![34454674食道がん](https://i0.wp.com/gantaisaku.net/wp-content/uploads/2021/08/957e383d5adf1fe4ac30b3f25189e904.png?resize=678%2C381&ssl=1)
KEYNOTE-590(Lancet)
PD-L1陽性(CPS 10以上)の局所進行または転移性食道がんと診断された人が初めての治療を考える場合、「5-FU+シスプラチン」治療に「キイトルーダ」の上乗せを選択することで、生存期間の延長が期待できる。
CPS 10未満の集団では「5-FU+シスプラチン」治療に「キイトルーダ」の上乗せを選択しても、無増悪生存期間(HR 0.80(95%CI 0.64-1.01))、生存期間(HR 0.86(95%CI 0.68-1.10))の延長は期待しにくい。
本試験の結果に基づいて、2020年11月30日、「キイトルーダ」の化学療法(5-FU+シスプラチン)との併用療法が「根治切除不能な進行・再発の食道癌に対する1次治療」を予定効能・効果として承認申請され、2021年11月25日承認された。
「キイトルーダ+5-FU+シスプラチン」治療中止後に43.5%の人がさらなる治療を実施した。さらなる治療として、53%がパクリタキセル、26%が5-FU、22%がドセタキセル、20%がシスプラチン、14%がオキサリプラチン、12%がイリノテカン、10%がサイラムザを含む治療を選択していた。また、がん免疫療法としては7%がオプジーボ、2%がキイトルーダを含む治療を選択していた。
【発表】
2021年8月28日
【試験】
KEYNOTE-590(Phase 3)〔NCT03189719/jRCT2080223683〕
【試験参加国】
日本(愛知県がんセンター病院、国立がん研究センター東病院、四国がんセンター、北海道大学病院、兵庫県がんセンター、神戸市立医療センター中央市民病院、茨城県立中央病院、筑波大学附属病院、香川大学医学部附属病院、聖マリアンナ医科大学病院、神奈川県立がんセンター、大分大学医学部附属病院、関西医科大学附属病院、近畿大学病院、大阪大学医学部附属病院、大阪医科薬科大学病院、埼玉県立がんセンター、静岡県立がんセンター、杏林大学医学部付属病院、千葉大学医学部附属病院、千葉県がんセンター、九州がんセンター、九州大学病院、岐阜大学医学部附属病院、熊本大学病院、新潟県立がんセンター新潟病院、大阪国際がんセンター、大阪市立総合医療センター、国立がん研究センター中央病院、がん研有明病院、慶應義塾大学病院)、米国、アルゼンチン、オーストラリア、ブラジル、カナダ、チリ、中国、コロンビア、コスタリカ、デンマーク、フランス、ドイツ、グアテマラ、香港、韓国、マレーシア、ペルー、ルーマニア、ロシア、南アフリカ、スペイン、台湾、タイ、トルコ、英国
【原著】
Lancet 2021; 398: 759-71. [PubMed: 34454674]
【さらに詳しく】
- 進行食道がん1次治療、化療にペムブロリズマブ併用でOS延長/Lancet〔ケアネット〕
- 進行食道がん1次治療に免疫チェックポイント阻害薬の併用療法が参入(解説:上村 直実 氏)〔ケアネット〕
- 進行食道がんの早期治療に免疫チェックポイント阻害薬が有望〔海外がん医療情報リファレンス〕
- ペムブロリズマブと化学療法の併用が食道癌1次治療のスタンダードに〔日経メディカル〕
- 進行食道癌の1次治療でペムブロリズマブと化学療法の併用が化学療法のみよりOSとPFSを有意に延長【ESMO2020】〔日経メディカル〕
- 未治療食道がんでペムブロリズマブが奏効〔Medical Tribune〕
- 進行食道癌の1次治療でペムブロリズマブと化学療法の併用がOSとPFSを有意に延長〔日経メディカル〕
- キイトルーダ・化学療法併用、食道がん1次治療で好結果 世界各国で申請準備へ 〔日刊薬業〕
【こちらの図鑑も合わせて見る】
【添付文書における表記】
化学療法歴のない根治切除不能な進行・再発の食道扁平上皮癌及び食道腺癌並びに食道胃接合部(Siewert分類typeⅠ)の腺癌患者749例(日本人141例を含む)を対象に、本剤200mg 3週間間隔投与、5-FU及びシスプラチン併用療法の有効性及び安全性が、プラセボ、5-FU及びシスプラチン併用療法を対照として二重盲検試験で検討された。シスプラチンの投与は最大6コースまでとした。なお、画像評価で疾患進行が認められた場合に、疾患進行を示す症状が認められない等の臨床的に安定している患者では、次回以降の画像評価で疾患進行が認められるまで本剤と5-FU及びシスプラチンの併用投与又は本剤の単独投与を継続することが可能とされた。主要評価項目は全生存期間(OS)及び無増悪生存期間(PFS)とされ、本剤、5-FU及びシスプラチン併用療法はプラセボ、5-FU及びシスプラチン併用療法と比較して、OS及びPFSを有意に延長した。
安全性解析対象例370例中364例(98.4%)(日本人74例中73例を含む)に副作用が認められた。主な副作用(20%以上)は、悪心233例(63.0%)、食欲減退145例(39.2%)、貧血143例(38.6%)、疲労135例(36.5%)、好中球数減少135例(36.5%)、嘔吐110例(29.7%)、下痢97例(26.2%)、好中球減少症96例(25.9%)、口内炎96例(25.9%)及び白血球数減少89例(24.1%)であった。