【肺がん:術前治療(EFS、pCR)】「オプジーボ+化学療法」vs「化学療法」

CheckMate 816(NEJM)                      

切除可能なIB-ⅢA期の非小細胞肺がんと診断された人が手術の前の治療を考える場合、「化学療法」に「オプジーボ」の上乗せを選択することで無イベント生存期間の延長が期待できる。

「化学療法」に「オプジーボ」の上乗せすることで病理学的完全奏効率が2.2%から24.0%に向上する。

オプジーボ+化学療法」を受けた人の33.5%がグレード3または4の治療関連有害事象を経験した(vs 36.9%)。

本試験の結果に基づいて、2022年4月25日、「オプジーボ」が化学療法との併用療法による「切除可能な非小細胞肺がんの術前補助療法」に対して承認申請され、2023年3月27日、承認された。

【発表】

2022年4月11日

【試験名】

CheckMate 816(Phase 3) 〔NCT02998528/jRCT2080223597

【試験参加国】

日本(日本医科大学付属病院、愛知県がんセンター、国立がん研究センター東病院、産業医科大学病院、福島県立医科大学附属病院、広島大学病院、北海道がんセンター、神戸市立医療センター中央市民病院、神奈川県立がんセンター、仙台厚生病院、近畿大学病院、大阪国際がんセンター、近畿中央呼吸器センター、静岡がんセンター、順天堂大学医学部附属順天堂医院、東京医科大学病院)、米国、アルゼンチン、ブラジル、カナダ、中国、フランス、ギリシャ、ハンガリー、イタリア、韓国、ルーマニア、スペイン、台湾、トルコ

【原著】

N Engl J Med. 2022 ;386:1973-1985. [PubMed: 35403841]

【さらに詳しく】

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【添付文書における表記】

臨床病期ⅠB(腫瘍径が4cm以上)、Ⅱ又はⅢAの非小細胞肺癌の術前患者*12358例(日本人患者68例を含む。プラチナ製剤を含む化学療法併用(N+C併用)*13群179例、プラチナ製剤を含む化学療法群179例)を対象に、化学療法を対照として、N+C併用の有効性及び安全性を検討した。主要評価項目の一つである無イベント生存期間(中央値[95%信頼区間])は、N+C併用群で31.57[30.16~推定不能]ヵ月、化学療法群で20.80[14.03~26.71]ヵ月であり、N+C併用投与は化学療法に対し統計学的に有意な延長を示した(ハザード比0.63[97.38%信頼区間:0.43~0.91]、p=0.0052[層別log-rank検定]、2021年9月8日データカットオフ)。また、安全性評価対象176例中147例(83.5%)に副作用(臨床検査値異常を含む)が認められた。主な副作用は、悪心58例(33.0%)、貧血41例(23.3%)、便秘37例(21.0%)、食欲減退30例(17.0%)、好中球減少症30例(17.0%)、好中球数減少26例(14.8%)、倦怠感25例(14.2%)、発疹23例(13.1%)、疲労22例(12.5%)であった(2022年9月6日データカットオフ)。

*12:臨床病期はAmerican Joint Committee on Cancer(AJCC)/Union for International Cancer Control(UICC)病期分類(第7版)に基づく。
EGFR遺伝子変異陽性又はALK融合遺伝子陽性であることが確認されている患者は対象外とされた。

*13:扁平上皮癌に対しては、本剤1回360mg、ゲムシタビン1回1,000若しくは1,250mg/m2、シスプラチン1回75mg/m2を3週間間隔で最大3サイクル点滴静注、又は本剤1回360mg、パクリタキセル1回175若しくは200mg/m2、カルボプラチン1回AUC5若しくは6(mg/mL・min)を3週間間隔で最大3サイクル点滴静注した。ゲムシタビンは各サイクル1日目及び8日目に点滴静注した。
非扁平上皮癌に対しては、本剤1回360mg、ペメトレキセド1回500mg/m2、シスプラチン1回75mg/m2を3週間間隔で最大3サイクル点滴静注、又は本剤1回360mg、パクリタキセル1回175若しくは200mg/m2、カルボプラチン1回AUC5若しくは6(mg/mL・min)を3週間間隔で最大3サイクル点滴静注した。
なお、シスプラチンに対する忍容性がないと判断された場合には、シスプラチンをカルボプラチン1回AUC5若しくは6(mg/mL・min)に変更可能とされた。
併用投与時においては、本剤を最初に投与し、化学療法は本剤の投与終了から約30分の間隔をおいて投与を開始した。