【卵巣がん:維持療法(PFS)】「リムパーザ+アバスチン」vs「アバスチン」

PAOLA-1(NEJM)                          

進行卵巣がんと診断され、一次治療としての「化学療法+アバスチン」治療が完了し病勢の進行が認められなかった後の維持療法を考える場合、「アバスチン」に「リムパーザ」の上乗せを選択することで無増悪生存期間の延長が期待できる。

本試験の結果に基づいて、2020年12月25日、「リムパーザ」が「相同組換え修復欠損を有する卵巣がんにおけるベバシズマブを含む初回化学療法後の維持療法」 に対しても承認された。

【発表】

2019年12月19日

【試験名】

PAOLA-1(Phase 3)〔NCT02477644

【試験参加国】

日本(愛媛大学医学部附属病院、兵庫県立がんセンター、筑波大学附属病院、鹿児島大学病院、埼玉医科大学国際医療センター、自治医科大学附属病院、国立がん研究センター中央病院)、オーストリア、ベルギー、デンマーク、フィンランド、フランス、ドイツ、イタリア、モナコ、スペイン、スウェーデン

【原著】

N Engl J Med. 2019;381:2416-2428. [PubMed: 31851799]

【さらに詳しく】

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【添付文書における表記】

新たに進行卵巣癌(FIGO進行期分類III期又はIV期)であると診断され、白金系抗悪性腫瘍剤、タキサン系抗悪性腫瘍剤及びベバシズマブによる初回化学療法6)で奏効(画像診断による無病状態、完全奏効又は部分奏効)が維持されている高異型度漿液性又は類内膜卵巣癌(原発性腹膜癌及び卵管癌を含む)患者806例(本剤/ベバシズマブ群537例、プラセボ/ベバシズマブ群269例、うち日本人は本剤/ベバシズマブ群15例、プラセボ/ベバシズマブ群9例)を対象として、本剤(錠剤)300mg1日2回及びベバシズマブ併用投与7)の有効性及び安全性をプラセボ及びベバシズマブ併用投与と比較する無作為化二重盲検プラセボ対照多施設共同第III相試験を実施した。主要評価項目である治験担当医師判定による無増悪生存期間において、本剤/ベバシズマブ群はプラセボ/ベバシズマブ群に対し統計学的に有意な延長を示した(ハザード比0.59、95%信頼区間0.49~0.72、p<0.0001[両側])。(2019年3月22日データカットオフ)

また、腫瘍検体が入手可能であった755例のうち664例において相同組換え修復欠損に関する検査結果が得られ、探索的に実施された陽性・陰性8)別の解析結果は下表のとおりであった。

6) 白金系抗悪性腫瘍剤とタキサン系抗悪性腫瘍剤との併用投与が6~9サイクル行われ、少なくとも最後の3サイクルはベバシズマブも併用投与された患者を対象とした。

7) 最長2年間又は原疾患の病勢進行が認められるまで投与した。治験担当医師が治療継続によりさらなるベネフィットが期待できると判断する場合は2年後以降も投与継続可能とした。ベバシズマブは、無作為化前と無作為化後の合計で15カ月間まで投与可能とした。

8) Myriad社の「Myriad myChoice HRD CDx」を用いた検査により、ゲノム不安定性スコア(GIS)が42以上、又はBRCA遺伝子変異陽性の場合に陽性と判定した。

本剤が投与された535例(日本人15例を含む)中531例(99.3%)に有害事象が認められ、主な有害事象は、悪心285例(53.3%)、疲労283例(52.9%)、高血圧245例(45.8%)、貧血219例(40.9%)であった。(2019年3月22日データカットオフ)