
KEYNOTE-042(Lancet)
EGFR遺伝子変異もALK融合遺伝子変異も陰性の非小細胞肺がんと診断された人が初めての治療を考える場合、腫瘍細胞のPD-L1発現割合(TPS)が50%以上であれば、「キイトルーダ」単剤治療を選択することで、化学療法を選択した場合を上回る生存期間が期待できる。
ただし、本試験におけるTPS 1-49%の人における解析では、「キイトルーダ」単剤治療による「化学療法」に対する生存期間の優位性を示すことはできなかった。
無増悪生存期間について
- TPS≧50% 「キイトルーダ」単剤 7.1ヵ月(vs 6.4ヵ月)HR 0.81(0.67-0.99) p=0.0170
- TPS≧20% 「キイトルーダ」単剤 6.2ヵ月(vs 6.6ヵ月)HR 0.94(0.80-1.11)
- TPS≧1% 「キイトルーダ」単剤 5.4ヵ月(vs 6.5ヵ月)HR 1.07(0.94-1.21)
「キイトルーダ」単剤治療を選択することでグレード3以上の治療関連有害事象を経験するリスクの軽減が期待できる(18% vs 41%)。
【発表】
2019年4月4日
【試験名】
KEYNOTE-042(Phase 3)〔NCT02220894/jRCT2080222825〕
【試験参加国】
日本、アルゼンチン、ブラジル、ブルガリア、カナダ、チリ、中国、チェコ、エストニア、グアテマラ、香港、ハンガリー、ラトビア、リトアニア、マレーシア、メキシコ、ペルー、フィリピン、ポーランド、ポルトガル、ルーマニア、ロシア、南アフリカ、韓国、スウェーデン、台湾、タイ、トルコ、ウクライナ、ベトナム
【原著】
Lancet. 2019; 393:1819-1830. [PubMed: 30955977]
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【さらに詳しく】
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