【大腸がん:三次治療(OS)】「ロンサーフ+支持療法」vs「支持療法」

RECOURSE(NEJM)                        

遠隔転移を有する大腸がんと診断され、2ライン以上の化学療法を受けたことがある人が次の治療を考える場合、「支持療法」に「ロンサーフ」の上乗せを選択することで、生存期間の延長が期待できる。

グレード3以上の有害事象の発現率は、「ロンサーフ」治療を選んだ人の69%に発現した(vs. 52%)。「ロンサーフ」治療に関連の臨床的に重要なgrade 3以上の有害事象として、好中球減少が38%、白血球減少が21%にみられた。発熱性好中球減少が4%に発現し、治療関連死が1例(敗血症性ショック)あり。「ロンサーフ」治療で頻度の高いGrade 3以上の有害事象は、貧血(18 vs. 3%)、血小板減少(5 vs. 1%)。

この試験の結果、承認事項一部変更 承認申請にて、2015年3月に効能・効果が「治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸癌」とし て変更・承認された。それまでの効能・効果は「治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸癌(標準的な治療が困難な場合に限る)」。

米国では2015年9月22日、欧州では2016年4月28日、「フルオロピリミジン療法、オキサリプラチン療法、 イリノテカン療法や抗VEGF抗体療法及びRAS野生型の場合は抗EGFR抗体療法の治療歴があり、遠隔転移を有する結腸・直腸癌」を効能・効果として承認。

【発表】

2015年5月14日

【試験名】

RECOURSE(Phase 3)〔NCT01607957

【試験参加国】

米国、オーストラリア、オーストリア、ベルギー、チェコ、フランス、ドイツ、アイルランド、イタリア、日本(愛知県がんセンター、国立がん研究センター東病院、四国がんセンター、KKR札幌医療センター、北海道大学病院、神戸市立医療センター中央市民病院、筑波大学附属病院、神奈川県立がんセンター、大阪医科大学附属病院、埼玉県立がんセンター、静岡県立がんセンター、自治医科大学附属病院、国立がん研究センター中央病院、がん研有明病院、慶應義塾大学病院、千葉県がんセンター、九州がんセンター、熊本大学医学部附属病院、大阪国際がんセンター、徳島大学病院)、スペイン、スウェーデン、英国

【原著】

N Engl J Med. 2015;372:1909-19. [PubMed:25970050]

【こちらの図鑑も合わせて見る】

【さらに詳しく】

【添付文書における表記】

フッ化ピリミジン系抗悪性腫瘍剤、イリノテカンオキサリプラチン及び抗VEGFモノクローナル抗体、並びにKRAS遺伝子が野生型の場合は少なくとも1種類以上の抗EGFRモノクローナル抗体を含む2レジメン以上の前治療歴を有していた進行又は再発結腸・直腸癌(本剤534例、プラセボ266例)を対象とした第Ⅲ相比較試験の結果、本剤はプラセボに比較して、全生存期間を有意に延長した。

副作用発現率は85.7%(457/533例)であった。主な副作用は、好中球減少53.8%(287例)、悪心39.6%(211例)、ヘモグロビン減少32.1%(171例)、白血球減少31.0%(165例)、疲労28.1%(150例)、食欲減退26.5%(141例)、下痢23.6%(126例)、嘔吐20.1%(107例)、血小板減少19.9%(106例)であった。