【Year in Review 2023】がん治療の進歩:この1年

2023年も数多くのがん治療レジメンが承認され、治療の選択肢が増えた。また、2022年以前に承認されていたレジメンの選択を強力に支持する治療成績もいくつか発表された。ここでは、日本における2023年のがん治療の進歩をまとめてみた。

1.  肺がん

3月、『CheckMate 816』試験の結果に基づき、「オプジーボ+化学療法」が「非小細胞肺がんにおける術前補助療法」としても承認され、新たな治療選択肢に加わった。

【レジメン図鑑】オプジーボ+シスプラチン+ペメトレキセド(肺がん:術前治療)
「オプジーボ(一般名:ニボルマブ)」について、非小細胞肺癌における術前補助療法に対する、化学療法との併用療法(最大3サイクル)が2023年3月27日に承認された。この申請は、Phase 3試験『CheckMate 816』の結果に基づく。 『CheckMate 816』では、非扁 ...
【レジメン図鑑】オプジーボ+シスプラチン+ゲムシタビン(肺がん:術前治療)
「オプジーボ(一般名:ニボルマブ)」について、非小細胞肺癌における術前補助療法に対する、化学療法との併用療法(最大3サイクル)が2023年3月27日に承認された。この申請は、Phase 3試験『CheckMate 816』の結果に基づく。 『CheckMate 816』では、扁平 ...
【レジメン図鑑】オプジーボ+カルボプラチン+パクリタキセル(肺がん:術前治療)
「オプジーボ(一般名:ニボルマブ)」について、非小細胞肺癌における術前補助療法に対する、化学療法との併用療法(最大3サイクル)が2023年3月27日に承認された。この申請は、Phase 3試験『CheckMate 816』の結果に基づく。 『CheckMate 816』では、扁平 ...

 

2022年8月に「EGFR遺伝子変異陽性の非小細胞肺がんにおける術後補助療法」を効能・効果として承認された『タグリッソ』単剤治療については、EGFR遺伝子変異を有するII-IIIA期非小細胞肺がんに対し、2年無病生存率の向上に加えて、5年生存率の向上が期待できることも『ADAURA』試験の結果より証明された。

【EGFR陽性肺がん:術後治療(5年OS)】「タグリッソ」vs「経過観察」
ADAURA(NEJM)                         EGFR遺伝子変異を有するII-IIIA期非小細胞肺がんと診断された人が術後の治療を考える場合、「タグリッソを用いた3年間の補助療法」を選択することで、5年生存率の向上が期待できる。 【試験名】 ADAUR ...

 

また、8月には『DESTINY-Lung02』試験の結果に基づき、「エンハーツ」が「がん化学療法後に増悪したHER2遺伝子変異陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺がん」に対しても承認され、初のHER2遺伝子変異陽性非小細胞肺がんに対する治療が保険診療の範囲で選択できるようになり、プレシジョンメディシンがまた一歩進歩した。

【レジメン図鑑】エンハーツ(HER2陽性肺がん:二次治療)
「エンハーツ」(一般名=トラスツズマブ デルクステカン)が「がん化学療法後に増悪したHER2遺伝子変異陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺がん」について適応拡大が2023年8月23日に承認され、肺がんでも使用可能になった。HER2陽性の肺がんの適応は国内初。 今回の適応拡大はP ...
【トライアル図鑑】DESTINY-Lung02(HER2陽性肺がん:二次治療)
【試験名】 DESTINY-Lung02(Phase 2)〔NCT01515787/jRCT2061200038〕 【発表】 2023年9月11日 【試験開始日】 2020年12月4日 【試験終了予定日】 2024年3月31日 【試験参加国】 日本(愛知県がんセンター、国立がん研 ...
【トライアル図鑑】DESTINY-Lung01(HER2陽性肺がん:二次治療)
【試験名】 DESTINY-Lung01(Phase 2)〔NCT03505710/jRCT2080223860〕 【発表】 2021年9月18日 【試験開始日】 2018年4月1日 【試験終了予定日】 2024年3月31日 【試験参加国】 日本(国立がん研究センター東病院、近畿 ...

