【乳癌診療ガイドライン2022】改訂のポイント:薬物療法

2022年7月6日、『乳癌診療ガイドライン 2022年版』が発表された。新たに推奨に加わった薬物療法の治療選択肢を以下にまとめた。

再発リスクが高い場合、内分泌療法にアベマシクリブを2年間併用することを強く推奨する

(推奨の強さ:1、エビデンスの強さ:中、合意率75%)

【HR陽性乳がん:術後治療(3年iDFS)】「ベージニオ+内分泌療法」vs「内分泌療法」

 

再発リスクが高い場合、内分泌療法にS-1を1年間併用することを強く推奨する

(推奨の強さ:1、エビデンスの強さ:中、合意率72%)

【ER陽性乳がん:術後治療(5年iDFS)】「S-1+内分泌療法」vs「内分泌療法」

 

術前化学療法でpCRが得られなかったHER2陰性早期乳がんに対し、カペシタビン6~8サイクルの投与を強く推奨する

(推奨の強さ:1、エビデンスの強さ:中、合意率:77%)

【HER2陰性乳がん:術後治療(5年DFS)】「カペシタビン」vs「経過観察」

術前化学療法でpCRが得られなかったHER2陽性早期乳がんに対する術後薬物療法として「トラスツズマブ エムタンシン14サイクルの投与を強く推奨する

(推奨の高さ:1、エビデンスの強さ:中、合意率87%)

【HER2陽性乳がん:術後治療(3年iDFS)】「カドサイラ」vs「ハーセプチン」

周術期のトリプルネガティブ乳がんに対し、ペムブロリズマブ(抗PD-1抗体)の投与を弱く推奨する

(推奨の強さ:2、エビデンスの強さ:中、合意率80%)

【トリプルネガティブ乳がん:周術期治療(3年EFS)】「キイトルーダ+化学療法」vs「化学療法」

卵巣機能抑制を行い、CDK4/6阻害薬と非ステロイド性アロマターゼ阻害薬の併用療法を行うことを推奨する

(推奨の強さ:1~2(合意に至らず)、エビデンスの強さ:弱、合意率:強い推奨53%、弱い推奨47%)

【閉経前HR陽性乳がん:一次治療(OS)】「リボシクリブ+内分泌療法」vs「内分泌療法」