【ホルモン感受性前立腺がん:一次治療(4年OS)】「ニュべクオ+アンドロゲン除去療法+ドセタキセル」vs「アンドロゲン除去療法+ドセタキセル」

ARASENS(NEJM)                         

遠隔転移が認められた人が初めての治療を考える場合、「アンドロゲン除去療法+ドセタキセル」治療に「ニュべクオ」の上乗せを選択することで生存期間の延長が期待できる。

「アンドロゲン除去療法+ドセタキセルニュべクオ」治療を受けた66.1%の人がグレード3または4の有害事象を経験した(vs 63.5%)。主なグレード3または4の有害事象は好中球減少であった(33.7% vs 34.2%)。

本試験の結果に基づいて、2022年3月11日、「遠隔転移を有する前立腺癌」への適応拡大申請が行われ、2023年2月24日に承認された。

【発表】

2022年2月17日

【試験名】

ARASENS(Phase 3)〔NCT02799602/jRCT2080223461

【試験参加国】

日本(名古屋大学医学部附属病院、弘前大学医学部附属病院、国保旭中央病院、国立がん研究センター東病院、東邦大学医療センター佐倉病院、四国がんセンター、北海道がんセンター、神戸大学医学部附属病院、石川県立中央病院、金沢大学附属病院、香川大学医学部附属病院、横浜市立大学附属市民総合医療センター、神奈川県立がんセンター、三重大学医学部附属病院、東北大学医学部附属病院、奈良県立医科大学附属病院、近畿大学病院、大阪大学医学部附属病院、浜松医科大学医学部附属病院、自治医科大学附属病院、済生会宇都宮病院、順天堂大学医学部附属順天堂医院、日本医科大学付属病院、東京大学医学部附属病院、がん研有明病院、東京医療センター、東京慈恵会医科大学附属病院、杏林大学医学部付属病院、東京警察病院、慶應義塾大学病院、JCHO東京新宿メディカルセンター、鳥取大学医学部附属病院、山口大学医学部附属病院、千葉大学医学部附属病院、千葉県がんセンター、九州がんセンター、岐阜県総合医療センター、構熊本医療センター、宮崎大学医学部附属病院、長崎大学病院、岡山大学病院、大阪国際がんセンター、大阪公立大学医学部附属病院、徳島大学病院、和歌山県立医科大学附属病院)、米国、オーストラリア、ベルギー、ブラジル、ブルガリア、カナダ、中国、チェコ、フィンランド、フランス、ドイツ、イスラエル、イタリア、韓国、メキシコ、オランダ、ポーランド、ロシア、スペイン、スウェーデン、台湾、英国

【原著】

N Engl J Med. 2022 ;386:1132-1142. [PubMed: 35179323]

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【さらに詳しく】

【添付文書における表記】

遠隔転移を有する前立腺癌患者を対象に、ADT5)及びドセタキセル6)併用下で本剤(本剤群)とプラセボ(プラセボ群)を比較することを目的とした無作為化二重盲検試験が実施された(有効性解析対象例:1305例、日本人148例を含む)。本剤群では、本剤600mgを1日2回食後に連日経口投与した。主要評価項目である全生存期間(OS)の中央値は、本剤群で未達、プラセボ群で48.9ヵ月であり、本剤群のOSはプラセボ群と比較して有意に延長した(ハザード比0.675、95%信頼区間:0.568~0.801、p値<0.0001、層別ログランク検定)。

注5) ADT(GnRHアゴニスト/アンタゴニスト又は精巣摘除術)は無作為割付け前12週間以内に開始した。

注6) ドセタキセル(1回75mg/m2、3週間間隔)は本剤又はプラセボ投与開始後6週間以内に開始し、6サイクル投与した。

副作用(臨床検査値異常を含む)は652例中(日本人63例を含む)341例(52.3%)に認められた。主な副作用は、疲労81例(12.4%)、ほてり52例(8.0%)、ALT増加48例(7.4%)、AST増加46例(7.1%)、貧血33例(5.1%)、体重増加30例(4.6%)、下痢27例(4.1%)、関節痛26例(4.0%)であった。