 

2021年9月に「RET融合遺伝子陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺がん」を効能・効果として承認された『レットヴィモ』単剤治療については、RET融合遺伝子陽性の転移性の非扁平上皮非小細胞肺がんに対し、「化学療法±キイトルーダ」治療を上回る無増悪生存期間が得られることが『LIBRETTO-431』試験の結果より証明された。

【RET陽性肺がん:一次治療(PFS)】「レットヴィモ」vs「化学療法±キイトルーダ」
LIBRETTO-431(NEJM)                      RET融合遺伝子陽性の転移性の非扁平上皮非小細胞肺がんと診断された人が初めての治療を考える場合、「レットヴィモ」治療を選択することで「化学療法(ペメトレキセド+プラチナ製剤)±キイトルーダ」治療を選択 ...

 

2018年12月に「切除不能な進行・再発の非扁平上皮非小細胞肺がん」を効能・効果として承認された「テセントリクアバスチンパクリタキセルカルボプラチン」併用療法については、EGFR-TKIまたはALK-TKI治療後の治療として、「ペメトレキセドカルボプラチン」治療を上回る無増悪生存期間が得られることが韓国で実施された『ATTLAS』試験の結果より証明された。

【EGFR陽性肺がん:二次治療(PFS)】「テセントリク+アバスチン+化学療法」vs「化学療法」
ATTLAS/KCSG-LU19-04(JCO)                   Ⅳ期の非扁平上皮非小細胞肺がんと診断され、EGFR-TKIまたはALK-TKI治療歴を有する人が次の治療を考える場合、「テセントリク+アバスチン+パクリタキセル+カルボプラチン」治療を選択するこ ...

 

PS2-3または70歳以上で非小細胞肺がんの一次治療として「テセントリク」単剤治療が「化学療法(ビノレルビンまたはゲムシタビン)」を上回る生存期間が得られることが『IPSOS』試験の結果より証明された。

【高齢者肺がん:一次治療(OS)】「テセントリク」vs「化学療法」
IPSOS(Lancet)                          PS2または3の非小細胞肺がんまたは70歳以上で非小細胞肺がんと診断された人が初めての治療を考える場合、「テセントリク」治療を選択することで「化学療法(ビノレルビンまたはゲムシタビン)」を選択した場合を ...

 

2.  乳がん

3月に『DESTINY-Breast04』試験の結果に基づき、「エンハーツ」治療が「化学療法歴のあるHER2低発現の手術不能又は再発乳がん」としても承認され、新たな治療選択肢に加わった。HER2低発現乳がんは、転移性乳がんの50~60%を占めるとされ、HER2低発現乳がんに対する国内初の治療となった。

【レジメン図鑑】エンハーツ(HER2低発現乳がん:二次治療)
「エンハーツ」(一般名=トラスツズマブ デルクステカン)は、2020年3月25日、「化学療法歴のあるHER2陽性の手術不能又は再発乳がん(標準的な治療が困難な場合に限る)」を効能・効果として承認された抗体薬物複合体である。2023年3月27日には、「化学療法歴のあるHER2低発現 ...

 

9月にはHER2陽性乳がん治療薬として「フェスゴ配合皮下注(一般名=ペルツズマブ/トラスツズマブ/ボルヒアルロニダーゼ アルファ)」が「HER2陽性の乳がん」を効能・効果として承認された。「フェスゴドセタキセル」併用療法は、「ハーセプチンパージェタドセタキセル」併用療法と同様の有用性が認められており、短時間で治療でき、治療利便性の向上が期待できる。

