
ARCHER 1050(Lancet Oncol)
EGFR遺伝子変異陽性の切除不能な進行・再発非小細胞肺がんと診断された人が初めての治療を考える場合、「ビジンプロ」治療を選択することで、「イレッサ」治療を選択した場合を上回る生存期間が期待できる。
「ビジンプロ」単独治療の主な有害事象は、ざ瘡様皮疹、下痢。「イレッサ」単独治療のの主な有害事象は、ALT上昇。
【発表】
2017年9月25日
【試験名】
ARCHER 1050(Phase 3)〔NCT01774721〕
【試験参加国】
日本、中国、香港、イタリア、韓国、ポーランド、スペイン
【原著】
Lancet Oncol. 2017; 18:1454–1466. [PubMed: 28958502]
【こちらの図鑑も合わせて見る】
【さらに詳しく】
- EGFR変異陽性NSCLCの1次治療としてdacomitinibはゲフィチニブよりも無増悪生存期間を有意に延長【ASCO2017】〔日経メディカル〕
- dacomitinib、EGFR変異陽性肺がん1次治療の成績発表:ARCHER1050試験/ASCO2017〔ケアネット〕
- ダコミチニブがEGFR陽性肺がんに有効な可能性〔海外がん医療情報リファレンス〕
- ダコミチニブP3試験、PFS5.5カ月延長 イレッサと比較 「肺がんの1次治療で」〔日刊薬業〕
【添付文書における表記】
化学療法歴のないEGFR遺伝子の活性型変異注1)陽性注2)の切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌注3)患者を対象に、本剤の有効性及び安全性をゲフィチニブと比較することを目的とした非盲検無作為化国際共同第Ⅲ相試験が実施された。452例(日本人81例)を本剤群227例(日本人40例)及びゲフィチニブ群225例(日本人41例)に無作為に割り付け、本剤45mg又はゲフィチニブ250mgを1日1回経口投与した。
主要評価項目である独立画像中央判定委員会評価による無増悪生存期間の中央値は、本剤群で14.7ヵ月(95%信頼区間:11.1, 16.6)、ゲフィチニブ群で9.2ヵ月(95%信頼区間:9.1, 11.0)であり、ゲフィチニブ群に比べて本剤群で統計的に有意な無増悪生存期間の延長が認められた(ハザード比[95%信頼区間]:0.589[0.469, 0.739]、p値<0.0001:層別ログランク検定)(2016年7月29日データカットオフ)。
注1)EGFR遺伝子の活性型変異であるエクソン19の欠失(Ex19del)又はエクソン21の変異(L858R)が腫瘍組織検体で確認された患者が組み入れられた。
注2)therascreen EGFR変異検出キットRGQ「キアゲン」等が使用された。
注3)非小細胞肺癌のうち、腺癌又は腺癌の特殊型の組織型の癌が確認された患者が組み入れられた。また、脳転移のある患者は除外された。
本剤が投与された227例(日本人患者40例を含む)中220例(96.9%)に副作用が認められた。主な副作用は、下痢193例(85.0%)、爪囲炎140例(61.7%)、口内炎(口腔内潰瘍形成、アフタ性潰瘍等)135例(59.5%)、ざ瘡様皮膚炎111例(48.9%)、発疹・斑状丘疹状皮疹・紅斑性皮疹等82例(36.1%)等であった。