
PROFILE 1014(NEJM)
ALK融合遺伝子陽性非小細胞肺がんと診断された人が初めての治療を考える場合、「ザーコリ」治療を選択することで「ペメトレキセド+プラチナ製剤」治療を選択した場合を上回る無増悪生存期間が期待できる。
「ザーコリ」治療を選んだ場合、視覚障害、下痢、悪心、浮腫が多く現れるかもしれない。一方、標準的な化学療法を選んだ場合、悪心、疲労、嘔吐、食欲不振が多く現れるかもしれない。
【発表】
2014年12月4日
【試験名】
PROFILE 1014(Phase 3)〔NCT01154140/jRCT2080221424〕
【試験参加国】
日本(愛知県がんセンター、国立がん研究センター東病院、四国がんセンター、北海道がんセンター、兵庫県立がんセンター、神奈川県立循環器呼吸器病センター、東北大学病院、岡山大学病院、静岡県立静岡がんセンター、国立がん研究センター中央病院、がん研有明病院、山口宇部医療センター、九州がんセンター、九州大学病院)、米国、オーストラリア、オーストリア、ベルギー、ブラジル、カナダ、チリ、中国、フィンランド、フランス、ドイツ、香港、インド、アイルランド、イタリア、韓国、ルクセンブルク、メキシコ、オランダ、ノルウェー、ペルー、ポルトガル、ロシア、シンガポール、南アフリカ、スペイン、スイス、台湾、ウクライナ、英国
【原著】
N Engl J Med. 2014;371:2167-77. [PubMed: 25470694]
【こちらの図鑑も合わせて見る】
【さらに詳しく】
- ALK 陽性肺癌に対する第一選択としてのクリゾチニブと化学療法との比較〔NEJM日本語アブストラクト〕
- ALK陽性肺がんに対する標準治療を確立した重要な試験〔ケアネット〕
- クリゾチニブ、ALK陽性NSCLCの1次治療薬へ/NEJM〔ケアネット〕
- ALK陽性非扁平上皮NSCLCの1次治療としてクリゾチニブは化学療法よりも無増悪生存期間を有意に延長【ASCO2014】〔日経メディカル〕
- クリゾチニブは治療歴の無いALK陽性の進行NSCLC患者にも有効〔日経メディカル〕
【添付文書における表記】
前治療歴のないALK融合遺伝子陽性注)の非扁平非小細胞肺癌患者343例(うち日本人患者32例)に、本剤又は化学療法剤(シスプラチン、ペメトレキセド併用又はカルボプラチン、ペメトレキセド併用)を投与した結果を下表及び下図に示す。本剤は主要評価項目である無増悪生存期間において、化学療法剤に対して優越性を示した(独立判定委員会による評価)。
注:ALK融合遺伝子は、ALK Break apart FISH法を用いて検査された。
評価項目
クリゾチニブ群
(n=172)化学療法群
(n=171)ハザード比
p値
無増悪生存期間の中央値(月)(95%信頼区間)
10.9
(8.3-13.9)7.0
(6.8-8.2)0.454
(0.346-0.596)<0.0001注)
注:層別ログランク検定
本剤が投与された171例に認められた主な有害事象は、視覚障害122例(71%)、下痢105例(61%)、浮腫83例(49%)、嘔吐78例(46%)、便秘74例(43%)等であった。