【レジメン図鑑】「フェスゴ+ドセタキセル」(HER2陽性乳がん:一次治療)
「フェスゴ配合皮下注(一般名=ペルツズマブ/トラスツズマブ/ボルヒアルロニダーゼ アルファ)」は、2023年9月25日に「HER2陽性の乳がん」について承認された抗HER2ヒト化モノクローナル抗体・ヒアルロン酸分解酵素配合剤。 「ハーセプチン+パージェタ+ドセタキセル」併用療法は ...
【レジメン図鑑】「フェスゴ+ドセタキセル」(HER2陽性乳がん:術後治療)
「フェスゴ配合皮下注(一般名=ペルツズマブ/トラスツズマブ/ボルヒアルロニダーゼ アルファ)」が「HER2陽性の乳がん」について2023年9月25日に承認された抗HER2ヒト化モノクローナル抗体・ヒアルロン酸分解酵素配合剤。 「ハーセプチン+パージェタ+ドセタキセル」併用療法は、 ...
【レジメン図鑑】「フェスゴ+ドセタキセル」(HER2陽性乳がん:術前治療)
「フェスゴ配合皮下注(一般名=ペルツズマブ/トラスツズマブ/ボルヒアルロニダーゼ アルファ)」は、2023年9月25日に「HER2陽性の乳がん」について承認された抗HER2ヒト化モノクローナル抗体・ヒアルロン酸分解酵素配合剤。 「ハーセプチン+パージェタ+ドセタキセル」併用療法は ...

 

3. 大腸がん

遠隔転移を有するRAS野生型の大腸がんの中でも原発巣が左側にある場合、「ベクティビックスFOLFOX」治療が「アバスチンFOLFOX」治療を上回る生存期間が得られることが、『PARADIGM』試験の結果より証明された。

【原発巣左側RAS野生型大腸がん:一次治療(OS)】「ベクティビックス+FOLFOX」vs「アバスチン+FOLFOX」
PARADIGM(JAMA)                        遠隔転移を有するRAS野生型の大腸がんと診断された人が初めての治療を考える場合、原発巣が左側にある人では「ベクティビックス+FOLFOX」治療を選択することで「アバスチン+FOLFOX」治療を選択した場合 ...

 

フルオロピリミジン、イリノテカンオキサリプラチン、抗VEGF抗体、抗EGFR抗体(RAS野生型の場合)を含む2ライン以下の化学療法歴を有する転移性大腸がんに対する「ロンサーフアバスチン」治療が「ロンサーフ」単剤治療を上回る生存期間が得られることが、『SUNLIGHT』試験の結果より証明された。

【大腸がん:三次治療(OS)】「ロンサーフ+アバスチン」vs「ロンサーフ」
SUNLIGHT(NEJM)                        転移性大腸がんと診断され、フルオロピリミジン、イリノテカン、オキサリプラチン、抗VEGF抗体、抗EGFR抗体(RAS野生型の場合)を含む2ライン以下の化学療法を受けたことがある人が次の治療を考える場合、「 ...

 

9月には「フェスゴ配合皮下注(一般名=ペルツズマブ/トラスツズマブ/ボルヒアルロニダーゼ アルファ)」が「HER2陽性の進行・再発大腸がんの二次治療」を効能・効果として承認された。「フェスゴ」治療は、「ハーセプチンパージェタ」併用療法とより短時間で治療でき、治療利便性の向上が期待できる。

【レジメン図鑑】「フェスゴ」(HER2陽性大腸がん:二次治療)
「フェスゴ配合皮下注(一般名=ペルツズマブ/トラスツズマブ/ボルヒアルロニダーゼ アルファ)」は、2023年9月25日に「HER2陽性の進行・再発大腸がんの二次治療」について承認された抗HER2ヒト化モノクローナル抗体・ヒアルロン酸分解酵素配合剤。 【承認日】 2023年9月25 ...

 

4. 胆道がん

1月、Phase3試験『JCOG1202/ASCOT』の結果が、Lancet誌に発表され、切除可能な胆道がんへの「S-1による補助化学療法」により生存期間の延長が証明された。

【胆道がん:術後治療(3年OS)】「S-1」vs「経過観察」
JCOG1202/ASCOT(Lancet)                    切除可能な胆道がんと診断された人が手術後の治療を考える場合、「S-1による補助化学療法」を選択することで、生存期間の延長が期待できる。経過観察を選択した人の3年無再発生存率は50.9%であったのに ...

