
CROWN(NEJM)
ALK融合遺伝子陽性の非小細胞肺がんと診断された人が初めての治療を考える場合、「ローブレナ」治療を選択することで、「ザーコリ」治療を選択した場合を上回る1年無増悪生存率が期待できる。
「ザーコリ」治療を受けた人の58%が治療に奏効し、「ローブレナ」治療を受けた人の76%が治療に奏効した。
「ローブレナ」治療を選択することで、「ザーコリ」治療を選択した場合よりグレード3または4の有害事象を経験するリスクが高まる(72% vs 56%)。「ローブレナ」治療の主な有害事象は,高脂血症、浮腫、体重増加、末梢神経障害、認知障害であった。
本試験の結果に基づいて、2020年12月15日、「ローブレナ」の「未治療のALK融合遺伝子陽性非小細胞肺がん」に対する承認申請が行われ、2021年11月25日に承認された。
【発表】
2020年11月19日
【試験名】
CROWN(Phase 3)〔NCT03052608/jRCT2080223463〕
【試験参加国】
日本(愛知県がんセンター、名古屋大学医学部附属病院、四国がんセンター、久留米大学病院、北海道がんセンター、金沢大学医学部附属病院、神奈川県立がんセンター、仙台厚生病院、大阪国際がんセンター、近畿大学病院、静岡がんセンター、国立がん研究センター中央病院、山口宇部医療センター、がん研究会有明病院、新潟県立がんセンター、岡山大学病院、大阪市立総合医療センター、徳島大学病院、和歌山県立医科大学附属病院)、米国、アルゼンチン、オーストラリア、ベルギー、カナダ、中国、チェコ、フランス、ドイツ、香港、インド、イタリア、韓国、メキシコ、オランダ、ポーランド、ロシア、シンガポール、スペイン、台湾、トルコ、英国
【原著】
N Engl J Med. 2020;383:2018-2029. [PubMed: 33207094]
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【さらに詳しく】
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