【BRCA陽性卵巣がん:維持療法(3年PFS)】「リムパーザ」vs「経過観察」

SOLO1(NEJM)                          

BRCA1/BRCA2遺伝子変異陽性の卵巣がんと診断された女性が一次治療としてプラチナ製剤による治療を受け、奏効が得られた後の治療を考える場合、「PARP阻害薬 リムパーザによる維持療法」の実施を選択することで3年無増悪生存期率の向上が期待できる。

本試験の結果に基づき、2019年6月18日、「リムパーザ」が「BRCA 遺伝子変異陽性の卵巣癌における 初回化学療法後の維持療法」の効能又は効果が追加承認された。

【発表】

2018年10月21日

【試験名】

SOLO1/GOG 3004(Phase 3)〔NCT01844986/jRCT2080222311

【試験参加国】

日本(兵庫県立がんセンター、国立がん研究センター中央病院、九州がんセンター、埼玉医科大学附属病院、四国がんセンター、新潟大学医歯学総合病院、北海道大学病院、静岡がんセンター)、米国、オーストラリア、ブラジル、カナダ、中国、フランス、イスラエル、イタリア、韓国、オランダ、ポーランド、ロシア、スペイン、英国

【原著】

N Engl J Med 2018; 379:2495-2505. [PubMed: 30345884]

【さらに詳しく】

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【添付文書における表記】

BRCA遺伝子変異陽性(病的変異又は病的変異疑い)で、新たに進行卵巣癌(FIGO進行期分類III期又はIV期)であると診断され、白金系抗悪性腫瘍剤を含む初回化学療法4)で奏効(画像診断による完全奏効又は部分奏効)が維持されている高異型度漿液性又は高異型度類内膜卵巣癌(原発性腹膜癌及び卵管癌を含む)患者391例(本剤群260例、プラセボ群131例、うち日本人は本剤群11例、プラセボ群3例)を対象として、本剤(錠剤)300mg1日2回投与5)の有効性及び安全性をプラセボと比較する無作為化二重盲検プラセボ対照多施設共同第III相試験を実施した。主要評価項目である治験担当医師判定による無増悪生存期間において、本剤はプラセボに対し統計学的に有意な延長を示した(ハザード比0.30、95%信頼区間0.23~0.41、p<0.0001[両側])。無増悪生存期間の中央値は本剤群では未到達、プラセボ群で13.8カ月であった。(2018年5月17日データカットオフ)

4) 初回化学療法との併用又は初回化学療法後の維持療法としてベバシズマブ(遺伝子組換え)の投与を受けた患者は除外した。

5) 最長2年間又は原疾患の病勢進行が認められるまで投与した。投与開始2年後の時点で完全奏効(画像診断で病変なし)が維持されている場合は投与を中止し、投与開始2年後の時点で病変が確認され、治験担当医師が治療継続によりさらなるベネフィットが期待できると判断する場合は2年後以降も投与継続可能とした。

本剤が投与された260例(日本人11例を含む)中256例(98.5%)に有害事象が認められ、主な有害事象は、悪心201例(77.3%)、疲労106例(40.8%)、嘔吐104例(40.0%)、貧血99例(38.1%)、下痢89例(34.2%)であった。(2018年5月17日データカットオフ)