 

6月にPhase2試験『FOENIX-CCA2』の結果に基づき、「リトゴビ(一般名=フチバチニブ)」が「がん化学療法後に増悪したFGFR2融合遺伝子陽性の治癒切除不能な胆道がん」について承認された。

【レジメン図鑑】リトゴビ(FGFR2陽性胆道がん:二次治療)
「リトゴビ(一般名=フチバチニブ)」が「がん化学療法後に増悪したFGFR2融合遺伝子陽性の治癒切除不能な胆道がん」について2023年6月26日に承認され、同年9月4日発売となった。この承認はPhase2試験(FOENIX-CCA2)の結果に基づく。 主な副作用は、高リン血症(85 ...
【FGFR2陽性肝内胆管がん:二次治療(ORR)】リトゴビ
FOENIX-CCA2(NEJM)                        FGFR2遺伝子融合/再配列を有する肝内胆管がんと診断され、1ライン以上の治療歴がある103名が「リトゴビ」治療を受けた結果、42%の人が治療に奏効し、9.7ヵ月間奏効が持続した。 「リトゴビ」治療 ...

 

11月には「タフィンラーメキニスト」併用療法がPhase2試験『ROAR』の結果に基づき、「標準的な治療が困難なBRAF遺伝子変異を有する進行・再発の固形腫瘍(結腸・直腸がんを除く)」に適応拡大された。『ROAR』試験に参加した人の21%(43名)がBRAF遺伝子変異陽性の胆道がんであり、「タフィンラーメキニスト」治療の奏効率は53%であった。

【レジメン図鑑】タフィンラー+メキニスト(BRAF陽性固形がん)
「タフィンラー(一般名:ダブラフェニブメシル酸塩)」および「メキニスト(一般名:トラメチニブ ジメチルスルホキシド付加物)」は、2016年3月28日に「BRAF遺伝子変異を有する根治切除不能な悪性黒色腫」を対象に承認されたBRAF阻害薬とMEK阻害薬。 2023年11月24日、「 ...

 

5. 前立腺がん

2月、『ARASENS試験』の結果に基づき、「ニュベクオドセタキセル」併用療法が「遠隔転移を有する前立腺がん」に対して承認された。

【レジメン図鑑】ニュベクオ+ドセタキセル(去勢抵抗性前立腺がん)
「ニュベクオ」は「遠隔転移を有しない去勢抵抗性前立腺がん」に対して、2020年1月23日に承認申請された経口アンドロゲン受容体シグナル伝達阻害薬。「ニュベクオ+ドセタキセル」併用療法は、「遠隔転移を有する前立腺がん」を効能・効果として、2023年2月27日に承認された。この申請は ...

 

8月、『PROpel』試験の結果に基づき、「リムパーザザイティガプレドニロゾン」併用療法が「BRCA遺伝子変異陽性の遠隔転移を有する去勢抵抗性前立腺がん」に対して承認された。

【レジメン図鑑】リムパーザ+ザイティガ(BRCA陽性去勢抵抗性前立腺がん)
「リムパーザ」は「BRCA遺伝子変異陽性の遠隔転移を有する去勢抵抗性前立腺がん」に対しては、2020年12月25日に承認されたPARP阻害薬。2023年8月23日には、さらに「ザイティガ+プレドニロゾン」との併用療法についても承認された。 「リムパーザ+ザイティガ+プレドニロゾン ...

 

遠隔転移が認められないホルモン感受性前立腺がんに対する「リュープリンイクスタンジ」治療が「リュープリン」治療を上回る5年無転移生存率、5年生存率が得られることが、『EMBARK』試験の結果より証明された。

【ホルモン感受性前立腺がん:一次治療(5年MFS)】「イクスタンジ+リュープリン」vs「リュープリン」
EMBARK(NEJM)                         遠隔転移が認められないホルモン感受性前立腺がんと診断された男性が初めての治療を考える場合、「リュープリン」治療に「イクスタンジ」の上乗せを選択することでの上乗せを選択することで5年無転移生存率、5年生存率の ...

