【標準治療】BRCA遺伝子変異陽性の卵巣がん(維持療法)

1.一次化学療法終了後

BRCA遺伝子変異を有する進行卵巣がんに対する一次化学療法後の維持療法として、「PARP阻害薬」単剤治療または「PARP阻害薬リムパーザアバスチン」併用療法が承認されている。

それぞれの承認の根拠となった臨床試験では、BRCA遺伝子変異を有さない女性を対象に含んでいるものもあるが、ここではBRCA遺伝子変異陽性の結果についてまとめている。

我が国における初回化学療法後の維持療法に関して承認されている効能及び効果は、「リムパーザ」単剤治療は「BRCA遺伝子変異陽性の卵巣がんにおける初回化学療法後の維持療法」に限定されているが、「リムパーザアバスチン」併用療法は、BRCA遺伝子変異の有無に関わらず、「相同組換え修復欠損(HRD)を有する卵巣がんにおけるベバシズマブを含む初回化学療法後の維持療法」として、「ゼジューラ」単剤治療は、BRCA遺伝子変異の有無、HRDの有無に関わらず、「卵巣がんにおける初回化学療法後の維持療法」として選択することができる。

【BRCA陽性卵巣がん:維持療法(3年PFS)】「リムパーザ」vs「経過観察」
SOLO1(NEJM)                           BRCA1/BRCA2遺伝子変異陽性の卵巣がんと診断された女性が一次治療としてプラチナ製剤による治療を受け、奏効が得られた後の治療を考える場合、「PARP阻害薬 リムパーザによる維持療法」の実施を選択する ...
【卵巣がん(BRCA陽性):維持療法(PFS)】「リムパーザ+アバスチン」vs「アバスチン」
PAOLA-1(NEJM)                           BRCA遺伝子変異陽性の進行卵巣がんと診断され、一次治療としての「化学療法+アバスチン」治療が完了し病勢の進行が認められなかった後の維持療法を考える場合、「アバスチン」に「リムパーザ」の上乗せを選択す ...
【卵巣がん(BRCA陽性):維持療法(PFS)】「ゼジューラ」vs「経過観察」
PRIMA(NEJM)                           BRCA遺伝子変異陽性の進行卵巣がんと診断された女性が初めての治療を考える場合、初めての治療として化学療法を受け、奏効が得られた女性が、「ゼジューラによる維持療法」の実施を選択することで無増悪生存期間の延 ...

 

2.二次化学療法終了後(プラチナ感受性再発卵巣がん)

プラチナ感受性再発卵巣がんの二次化学療法後の維持療法に関して承認されている効能及び効果は、「リムパーザ」単剤治療および「ゼジューラ」単剤治療が「白金系抗悪性腫瘍剤感受性の再発卵巣癌における維持療法」を効能及び効果として承認されており、BRCA遺伝子変異の有無に関わらず、選択することができる。現在のところ、プラチナ抵抗性再発卵巣がんの二次化学療法後の維持療法に承認されている治療はない。

【BRCA陽性卵巣がん:維持療法(PFS)】「リムパーザ」vs「プラセボ」
SOLO2(Lancet Oncol)                    2ライン以上のプラチナ製剤を含む化学療法を受けたことがあり、プラチナ製剤感受性でBRCA1/2遺伝子変異陽性の人は、プラチナ製剤で奏効が得られた後の維持療法として「リムパーザ」治療を選択することで無増悪 ...
【プラチナ感受性再発卵巣がん(BRCA陽性):維持療法】「ゼジューラ」vs「経過観察」
NOVA(NEJM)                            BRCA遺伝子変異陽性の進行卵巣がんと診断され、プラチナ製剤を含む化学療法終了後、6ヵ月以上経ってから再発した女性が次の治療を考える場合、化学療法奏効後に「ゼジューラによる維持療法」の実施を選択することで ...