NO16967(Ann Oncol)
遠隔転移を有する大腸がんと診断され、一次治療においてイリノテカンを含む化学療法を受けたことがある人が二次治療を考える場合、「CAPOX(カペシタビン+オキサリプラチン)」治療を選択しても「FOLFOX」治療を選択した場合にに劣らない無増悪生存期間が期待できる。
グレード3または4の有害事象は、「CAPOX」レジメンによる治療を受けた人の50%に、「FOLFOX」レジメンによる治療を受けた人の65%に発現。「CAPOX」レジメンによる治療を選択することで、グレード3または4の好中球減少症(35%→5%)、発熱性好中球減少症(4%→1%未満)が発現する可能性が低くなる。逆に「CAPOX」レジメンによる治療を選択することで、下痢(5%→19%)、手足症候群(1%未満→1%未満)が発生する可能性が高くなる。
本試験の結果などに基づいて、2009年9月18日、「CAPOX」治療が「治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸癌」に対する適応拡大が承認された。
【発表】
2008年6月10日
【試験】
NO16967(Phase 3)
【試験参加国】
米国
【原著】
Ann Oncol. 2008;19:1720-6. [PubMed: 18550577]
【添付文書における表記】
海外第Ⅲ相臨床試験
イリノテカン・フルオロウラシル・ホリナート療法の治療歴がある転移性結腸・直腸癌患者627例を対象に、オキサリプラチン・フルオロウラシル・ホリナート療法(FOLFOX4療法)とXELOX療法を比較する試験を実施した(本剤:1,000mg/m2 1日2回、14日間投与・7日間休薬)。無増悪生存期間(PFS)を主要評価項目、全生存期間(OS)を副次的評価項目とした。その結果、FOLFOX4療法に対するXELOX療法の非劣性が認められた 。
FOLFOX4療法に対するXELOX療法の非劣性解析結果 評価注5)
項目FOLFOX4
(N=252)XELOX
(N=251)ハザード比
(95%CI)中央値(日)
中央値(日)
PFS
168.0
154.0
1.03(0.87;1.24)
OS
402.0
393.0注6)
1.05(0.88;1.27)
注5)PFSカットオフ日:2006年8月31日、OSカットオフ日:2007年2月28日
注6)解析対象集団の例数は252例副作用はXELOX療法では302/311例(97.1%)に発現した。主な副作用は、悪心181例(58.2%)、下痢169例(54.3%)、嘔吐131例(42.1%)、疲労113例(36.3%)、錯感覚103例(33.1%)等であった(カットオフ日:2006年8月31日)。