 

6.甲状腺がん

11月には「タフィンラーメキニスト」併用療法がPhase2試験『ROAR』の結果に基づき、「標準的な治療が困難なBRAF遺伝子変異を有する進行・再発の固形腫瘍(結腸・直腸がんを除く)」に適応拡大された。『ROAR』試験に参加した人の17%(36名)がBRAF遺伝子変異陽性の未分化甲状腺がんであり、「タフィンラーメキニスト」治療の奏効率は56%であった。

【レジメン図鑑】タフィンラー+メキニスト(BRAF陽性固形がん)
「タフィンラー(一般名:ダブラフェニブメシル酸塩)」および「メキニスト(一般名:トラメチニブ ジメチルスルホキシド付加物)」は、2016年3月28日に「BRAF遺伝子変異を有する根治切除不能な悪性黒色腫」を対象に承認されたBRAF阻害薬とMEK阻害薬。 2023年11月24日、「 ...

 

2022年2月に「RET融合遺伝子陽性の根治切除不能な甲状腺がん」、「RET遺伝子変異陽性の根治切除不能な甲状腺髄様がん」を効能・効果として承認された『レットヴィモ』単剤治療については、RET遺伝子変異陽性の進行甲状腺髄様がんに対し、「カプレルサ(またはカボメティクス)」治療を上回る無増悪生存期間が得られることが『LIBRETTO-531』試験の結果より証明された。

【RET陽性甲状腺髄様がん:一次治療(PFS)】「レットヴィモ」vs「カプレルサ」
LIBRETTO-531(NEJM)                      RET遺伝子変異陽性の進行甲状腺髄様がんと診断され、キナーゼ阻害薬治療歴のない人が初めての治療を考える場合、「レットヴィモ」治療を選択することで「カプレルサ(またはカボメティクス)」治療を選択した場合 ...

 

7. 血液がん

9月、抗CD3/CD20二重特異性抗体製剤「エプキンリ(一般名=エプコリタマブ)」単剤治療が、『EPCORE NHL-1』試験の結果に基づき、「再発または難治性の大細胞型B細胞リンパ腫(びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、高悪性度B細胞リンパ腫、原発性縦隔大細胞型B細胞リンパ腫)」、「再発または難治性の濾胞性リンパ腫」に対し、承認された。

【レジメン図鑑】エプキンリ(びまん性大細胞型B細胞リンパ腫)
「エプキンリ(一般名=エプコリタマブ)」が「再発または難治性の大細胞型B細胞リンパ腫(びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、高悪性度B細胞リンパ腫、原発性縦隔大細胞型B細胞リンパ腫)」、「再発または難治性の濾胞性リンパ腫(Grade 3B)」について2023年9月25日に承認され、同年 ...
【トライアル図鑑】EPCORE NHL-1(びまん性大細胞型B細胞リンパ腫)
【試験名】 EPCORE NHL-1(Phase 1/2)〔NCT03625037〕 【試験開始日】 2018年6月26日 【試験終了予定日】 2029年4月 【試験参加国】 米国、オーストラリア、カナダ、デンマーク、フィンランド、フランス、ドイツ、イタリア、韓国、オランダ、ポー ...

 

2022年12月に「再発または難治性の大細胞型B細胞リンパ腫」のCAR-T療法として承認された「イエスカルタ」について、自家造血幹細胞移植を伴う大量化学療法を選択した場合を上回る生存期間も得られることが『ZUMA-7』試験の結果より証明された。

【大細胞型B細胞リンパ腫:二次治療(OS)】「イエスカルタ」vs「自家造血幹細胞移植」
ZUMA-7(NEJM)                          大細胞型B細胞リンパ腫と診断され、一次治療が無効または一次治療より1年以内に再発した人が次の治療を考える場合、「CAR-T細胞 イエスカルタ」治療を選択することで、「大量化学療法+自家造血幹細胞移植」を選 ...

 

6月、『KEYNOTE-170』試験の結果に基づき、「キイトルーダ」単剤治療が「再発または難治性の原発性縦隔大細胞型B細胞リンパ腫」に対し、承認された。

【レジメン図鑑】キイトルーダ(原発性縦隔大細胞型B細胞リンパ腫)
「キイトルーダ」単剤治療が、2023年6月26日、「再発または難治性の原発性縦隔大細胞型B細胞リンパ腫」に対する適応拡大が承認された。 【承認日】 2023年6月26日 【効能及び効果】 再発又は難治性の原発性縦隔大細胞型B細胞リンパ腫 【さらに詳しく】 【適応追加】ペムブロリズ ...

