【学会速報】ESMO 2023

10月20日から24日までマドリードで開催された欧州臨床腫瘍学会(ESMO 2023)で注目を集めた演題についてまとめてみた。このうち7演題は、NEJM同時掲載です。

肺がん

【RET陽性肺がん:一次治療(PFS)】「レットヴィモ」vs「化学療法±キイトルーダ」
LIBRETTO-431(NEJM)                      RET融合遺伝子陽性の転移性の非扁平上皮非小細胞肺がんと診断された人が初めての治療を考える場合、「レットヴィモ」治療を選択することで「化学療法(ペメトレキセド+プラチナ製剤)±キイトルーダ」治療を選択 ...
【EGFR Ex20陽性肺がん】「アミバンタマブ+ペメトレキセド+カルボプラチン」vs「ペメトレキセド+カルボプラチン」
PAPILLON(NEJM)                        局所進行または転移性のEGFRエクソン20挿入変異を有する非小細胞肺がんと診断された人が治療を考える場合、「ペメトレキセド+カルボプラチン」治療に「EGFR/MET二重特異性抗体アミバンタマブ」の上乗せを ...
【EGFR陽性肺がん:二次治療(PFS)】「テセントリク+アバスチン+化学療法」vs「化学療法」
ATTLAS/KCSG-LU19-04(JCO)                   Ⅳ期の非扁平上皮非小細胞肺がんと診断され、EGFR-TKIまたはALK-TKI治療歴を有する人が次の治療を考える場合、「テセントリク+アバスチン+パクリタキセル+カルボプラチン」治療を選択するこ ...
【ALK陽性肺がん:術後治療(DFS)】「アレセンサ」vs「化学療法」
ALINA(NEJM)                           ALK融合遺伝子陽性のIB-ⅢA期の非小細胞肺がんと診断された人が手術後の治療を考える場合、「アレセンサ」治療を選択することで「プラチナ製剤を含む併用化学療法」を選択した場合を上回る2年無病生存率が期待で ...
【II-IIIB期肺がん:周術期治療(EFS)】「オプジーボ+化学療法→手術→オプジーボ」vs「化学療法→手術」
CheckMate 77T                            切除可能なII期-IIIB期非小細胞肺がんと診断された人が手術を受ける場合、「術前の化学療法」への「オプジーボ」の上乗せ、および「術後補助療法としてオプジーボの実施」を選択することで1年無イベント生 ...
【II-IIIB期肺がん:周術期治療(OS)】「キイトルーダ+化学療法→手術→キイトルーダ」vs「化学療法→手術」
KEYNOTE-671                            切除可能なII期-IIIB期非小細胞肺がんと診断された人が手術前後の治療を考える場合、「術前の化学療法にキイトルーダの上乗せ」および「術後のキイトルーダ(3週毎に最長13サイクル)の追加」を選択すること ...
【小細胞肺がん:二次治療(ORR)】タルラタマブ
DeLLphi-301(NEJM)                        小細胞肺がんと診断され、1回以上のプラチナ製剤を含む化学療法後に進行または再発した100名が「DLL3標的BiTE抗体タルラタマブ」治療を受けた結果、40%の人が治療に奏効した。 【発表】 2023 ...
【肺がん:二次治療(OS)】「オプジーボ+シトラバチニブ」vs「ドセタキセル」
SAPPHIRE(Ann Oncol)                      切除不能な進行非小細胞肺がんと診断され、免疫チェックポイント阻害薬を含む治療を受けたことがある人が次の治療を考える場合、「オプジーボ+シトラバチニブ」治療を選択しても「ドセタキセル」治療を上回る生存 ...
【EGFR陽性肺がん:一次治療(PFS)】「アミバンタマブ+ラゼルチニブ」vs「タグリッソ」
MARIPOSA                             局所進行または転移性のEGFR変異陽性の非小細胞肺がんと診断された人が初めての治療を考える場合、「EGFR/MET二重特異性抗体アミバンタマブ+EGFR-TKIラゼルチニブ」治療を選択することで「タグリッソ ...
【肺がん:二次治療(OS、PFS)】「ダトポタマブ デルクステカン」vs「ドセタキセル」
TROPION-LUNG01                         進行または転移性の非小細胞肺がんと診断され、何らかの治療中に病勢が進行した人が次の治療を考える場合、「ダトポタマブ デルクステカン」治療を選択することで「ドセタキセル」治療を選択した場合を上回る無増悪生 ...
【EGFR陽性肺がん:二次治療(PFS)】「アミバンタマブ+ラゼルチニブ+化学療法」vs「化学療法」
MARIPOSA-2(Ann Oncol)                     局所進行または転移性のEGFR変異陽性の非小細胞肺がんと診断され、「タグリッソ」治療が無効になった人が次の治療を考える場合、「ペメトレキセド+カルボプラチン」に「EGFR/MET二重特異性抗体アミ ...
【uncommon EGFR陽性肺がん:一次治療(PFS)】「ジオトリフ」vs「化学療法」
ACHILLES/TORG1834                        uncommon EGFR遺伝子変異陽性の進行非扁平上皮非小細胞肺がんと診断された人が初めての治療を考える場合、「ジオトリフ」治療を選択することで「プラチナ製剤+ペメトレキセド」を選択した場合を上回 ...

