【HER2陽性肺がん:二次治療(ORR)】「エンハーツ 5.4mg/kg」vs「エンハーツ 6.4mg/kg」

DESTINY-Lung02(JCO)                     

遠隔転移が認められたHER2遺伝子変異陽性の非小細胞肺がんと診断された人が「エンハーツ」治療を考える場合、「5.4mg/kg」を選択しても「6.4kg/mg」を選択しても臨床的に意義のある奏効率が期待できる。安全性の観点から「5.4mg/kg」が望ましい。

本試験の結果に基づき、2022年12月13日、「エンハーツ」は「がん化学療法後に増悪したHER2(ERBB2)遺伝子変異陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌」に対する適応拡大承認を申請し、2023年8月23日、承認された。

【発表】

2023年9月11日

【試験名】

DESTINY-Lung02(Phase 2)〔NCT01515787/jRCT2061200038

【試験参加国】

日本(愛知県がんセンター、国立がん研究センター中央病院、九州がんセンター、国立がん研究センター東病院、岡山大学病院、近畿大学病院)、米国、オーストラリア、カナダ、フランス、イタリア、韓国、オランダ、スペイン、台湾

【原著】

J Clin Oncol. 2023 ;41:4852-4863.  [PubMed: 37694347]

【さらに詳しく】

【添付文書における表記】

白金系抗悪性腫瘍剤を含む化学療法歴のあるHER2ERBB2)遺伝子変異陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌患者を対象として、無作為化試験を実施した。被験者151例(日本人52例を含む)に、本剤5.4mg/kg又は6.4mg/kg7)を3週間間隔で点滴静注した。中間解析の結果、本剤5.4mg/kgが投与された52例(日本人23例を含む)8)において、主要評価項目である盲検下独立効果判定機関での評価に基づく奏効率[95%信頼区間]は53.8[39.5~67.8]%であった。
本剤5.4mg/kgが投与された101例(日本人37例を含む)において、副作用が93例(92.1%)に認められた。主な副作用は、悪心60例(59.4%)、好中球数減少34例(33.7%)、貧血29例(28.7%)、食欲減退29例(28.7%)、疲労26例(25.7%)、便秘25例(24.8%)、白血球数減少24例(23.8%)、嘔吐23例(22.8%)等であった。また、本剤5.4mg/kgが投与された日本人集団において、間質性肺疾患は37例中1例(2.7%)に認められた。

7) がん化学療法後に増悪したHER2ERBB2)遺伝子変異陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌において承認された用法及び用量は5.4mg/kg(体重)を3週間間隔投与である。

8) 本剤5.4mg/kg群に無作為に割り付けられた患者のうち、データカットオフ日時点で割付から4.5ヵ月以上経過した患者。