 

2月、『SHINE』試験の結果に基づき、「イムブルビカトレアキシンリツキサン」併用療法が「マントル細胞リンパ腫」を対象に承認された。

【レジメン図鑑】イムブルビカ+トレアキシン+リツキサン併用療法(マントル細胞リンパ腫)
「イムブルビカ(一般名:イブルチニブ)」は、2016年3月28日に「再発又は難治性の慢性リンパ性白血病(小リンパ球性リンパ腫を含む)」を対象に承認されたBTK阻害薬。2016年12月2日に「再発又は難治性のマントル細胞リンパ腫」を効能・効果として承認され、2023年2月24日には ...

 

11月、『ALCANZA』試験の結果に基づき、「アドセトリス」治療が「CD30陽性の再発または難治性の皮膚T細胞リンパ腫」を対象に承認された。

【レジメン図鑑】アドセトリス(CD30陽性皮膚T細胞リンパ腫)
「アドセトリス(一般名:ブレンツキシマブ ベドチン)」は、2014年1月17日に「再発又は難治性のCD30陽性のホジキンリンパ腫及び未分化大細胞リンパ腫」を対象に承認された抗CD30モノクローナル抗体と微小管阻害剤の抗体薬物複合体。2023年11月24日には「CD30陽性の再発ま ...

 

アベクマ」によるCAR-T療法は、2022年1月に「3つ以上の前治療歴を有する再発または難治性の多発性骨髄腫」を対象に承認されたが、12月、『KarMMa-3』試験の結果に基づき、「2つ以上の前治療歴を有する再発または難治性の多発性骨髄腫」に適応拡大された。

【レジメン図鑑】アベクマ(多発性骨髄腫)
「アベクマ(一般名:イデカブタゲン ビクルユーセル)」は、2022年1月20日に「免疫調節薬、プロテアソーム阻害剤及び抗CD38モノクロー ナル抗体製剤を含む3つ以上の前治療歴を有する再発または難治性の多発性骨髄腫」をB細胞成熟抗原(BCMA)を標的とするキメラ抗原受容体発現T細 ...

 

ヴァンフリタ」は2019年6日に「再発又は難治性のFLT3-ITD変異陽性の急性骨髄性白血病」を対象に承認されたが、5月、『QuANTUM-First』試験の結果に基づき、「FLT3-ITD変異陽性の急性骨髄性白血病」に対する一次治療における寛解導入療法としてシタラビン+アントラサイクリン系製剤との併用に対し、地固め療法としてシタラビンとの併用に対し、適応拡大された。

【レジメン図鑑】ヴァンフリタ+シタラビン+ダウノルビシン併用療法(急性骨髄性白血病)
「ヴァンフリタ(一般名:キザルチニブ)」は、2019年6月18日に「再発又は難治性のFLT3-ITD変異陽性の急性骨髄性白血病」を対象に承認されたFLT3阻害薬。2023年5月25日には「FLT3-ITD変異陽性の急性骨髄性白血病」に対する一次治療における寛解導入療法としてシタラ ...

 

11月には「タフィンラーメキニスト」併用療法がPhase2試験『ROAR』の結果に基づき、「BRAF遺伝子変異を有する再発または難治性の有毛細胞白血病」に承認された。『ROAR』試験に参加した人の27%(36名)がBRAF遺伝子変異陽性の有毛細胞白血病であり、「タフィンラーメキニスト」治療の奏効率は56%であった。

【レジメン図鑑】タフィンラー+メキニスト(BRAF陽性固形がん)
「タフィンラー(一般名:ダブラフェニブメシル酸塩)」および「メキニスト(一般名:トラメチニブ ジメチルスルホキシド付加物)」は、2016年3月28日に「BRAF遺伝子変異を有する根治切除不能な悪性黒色腫」を対象に承認されたBRAF阻害薬とMEK阻害薬。 2023年11月24日、「 ...