
NALA(JCO)
遠隔転移を有するHER2陽性乳がんと診断され、2レジメン以上の抗HER2療法を受けた女性が「ネラチニブ+カペシタビン」治療を選択することで「タイケルブ+カペシタビン」治療を上回る無増悪生存期間が期待できる。
「タイケルブ+カペシタビン」治療を受けた26.7%の人が治療に奏効し、5.6ヵ月奏効が持続した。一方、「ネラチニブ+カペシタビン」治療を受けた人の32.8%が治療に奏効し、8.5ヵ月奏効が持続した。
「ネラチニブ+カペシタビン」治療を受けた83%(vs 66%)がグレード1以上の下痢、53%(vs 42%)がグレード1以上の悪心を経験した。
本試験の結果に基づいて、米国で2020年2月25日、「ネラチニブ」が、「2ライン以上の抗HER2薬投与歴のあるHER2陽性進行乳癌」に対して「カペシタビンとの併用」において承認された。
【発表】
2020年7月17日
【試験名】
NALA(Phase 3)〔NCT01808573〕
【試験参加国】
日本(千葉大学医学部附属病院、神戸市立医療センター中央市民病院、筑波大学附属病院、岩手医科大学附属病院、東海大学医学部付属病院、熊本大学病院、埼玉県立がんセンター、JCHO久留米総合病院、群馬大学医学部附属病院、広島市立広島市民病院、北海道がんセンター、相良病院、大阪国際がんセンター、虎の門病院、大阪医療センター)、米国、アルゼンチン、オーストラリア、オーストリア、ベルギー、ブラジル、カナダ、チェコ、デンマーク、フィンランド、フランス、ドイツ、香港、アイルランド、イスラエル、イタリア、韓国、オランダ、ポルトガル、ロシア、シンガポール、スペイン、スウェーデン、スイス、台湾、トルコ、英国
【原著】
J Clin Oncol. 2020 ;38:3138-3149. [PubMed: 32678716]
【さらに詳しく】
- 治療歴のあるHER2陽性転移性乳癌にneratinib+カペシタビンはラパチニブ+カペシタビンに比べPFSを延長【ASCO2019】〔日経メディカル〕
- HER2陽性乳がん、三次治療からどうする?〔Medical Tribune〕
- HER2陽性進行乳癌の3次治療でneratinib併用療法がラパチニブ併用療法よりもPFSを有意に改善〔日経メディカル〕
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