【トリプルネガティブ乳がん:一次治療(PFS)】「キイトルーダ+化学療法」vs「化学療法」

KEYNOTE-355(Lancet)                      

トリプルネガティブ乳がんと診断された女性が初めての治療を考える場合、「化学療法(アブラキサンパクリタキセルゲムシタビンカルボプラチン)」に「キイトルーダ」の上乗せを選択することで無増悪生存期間の延長が期待できる。この効果はPD-L1発現細胞の割合が高い人ほど期待できる。

ただ、PD-L1発現細胞の割合が1%未満の人では、化学療法を受けた人で6.2ヵ月であったのに対し、「キイトルーダ+化学療法」を受けた人でも6.3ヵ月であり、無増悪生存期間の延長は認められなかった(HR 1.08 95%CI 0.77-1.53)。

化学療法を受けた67%の人がグレード3~5の治療関連有害事象を経験し、「キイトルーダ+化学療法」を受けた人では68%が経験した。

【発表】

2020年12月5日

【試験名】

KEYNOTE-355(Phase 3)〔NCT02819518/jRCT2080223367

【原著】

Lancet 2020; 396: 1817–28.  [PubMed: 33278935]

【さらに詳しく】

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【トライアル図鑑】KEYNOTE-355(乳がん)
【試験名】 KEYNOTE-355(Phase 3)〔NCT02819518/jRCT2080223367〕 【試験開始日】 2016年7月1日 【試験終了予定日】 2019年12月1日 【こちらの図鑑も合わせて見る】 ...
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【添付文書における表記】

転移・再発乳癌に対する全身性の前治療歴のない転移・再発又は局所進行性のホルモン受容体陰性かつHER2陰性の乳癌患者847例(日本人87例を含む)を対象に、本剤200mg 3週間間隔投与+化学療法(ゲムシタビン及びカルボプラチン、パクリタキセル又はnab-パクリタキセル)の併用療法の有効性及び安全性が、プラセボ+化学療法(ゲムシタビン及びカルボプラチン、パクリタキセル又はnab-パクリタキセル)の併用療法を対照とした二重盲検試験で検討された。両群とも、ゲムシタビン及びカルボプラチン、パクリタキセル又はnab-パクリタキセルは、担当医師が患者ごとに選択した。なお、画像評価で疾患進行が認められた場合に、疾患進行を示す症状が認められない等の臨床的に安定している患者では、次回以降の画像評価で疾患進行が認められるまで本剤の投与を継続することが可能とされた。主要評価項目は無増悪生存期間(PFS)及び全生存期間(OS)とされ、本剤+化学療法の併用療法はプラセボ+化学療法の併用療法と比較して、PD-L1陽性(CPS注92)≧10)の患者323例(日本人28例を含む)においてPFSを有意に延長した。

PD-L1陽性(CPS≧10)の患者における安全性解析対象例219例中212例(96.8%)(日本人19例中19例を含む)に副作用が認められた。主な副作用(20%以上)は、貧血107例(48.9%)、悪心90例(41.1%)、好中球減少症87例(39.7%)、脱毛症76例(34.7%)、疲労64例(29.2%)、好中球数減少52例(23.7%)、下痢48例(21.9%)、ALT増加47例(21.5%)及び嘔吐44例(20.1%)であった。

92) PD-L1を発現した細胞数(腫瘍細胞、マクロファージ及びリンパ球)を総腫瘍細胞数で除し、100を乗じた値