【急性骨髄性白血病:一次治療】ビギセオス

60~75歳の未治療の高リスク急性骨髄性白血病と診断された35名が「ビキセオス」治療を受けた結果、60.0%の人が寛解で得られた。

ビキセオス」は、ダウノルビシン塩酸塩とシタラビンを5:1のモル比で配合したリポソーム製剤で、本試験などの結果を受け、2024年3月26日、「高リスク急性骨髄性白血病」を効能・効果とし、承認された。

【発表】

2024年3月26日

【試験名】

Phase 1/2〔jRCT2080224810

【試験参加国】

日本

【原著】

Int J Hematol. 2024 Mar 26.  [PubMed: 38532078]

 

このトライアルが科学的根拠となっているレジメンを見る

【レジメン図鑑】ビキセオス(急性骨髄性白血病)
「ビキセオス(開発コード:CPX-351、NS-87)」は、シタラビンとダウノルビシンを5:1のモル比で導入したリポソーム化製剤剤で、2024年3月26日に「高リスクの急性骨髄性白血病」を対象に承認された。本承認は国内Phase 1/2試験『NS87-P1-2』、 海外Phase ...

 

【添付文書における表記】

60~75歳の未治療の高リスクAML患者1)47例(第Ⅰ相パート6例、第Ⅱ相パート41例)を対象に非盲検非対照試験を実施した。寛解導入療法の1サイクル目として、1、3、5日目に本剤100ユニット/m2を90分かけて点滴静注し、1サイクル目に寛解に到達しなかった患者で、本剤への忍容性が良好な場合には、寛解導入療法の2サイクル目として1、3日目に本剤100ユニット/m2を90分かけて点滴静注することを可能とした。寛解導入療法により寛解2)(完全寛解[CR]又は血球数の回復が不完全な完全寛解[CRi])に到達した患者には、地固め療法として、1、3日目に本剤65ユニット/m2を90分かけて点滴静注した(最大2サイクル)。

第Ⅱ相パート(有効性解析対象35例)における主要評価項目である治験担当医師判定による寛解導入療法中の寛解(CR+CRi)率(90%信頼区間)は、60.0%(44.7, 74.0)(21/35例)であった。

1) 高リスクAML患者の定義は、WHO分類(2008年版又は2017年版)におけるAMLのうち以下のいずれかに該当する患者とする。
・治療関連AML
・骨髄異形成症候群(MDS)の既往があるAML(以下の①~③のいずれかに該当する患者)
①過去にMDSと診断されたことがある患者
②1系統以上に10%以上の異形成、又は10%以上の巨核球系異形成がある患者
③いずれの系統でも異形成が10%未満であるが、MDSに特徴的なクローナルな細胞遺伝学的異常を有する患者
・骨髄異形成関連変化を伴うAML(AML-MRC)と診断できる細胞遺伝学的異常を有するAML
・慢性骨髄単球性白血病(CMML)の既往があるAML

2) CR:骨髄芽球<5%、アウエル(Auer)小体陽性芽球なし、髄外白血病なし、好中球数≧1000/μL、血小板数≧10×104/μL、赤血球輸血非依存
CRi:骨髄芽球<5%、Auer小体陽性芽球なし、髄外白血病なし、好中球数<1000/μL又は血小板数<10×104/μL、赤血球輸血非依存

副作用発現頻度は100%(47/47例)であった。主な副作用は、発熱性好中球減少症78.7%(37/47例)、血小板減少症59.6%(28/47例)、貧血53.2%(25/47例)、白血球減少症、好中球減少症、発熱、口内炎が各31.9%(15/47例)であった。