 

乳がん

【HR陽性乳がん:二次治療(PFS)】「ダトポタマブ デルクステカン」vs「化学療法」
TROPION-Breast01                         切除不能または転移性HR陽性、HER2陰性乳がんと診断された1~2ラインの全身化学療法歴のある女性が次の治療を考える場合、「ダトポタマブ デルクステカン」治療を選択することで、「単剤化学療法(カペシ ...
【ER陽性乳がん:周術期治療(pCR)】「キイトルーダ+化学療法→手術→キイトルーダ+内分泌療法」vs「化学療法→手術→内分泌療法」
KEYNOTE-756                            ER陽性HER2陰性乳がんと診断され、手術を受けた女性が手術前後の治療を考える場合、「術前補助化学療法(パクリタキセル→ドキソルビシン+シクロホスファミド)」および「術後補助内分泌療法」に「キイトルーダ ...
【ER陽性乳がん:周術期治療(pCR)】「オプジーボ+化学療法→手術→オプジーボ+内分泌療法」vs「化学療法→手術→内分泌療法」
CheckMate 7FL                            ER陽性HER2陰性乳がんと診断され、手術を受けた女性が手術前後の治療を考える場合、「術前補助化学療法(パクリタキセル→ドキソルビシン+シクロホスファミド)」および「術後補助内分泌療法」に「オプジー ...
【トリプルネガティブ乳がん:術前治療(EFS)】「テセントリク+化学療法」vs「化学療法」
NeoTRIP Michelangelo                        トリプルネガティブ乳がんと診断された女性が術前治療を考える場合、「カルボプラチン+パクリタキセル」治療に「テセントリク」の上乗せを選択しても、5年無イベント生存率の向上は期待しにくい。 【学会 ...

 

胃がん・大腸がん

【KRAS陽性大腸がん:三次治療(OS)】「ベクティビックス+ルマケラス」vs「ロンサーフ」
CodeBreak 300(NEJM)                      KRAS G12C変異陽性の転移性大腸がんと診断され、何らかの治療を受けた人が次の治療を考える場合、「ベクティビックス+ルマケラス」治療を選択することで、「ロンサーフ(またはスチバーガ)」治療を選択 ...
【HER2陽性胃がん:一次治療(PFS)】「キイトルーダ+ハーセプチン+化学療法」vs「ハーセプチン+化学療法」
KEYNOTE-811(Lancet)                      HER2陽性の進行胃がんと診断された人が初めての治療を考える場合、「ハーセプチン+化学療法(5-FU+シスプラチンまたはCAPOX)」に「キイトルーダ」の上乗せを選択することで無増悪生存期間の延長が ...
【胃がん:一次治療(OS)】「キイトルーダ+化学療法」vs「化学療法」
KEYNOTE-859(Lancet Oncol)                   HER2陰性の進行胃がんと診断された人が初めての治療を考える場合、「化学療法(5-FU+シスプラチンまたはCAPOX)」に「キイトルーダ」の上乗せを選択することで生存期間の延長が期待できる。 ...
【胃がん:周術期治療(OS、EFS)】「キイトルーダ+化学療法」vs「化学療法」
KEYNOTE-585(Lancet Oncol)                   切除可能な胃がんおよび胃食道接合部がんと診断された人が手術前後の治療を考える場合、「化学療法(FLOT、S-1またはCAPOX)」に「キイトルーダ」の上乗せを選択することで、病理学的完全奏効率 ...
【胃がん:周術期治療(pCR)】「イミフィンジ+FLOT」vs「FLOT」
MATTERHORN                           切除可能な胃がんおよび胃食道接合部がんと診断された人が手術前後の治療を考える場合、「FLOT(5-FU+ロイコボリン+オキサリプラチン+ドセタキセル)」治療に「イミフィンジ」の上乗せを選択することで、病理学 ...
【胃がん:三次治療(OS)】「サイラムザ+イリノテカン」vs「イリノテカン」
RINDBeRG                                                        進行・再発胃がんまたは食道胃接合部がんと診断され、「サイラムザ+化学療法」に不応となった人が次の治療を考える場合、「イリノテカン」治療に「サイラムザ」の ...

 

膵がん

【膵がん:一次治療(OS)】「S-1+イリノテカン+オキサリプラチン」vs「ゲムシタビン+アブラキサン」
JCOG1611/GENERATE                        転移性または再発膵がんと診断された人が初めての治療を考える場合、「mFOLFIRINOX」治療、「S-IROX(S-1+イリノテカン+オキサリプラチン)」治療を選択しても、「ゲムシタビン+アブラキサ ...

