【学会速報】ASCO GI 2024

1月18日から20日までサンフランシスコで開催された『米国臨床腫瘍学会消化器がんシンポジウム(ASCO GI) 2024』において日本の臨床に影響を及ぼす可能性が高い2つとSNSで話題となっている演題を紹介したい。

 

MSI-H/dMMR転移性大腸がんに対する一次治療として「オプジーボヤーボイ」治療が無増悪生存期間において「化学療法」を上回るかを検証したPhase3試験『CheckMate 8HW』が発表され、「オプジーボヤーボイ」治療を選択することで「化学療法」を選択した場合を上回る2年無増悪生存率が得られたことが示された。

【MSI-H大腸がん:一次治療(PFS)】「オプジーボ+ヤーボイ」vs「化学療法」
CheckMate 8HW                           遠隔転移を有するMSI-H/dMMR大腸がんと診断された人が初めての治療を考える場合、「オプジーボ+ヤーボイ」治療を選択することで、「化学療法」を選択した場合を上回る2年無増悪生存率が期待できる。 【 ...

 

手術、ラジオ波焼灼療法、肝移植が適さない局所進行肝細胞がんに対する治療として「肝動脈化学塞栓療法(TACE)イミフィンジアバスチン」治療が無増悪生存期間において「TACE」のみを上回るかを検証したPhase3試験『EMERALD-1』が発表され、「TACEイミフィンジアバスチン」治療が「TACE」のみを上回る無増悪生存期間が得られたことが示された。

【局所進行肝細胞がん:一次治療(PFS)】「TACE+イミフィンジ+アバスチン」vs「TACE」
EMERALD-1                           肝動脈化学塞栓療法(TACE)に適応がある肝細胞がんと診断された人が治療を考える場合、「TACE」に「イミフィンジ+アバスチン」の上乗せを選択することで、無増悪生存期間の延長が期待できる。 【学会発表】 20 ...

 

日本の施設は参加していないが、SNSで話題にいなっている、がん治療の進歩に影響を及ぼしそうなトピックスを紹介する。

SKYSCRAPER-08』試験では、進行食道がんの一次治療として「パクリタキセルシスプラチン」治療に「テセントリク+抗TIGIT抗体 チラゴルマブ」の上乗せによって生存期間の延長が示された。

【食道がん:一次治療(OS)】「テセントリク+チラゴルマブ+化学療法」vs「化学療法」
SKYSCRAPER-08                          切除不能局所進行、再発または転移性食道扁平上皮がんと診断された人が初めての治療を考える場合、「パクリタキセル+シスプラチン」治療に「テセントリク+抗TIGIT抗体 チラゴルマブ」の上乗せを選択することで ...

 

消化器神経内分泌腫瘍の一次治療として「ルタテラサンドスタチン」治療の有用性を検証した『NETTER-2』試験が発表された。「高用量サンドスタチン」治療を上回る無増悪生存期間が示された。

【消化器神経内分泌腫瘍:一次治療(PFS)】「ルタテラ+サンドスタチン」vs「サンドスタチン」
NETTER-2(Lancet)                         グレード2または3のソマトスタチン受容体陽性の消化器神経内分泌腫瘍と診断された人が初めての治療を考える場合、「ルタテラ+サンドスタチン」治療を選択することで「高用量サンドスタチン」治療を選択した場合 ...

 

【さらに詳しく】