VELOUR(JCO)
遠隔転移を有する大腸がんと診断され、オキサリプラチンを含む化学療法中に病勢が進行した人が次の治療を考える場合、「FOLFIRI」治療に「ザルトラップ」の上乗せを選択することで無増悪生存期間の延長が期待できる。
「FOLFIRI」治療に「ザルトラップ」を上乗せすることで、奏効率も11.1%から19.8%に向上(p=0.0001)。
【発表】
2012年9月4日
【試験名】
VELOUR(Phase 3)〔NCT00561470〕
【試験参加国】
米国、アルゼンチン、オーストラリア、オーストリア、ベルギー、ブラジル、チリ、チェコ、デンマーク、エストニア、フランス、ドイツ、ギリシャ、イタリア、韓国、オランダ、ニュージーランド、ノルウェー、ポーランド、プエルトリコ、ルーマニア、ロシア、南アフリカ、スペイン、スウェーデン、トルコ、ウクライナ、英国
【原著】
J Clin Oncol. 2012;30:3499-506. [PubMed:22949147]
【さらに詳しく】
- 転移を有する大腸癌の2次治療でVEGF Trapが全生存期間を改善、フェーズ3試験の結果〔日経メディカル〕
- 転移有する大腸癌の2次治療としてafliberceptがOSを有意に延長【WCGC2011】〔日経メディカル〕
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【添付文書における表記】
オキサリプラチンを含む化学療法歴を有する治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸癌患者1,226例を対象に二重盲検比較試験を実施し、FOLFIRI注)と本剤4mg/kg又はプラセボを併用投与した。その結果、主要評価項目である全生存期間の中央値は本剤/FOLFIRI群で13.5ヵ月[95%信頼区間:12.5-14.9]、プラセボ/FOLFIRI群で12.1ヵ月[95%信頼区間:11.1-13.1]であり、本剤/FOLFIRI群で全生存期間の有意な延長が認められた(ハザード比0.817、95.34%信頼区間:0.713-0.937、p値=0.0032、層別ログランク検定)。
安全性評価対象例611例中584例(95.6%)に副作用が認められた。主な副作用は下痢383例(62.7%)、悪心295例(48.3%)、口内炎286例(46.8%)、疲労254例(41.6%)、好中球減少症239例(39.1%)等であった。
注) 国内第2相臨床試験及び海外第3相臨床試験におけるFOLFIRIの投与方法
イリノテカン塩酸塩水和物を180mg/m2、フルオロウラシルを400mg/m2(ボーラス投与)、2400mg/m2(46時間持続静脈内投与)及びレボホリナートカルシウム200mg/m2又はホリナートカルシウム400mg/m2を2週間間隔で投与した。
なお、イリノテカン塩酸塩水和物の結腸・直腸癌(手術不能又は再発)における国内承認用法・用量は以下のとおり。
B法:イリノテカン塩酸塩水和物として、通常、成人に1日1回、150mg/m2を2週間間隔で2~3回点滴静注し、少なくとも3週間休薬する。これを1クールとして、投与を繰り返す。なお、年齢、症状により適宜増減する。