
A.R.R.O.W.(Lancet Oncol)
2または3ラインの治療歴がある人が「カイプロリス+デキサメタゾン」治療を考える場合、「カイプロリス週1回投与(1週目:20mg/㎡、2週目以降:70mg/㎡)」治療を選択することで「カイプロリス週2回投与(1週目:20mg/㎡、2週目以降:27mg/㎡)」無増悪生存期間の延長が期待できる。
「週1回投与」を選択することでグレード3以上の有害事象を経験する可能性が高まる。試験ではグレード3以上の有害事象を経験した人の割合が「週2回治療」を受けた人では62%であったのに対し、「週1回治療」を受けた人では68%であった。
主な有害事象は貧血(18% vs 18%)、肺炎(10% vs 7%)、血小板減少症(7% vs 7%)。
試験において「週1回投与」を受けた人で5例(2%)、「週2回投与」を受けた人で2例(1%)に治療のために死に至った。
本試験の結果に基づいて、「カイプロリス」の「デキサメタゾンとの2剤併用療法」において週1回投与が2018年9月に米国で承認され、日本においては2019年3月19日に承認申請され、2019年11月22日に承認された。
【発表】
2018年6月1日
【試験名】
A.R.R.O.W.(Phase 3)〔NCT02412878〕
【試験参加国】
日本(九州がんセンター、名古屋市立大学病院、新潟大学医歯学総合病院、徳島大学病院、豊橋市民病院、九州大学病院、大垣市民病院、群馬大学医学部附属病院、渋川医療センター、札幌医科大学附属病院、東海大学医学部付属病院、京都府立医科大学附属病院、東北大学大学院、岡山医療センター、大阪大学医学部附属病院、埼玉医科大学総合医療センター、栃木県立がんセンター、国立がん研究センター中央病院、がん研有明病院、日本赤十字社医療センター、災害医療センター)、米国、オーストラリア、ベルギー、カナダ、チェコ、デンマーク、フィンランド、フランス、ドイツ、ギリシャ、ハンガリー、イタリア、ニュージーランド、ノルウェー、ポーランド、ルーマニア、スペイン、スウェーデン、英国
【原著】
Lancet Oncol. 2018;19;953-964. [PubMed: 29866475]
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