
PACIFIC(NEJM)
「イミフィンジによる維持療法」を選択することで、手術ができない「非小細胞肺がん」と診断され、根治的化学放射線療法後に疾患進行が認められなかった人は、無増悪生存期間の延長が期待できる。
試験では、化学放射線療法後の維持療法として「イミフィンジ」の無増悪生存期間および生存期間を「プラセボ」と比較。「イミフィンジ」による維持療法を受けることで、無増悪生存期間が5.6ヵ月から16.8ヵ月に延長(p<0.001)。
グレード3または4の有害事象は、「イミフィンジ」治療を受けた人の29.9%で発現(vs 26.1%)。主な有害事象は、肺炎(4.4%)。「イミフィンジ」治療を受けた人の15.4%が有害事象のため治療を継続できなかった(vs 9.8%)。
【発表】
2017年9月8日
【試験名】
PACIFIC(Phase 3)〔NCT02125461/jRCT2080222682〕
【試験参加国】
日本(順天堂大学医学部附属順天堂医院、日本医科大学付属病院、国立がん研究センター中央病院、九州大学病院、大阪はびきの医療センター、埼玉医科大学国際医療センター、関西医科大学附属病院、広島市立広島市民病院、金沢大学附属病院、国立がん研究センター東病院、埼玉県立がんセンター、久留米大学病院、四国がんセンター、名古屋医療センター、宮城県立がんセンター、岡山大学病院、大阪国際がんセンター、近畿大学病院、群馬県立がんセンター、北里大学病院、近畿中央呼吸器センター、北里大学病院、仙台厚生病院、国立国際医療研究センター、静岡がんセンター、大阪医科薬科大学病院、山口宇部医療センター、神奈川県立循環器呼吸器病センター、神奈川県立がんセンター)、米国、オーストラリア、ベルギー、カナダ、チリ、フランス、ドイツ、ギリシャ、ハンガリー、イスラエル、イタリア、韓国、メキシコ、オランダ、ペルー、ポーランド、シンガポール、スロバキア、南アフリカ、スペイン、台湾、タイ、トルコ、ベトナム、英国
【原著】
N Engl J Med 2017; 377:1919-29. [PubMed: 28885881]
【さらに詳しく】
- III 期非小細胞肺癌に対する化学放射線療法後のデュルバルマブ〔NEJM 日本語アブストラクト〕
- 化学療法と放射線治療後の抗PD-L1抗体durvalumab投与が局所進行切除不能のNSCLCのPFSを有意に延長【ESMO2017】〔日経メディカル〕
- ステージ3切除不能肺がん、durvalumab維持療法が良好な結果:PACIFIC試験〔ケアネット〕
- デュルバルマブが局所進行切除不能肺がんの無増悪生存期間を改善〔海外がん医療情報リファレンス〕
- durvalumab維持療法、Stage III肺がんのPFSを有意に改善(PACIFIC)/ESMO2017〔ケアネット〕
- 抗PD-L1抗体durvalumabが局所進行切除不能NSCLCのPFSを有意に延長〔日経メディカル〕
- 抗PD-L1抗体が肺がん維持療法でも予後改善〔Medical Tribune〕
【こちらの図鑑も合わせて見る】
【添付文書における表記】
少なくとも2サイクルの白金系抗悪性腫瘍剤を用いた根治的化学放射線療法後に疾患進行が認められなかった切除不能な局所進行の非小細胞肺癌患者(WHO Performance Status 0又は1)713例(本剤群476例、プラセボ群237例)(日本人112例[本剤群72例、プラセボ群40例]を含む)を対象に、化学放射線療法終了後42日以内に本剤10mg/kgまたはプラセボの投与注1)を開始し、2週間間隔で点滴静注したときの有効性及び安全性を検討した。
二つの主要評価項目の一つである全生存期間(中央値[95%信頼区間])(299件のイベント)の結果は、本剤群でNE[34.7~NE]カ月、プラセボ群で28.7[22.9~NE]カ月であり、本剤はプラセボに対し統計学的に有意な延長を示した(ハザード比[95%信頼区間]:0.68[0.53~0.87]、p=0.00251[層別log-rank検定、有意水準(両側)0.00274]、2018年3月22日データカットオフ)。
注1) 切除不能な局所進行の非小細胞肺癌における根治的化学放射線療法後の維持療法における本剤の承認された用法及び用量は、「通常、成人にはデュルバルマブ(遺伝子組換え)として、1回1,500mgを4週間間隔で60分間以上かけて点滴静注する。投与期間は12カ月間までとする。ただし、体重30kg以下の場合の1回投与量は20mg/kg(体重)とする。」である。
また、もう一つの主要評価項目である中央判定による無増悪生存期間(中央値[95%信頼区間])(371件のイベント)の結果は、本剤群で16.8[13.0~18.1]カ月、プラセボ群で5.6[4.6~7.8]カ月であり、本剤はプラセボに対し統計学的に有意な延長を示した(ハザード比[95%信頼区間]:0.52[0.42~0.65]、p<0.0001[層別log-rank検定、有意水準(両側)0.01104]、2017年2月13日データカットオフ)。
治験薬が投与された患者のうち、本剤群の475例(日本人72例を含む)中460例(96.8%)に有害事象が認められた。本剤群でみられた主な有害事象は、咳嗽168例(35.4%)、疲労113例(23.8%)、呼吸困難106例(22.3%)及び放射線性肺臓炎96例(20.2%)であった。