【肺がん:二次治療(OS)】「テセントリク」vs「ドセタキセル」

OAK(Lancet)                           

非小細胞肺がんと診断され、一次または二次治療後に病勢が進行した人が次の治療を考える場合、「テセントリク」治療を選択することで、「ドセタキセル」治療を選択した場合を上回る生存期間が期待できる。

テセントリク」治療を受けた人の15%がグレード3または4の有害事象を経験し、「ドセタキセル」治療を受けた人では43%の人が経験した。

本試験の結果に基づいて、2017年2月17日、「テセントリク」について「切除不能な進行・再発の非小細胞肺がん」を効能・効果とする承認申請が行われ、2018年1月19日承認された。

【発表】

2016年12月12日

【試験名】

OAK(Phase 3)〔NCT02008227

【試験参加国】

米国、アルゼンチン、オーストラリア、ブラジル、カナダ、チリ、フィンランド、フランス、ドイツ、ギリシア、グアテマラ、ハンガリー、イタリア、日本(愛知県がんセンター、国立がん研究センター東病院、四国がんセンター、九州がんセンター、神戸市立医療センター中央市民病院、兵庫県立がんセンター 、宮城県立がんセンター、岡山大学病院、近畿大学病院、近畿中央呼吸器センター、埼玉県立がんセンター、静岡がんセンター、国立がん研究センター中央病院、がん研有明病院、東京医科大学病院、山口宇部医療センター)、韓国、オランダ、ニュージーランド、ノルウェイ、パナマ、ポーランド、ポルトガル、ロシア、セルビア、スペイン、スウェーデン、スイス、台湾、タイ、トルコ、ウクライナ、英国

【原著】

Lancet. 2017;389:255-265.  [PubMed:27979383]

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【さらに詳しく】

【添付文書における表記】

国際共同第Ⅲ相臨床試験(OAK試験)

プラチナ製剤を含む化学療法歴注1)のある切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌患者1225例(本剤群613例、ドセタキセル群612例)を対象に、本剤とドセタキセルとの有効性及び安全性を比較する第Ⅲ相試験を実施した。
本剤1200mg又はドセタキセル75mg/m2を3週間間隔で点滴静注した。最初にランダム化された850例(日本人64例を含む)の全患者集団において、本剤群でドセタキセル群と比較して主要評価項目である全生存期間の有意な延長が認められ(ハザード比[95%信頼区間]:0.73[0.62, 0.87]、P=0.0003[層別log-rank検定])、中央値[95%信頼区間]は本剤群で13.8[11.8, 15.7]カ月、ドセタキセル群で9.6[8.6, 11.2]カ月であった。
本剤が投与された609例(日本人56例を含む)において390例(64.0%)に副作用が認められた。主な副作用(5%以上)は、疲労87例(14.3%)、悪心53例(8.7%)、食欲減退52例(8.5%)、無力症51例(8.4%)、発熱49例(8.0%)、下痢47例(7.7%)、発疹42例(6.9%)、そう痒症38例(6.2%)等であった。

注1)EGFR遺伝子変異陽性又はALK融合遺伝子陽性の患者では、プラチナ製剤を含む化学療法に加え、それぞれEGFR阻害作用又はALK阻害作用を有する抗悪性腫瘍剤による治療歴がある患者が組み入れられた。