 

泌尿器がん

【尿路上皮がん:一次治療(OS、PFS)】「キイトルーダ+パドセブ」vs「化学療法」
EV-302/KEYNOTE-A39(NEJM)                  局所進行性または転移性尿路上皮がんと診断された人が初めての治療を考える場合、「キイトルーダ+パドセブ」治療を選択することで「化学療法(ゲムシタビン+シスプラチン(またはカルボプラチン)」を選択する ...
【尿路上皮がん:一次治療(OS、PFS)】「オプジーボ+化学療法」vs「化学療法」
CheckMate 901(NEJM)                      シスプラチン適格の切除不能または転移を有する尿路上皮がんと診断された人が初めての治療を考える場合、「シスプラチン+ゲムシタビン」治療に「オプジーボ」の上乗せを選択することで、無増悪生存期間および生存 ...
【FGFR陽性尿路上皮がん:三次治療(OS)】「エルダフィチニブ」vs「化学療法」
THOR cohort 1(NEJM)                      FGFR遺伝子変異陽性転移性尿路上皮がんと診断され、抗PD-1抗体を含む1-2ライン加療後に進行した人が次の治療を考える場合、「FGFR阻害薬 エルダフィチニブ」治療を選択することで、「化学療法(ド ...
【FGFR陽性尿路上皮がん:二次治療(OS)】「エルダフィチニブ」vs「キイトルーダ」
THOR cohort 2(Ann Oncol)                    FGFR遺伝子変異陽性の進行尿路上皮がんと診断され、抗PD-1抗体を含まない1ラインの加療後に進行した人が次の治療を考える場合、「エルダフィチニブ」治療を選択しても「キイトルーダ」治療を選択し ...
【去勢抵抗性前立腺がん:二次治療(PFS)】「177Lu-PSMA-617」vs「アンドロゲン受容体シグナル阻害薬」
PSMAfore                              PSMA陽性転移性去勢抵抗性前立腺がんと診断され、アンドロゲン受容体シグナル阻害薬治療中に進行した男性が次の治療を考える場合、「177Lu-PSMA-617」を選択することで、「別のアンドロゲン受容体シグ ...
【腎細胞がん:一次治療(PFS)】「トリパリマブ+インライタ」vs「スーテント」
RENOTORCH(Ann Oncol)                     低または中リスクの淡明細胞型腎細胞がんと診断された人が初めての治療を考える場合、「抗PD-1抗体トリパリマブ+インライタ」併用療法を選択することで、「スーテント」単独治療を選択した場合を上回る無増悪 ...
【腎細胞がん:二次治療(PFS、OS)】「ベルズティファン」vs「アフィニトール」
LITESPARK-005                           進行腎細胞がんと診断され、抗PD-(L)1抗体療法、VEGF阻害薬治療歴がある人が次の治療を考える場合、「経口HIF-2α阻害薬 ベルズティファン」治療を選択することで「アフィニトール」治療を選択した ...

 

婦人科がん

【局所進行子宮頸がん】「キイトルーダ+化学放射線療法」vs「化学放射線療法」
KEYNOTE-A18(Lancet)                       高リスク局所進行子宮頸がんと診断された人が初めての治療を考える場合、「化学放射線療法」に「キイトルーダ」の上乗せを選択することで、2年無増悪生存率の向上が期待できる。 本試験の結果に基づいて、20 ...
【子宮頸がん:二次治療(OS)】「チソツマブ ベドチン」vs「化学療法」
innovaTV301                                進行または再発子宮頸がんと診断され、一次または二次治療を受けたことがある女性が次の治療を考える場合、「チソツマブ ベドチン」療法を選択することで「化学療法(トポテカン、ビノレルビン、ゲムシタビン ...
【子宮体がん:一次治療(PFS)】「イミフィンジ+化学療法」vs「化学療法」
DUO-E(JCO)                           進行または再発子宮体がんと診断された女性が初めての治療を考える場合、「化学療法」に「イミフィンジ」の上乗せを選択し、「イミフィンジ+リムパーザによる維持療法」を選択することで無増悪生存期間の延長が期待できる ...
【子宮体がん:一次治療(OS、PFS)】「テセントリク+化学療法」vs「化学療法」
AtTEnd                               進行または再発子宮体がんと診断された女性が初めての治療を考える場合、「パクリタキセル+カルボプラチン」治療に「テセントリク」の上乗せを選択することで、無増悪生存期間の延長が期待できる。 【学会発表】 202 ...

 

甲状腺がん

【RET陽性甲状腺髄様がん:一次治療(PFS)】「レットヴィモ」vs「カプレルサ」
LIBRETTO-531(NEJM)                      RET遺伝子変異陽性の進行甲状腺髄様がんと診断され、キナーゼ阻害薬治療歴のない人が初めての治療を考える場合、「レットヴィモ」治療を選択することで「カプレルサ(またはカボメティクス)」治療を選択した場合 ...