔転移を有するHER2陽性乳がんと診断され、ハーセプチン、タキサン系抗がん剤を含む治療を受けたことがある女性が次の治療を考える場合、「カドサイラ」治療を選択することで「タイケルブ+カペシタビン」治療を選択した場合を上回る生存期間が期待できる。今回の最終解析においても、2012年に発表された中間解析と結論は変わらなかった。
試験では、「タイケルブ+カペシタビン」治療を受けた人では生存期間が25.9ヵ月であったのに対し、「カドサイラ」治療を受けた人では29.9ヵ月と有意に延長。
グレード3以上の有害事象の発現率は「カドサイラ」治療を選択することで60%から48%に抑えられる。「カドサイラ」治療を受けた人の主なグレード3以上の有害事象は、血小板減少症(14%)、ATP上昇(5%)、貧血(4%)。「タイケルブ+カペシタビン」治療を受けた人の主なグレード3以上の有害事象は、下痢(21%)、手足症候群(18%)、嘔吐(5%)。
【発表】
2017年5月16日
【試験名】
EMILIA(Phase 3) 〔NCT00829166〕
【試験参加国】
米国、ボスニア・ヘルツェゴヴィナ、ブラジル、ブルガリア、カナダ、コロンビア、デンマーク、フィンランド、フランス、ドイツ、香港、インド、イタリア、韓国、メキシコ、ニュージーランド、フィリピン、ポーランド、ポルトガル、ロシア、シンガポール、スロベニア、スペイン、スウェーデン、スイス、台湾、英国
【原著】
Lancet Oncol. 2017;18 :732-742. [PubMed:28526536]
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