【去勢抵抗性前立腺がん:一次治療(PFS)】「ターゼナ+イクスタンジ」vs「イクスタンジ」

TALAPRO-2(Lancet)                       

遠隔転移を有する前立腺がんと診断され、去勢抵抗性となった男性が次の治療を考える場合、「イクスタンジ」治療に「PARP阻害薬ターゼナ」の上乗せを選択することで、無増悪生存期間の延長が期待できる。

本試験の結果に基づいて、2023年2月24日に「去勢抵抗性前立腺がん」の治療薬として承認申請され、2024年1月18日、「BRCA遺伝子変異陽性の遠隔転移を有する去勢抵抗性前立腺がん」を効能・効果として承認された。

【発表】

2023年6月4日

【試験名】

TALAPRO-2(Phase 3)〔NCT03395197/jRCT2080224595

【試験参加国】

日本(名古屋大学医学部附属病院、弘前大学医学部附属病院、国立がん研究センター東病院、四国がんセンター、呉医療センター・中国がんセンター、北海道がんセンター、北海道大学病院、金沢大学附属病院、横浜市立大学医学部附属市民総合医療センター、横須賀共済病院、大阪国際がんセンター、近畿大学病院、大阪大学医学部附属病院、浜松医科大学医学部附属病院、東京医療センター、慶應義塾大学病院、千葉県がんセンター、九州がんセンター、鹿児島大学病院、熊本医療センター、徳島大学病院、山形県立中央病院、山形大学医学部附属病院)、米国、アルゼンチン、オーストラリア、ベルギー、ブラジル、カナダ、チリ、中国、チェコ、フィンランド、フランス、ドイツ、ハンガリー、イスラエル、イタリア、韓国、ニュージーランド、ノルウェー、ペルー、ポーランド、ポルトガル、南アフリカ、スペイン、スウェーデン、英国

【原著】

Lancet 2023; 402: 291-303.  [PubMed: 37285865]

【さらに詳しく】

【こちらの図鑑も合わせて見る】

【トライアル図鑑】TALAPRO-2(去勢抵抗性前立腺がん)
【試験名】 TALAPRO-2(Phase 3)〔NCT03395197/jRCT2080224595〕 【試験開始日】 2019年3月25日 【試験終了予定日】 2024年11月25日 【試験参加国】 日本(名古屋大学医学部附属病院、弘前大学医学部附属病院、国立がん研究センター ...
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【添付文書における表記】

遠隔転移を有する去勢抵抗性前立腺癌(mCRPC)に対する薬物療法歴のない注1)mCRPC患者805例(日本人116例を含む)を対象に、タラゾパリブ+エンザルタミド併用(TAL+ENZ)投与とプラセボ+エンザルタミド併用(PLA+ENZ)投与の有効性を検討することを目的とした、無作為化、二重盲検、プラセボ対照、国際共同第Ⅲ相試験を実施した。タラゾパリブは、開始用量として0.5mgを1日1回連続経口投与し、エンザルタミドは160mgを1日1回連続経口投与した。なお、両側精巣摘除術を受けていない患者は、性腺刺激ホルモン放出ホルモン(GnRH)アゴニスト又はアンタゴニストによる去勢治療が継続された。

主要評価項目である相同組換え修復(HRR)遺伝子変異を問わない患者集団における盲検下独立中央評価による画像診断上の無増悪生存期間(rPFS)の中央値は、TAL+ENZ群で未達、PLA+ENZ群で21.9ヵ月であり、ハザード比は0.627(95%信頼区間:0.506、0.777;片側層別ログランク検定p<0.0001)で、TAL+ENZ群で統計学的に有意なrPFSの延長が認められた(2022年8月16日データカットオフ)。

また、探索的に実施されたBRCA遺伝子(BRCA1又はBRCA2遺伝子)変異陽性集団注2)BRCA遺伝子以外のHRR関連遺伝子変異陽性集団注2)、及びHRR関連遺伝子変異陰性集団注2)のrPFS及び全生存期間(OS)の解析結果はそれぞれ下表のとおりであった(rPFS:2022年8月16日データカットオフ、OS:2023年3月28日データカットオフ)。

注1)アンドロゲン除去療法及び第一世代抗アンドロゲン剤は許容された。また、転移性去勢感受性前立腺癌に対してアビラテロンまたはタキサン系抗悪性腫瘍剤は許容された。

注2)無作為化前に実施した検査で遺伝子変異状態の結果が得られた患者、及び無作為化前の検査結果は不明かつ無作為化前に採取した血漿検体による再検査により遺伝子変異状態の結果が得られた患者を対象とした。

タラゾパリブが投与された398例(日本人60例を含む)中357例(89.7%)に副作用が認められた。主な副作用は貧血(62.1%)、好中球数減少(34.2%)、疲労(30.4%)、血小板数減少(22.4%)、白血球数減少(20.6%)等であった(2022年8月16日カットオフ時点の集計)。