【マントル細胞リンパ腫:一次治療(PFS)】「イムブルビカ+トレアキシン+リツキサン」vs「トレアキシン+リツキサン」

SHINE(NEJM)                          

65歳以上でマントルリンパ腫と診断された人が初めての治療を考える場合、「トレアキシンリツキサン」治療に「イムブルビカ」の上乗せを選択することで無増悪生存期間の延長が期待できる。

イムブルビカトレアキシンリツキサン」治療を受けた人の65.5%が完全奏効を得た(vs 57.6%, p=0.06)。「イムブルビカトレアキシンリツキサン」治療を受けた人の81.5%グレード3または4の有害事象を経験した(vs 77.3%)。

本試験の結果に基づいて、2023年2月24日、「未治療のマントル細胞リンパ腫」への適応拡大が承認された。

【発表】

2022年6月3日

【試験名】

SHINE(Phase 3)〔NCT01776840/jRCT2051230017

【試験参加国】

日本(北海道大学病院、東北大学病院、国立がん研究センター中央病院、がん研有明病院、日本赤十字社愛知医療センター名古屋第二病院、京都府立医科大学附属病院、大阪大学医学部附属病院、広島大学病院、大阪公立大学医学部附属病院、九州大学病院)、米国、アルゼンチン、ベルギー、ブラジル、カナダ、中国、チェコ、フランス、ドイツ、ギリシャ、ハンガリー、アイルランド、イスラエル、韓国、メキシコ、オランダ、ポーランド、プエルトリコ、ロシア、スロバキア、スペイン、スウェーデン、台湾、トルコ、ウクライナ、英国

【原著】

N Engl J Med 2022; 386 : 2482-94. [PubMed: 35657079]

【さらに詳しく】

【添付文書における表記】

Ann Arbor分類Ⅱ、Ⅲ又はⅣ期で、65歳以上の未治療のマントル細胞リンパ腫患者523例(日本人11例を含む)を対象とし、ベンダムスチン塩酸塩リツキシマブ(遺伝子組換え)の併用療法(BR注))で、本剤560mg(Ibr+BR群)又はプラセボ(Pbo+BR群)を1日1回で経口投与した。主要評価項目であるRevised Response Criteria for Malignant Lymphoma(Revised RC)に基づく治験担当医師判定による最終解析時点の無増悪生存期間の中央値は、Ibr+BR群で80.6ヵ月(95%CI:61.9~NE)、Pbo+BR群で52.9ヵ月(95%CI:43.7~71.0)であり、Ibr+BR群で統計学的に有意な延長が認められた[ハザード比0.75(95%CI:0.59~0.96)、p=0.011(層別log-rank検定)]。

注)ベンダムスチン塩酸塩90mg/m2を第1~6サイクルの第1及び2日目、リツキシマブ(遺伝子組換え)375mg/m2を第1~6サイクルの第1日目にそれぞれ静脈内投与することとされた。また、第6サイクル終了後に完全奏効(CR)又は部分奏効(PR)を達成した被験者には、維持療法としてリツキシマブ(遺伝子組換え)375mg/m2を第8~30サイクルの第1日目(2サイクルごと)に最大12回静脈内投与することとされた。

本剤が投与された259例(日本人6例を含む)中237例(91.5%)に副作用が認められた。主な副作用は、発疹96例(37.1%)、下痢74例(28.6%)、肺炎66例(25.5%)、血小板減少症64例(24.7%)、悪心58例(22.4%)等であった。