【HR陽性乳がん:一次治療】「フェソロデックス」vs「アリミデックス」

FALCON(Lancet)                        

HR陽性HER2陰性の局所進行性または転移性乳がんと診断された閉経後の女性が初めての内分泌療法を考える場合、「フェソロデックス」治療を選択することで「アリミデックス」治療を選択した場合を上回る無増悪生存期間が期待できる。

主な有害事象は、関節痛(17% vs. 10%)、ホットフラッシュ(11% vs. 10%)。「フェソロデックス」治療を受けた7%、「アリミデックス」治療を受けた5%が有害事象のため、治療を中止した。

本試験の結果を受け、2017年6月8日、「フェソロデックス」治療が閉経後進行・再発乳がんの初回治療から使用が可能になった。

【発表】

2016年11月28日

【試験名】

FALCON(Phase 3)〔NCT01602380/jRCT1080221957

【試験参加国】

日本(九州がんセンター、聖隷浜松病院、相良病院、熊本大学病院、四国がんセンター、杏林大学医学部付属病院、兵庫医科大学病院、大阪医療センター、清恵会病院、大阪大学医学部附属病院)、米国、アルゼンチン、ブラジル、カナダ、中国、チェコ、イタリア、メキシコ、ペルー、ポーランド、ルーマニア、ロシア、スロバキア、南アフリカ、スペイン、台湾、トルコ、ウクライナ、英国

【原著】

Lancet. 2016 ;388:2997-3005. [PubMed:27908454]

【さらに詳しく】

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【添付文書における表記】

内分泌療法未治療の、ホルモン受容体陽性かつHER2陰性の閉経後局所進行性又は転移性乳癌患者を対象に、本剤500mg(HD投与)をアナストロゾール1mg/日と比較する第III相試験を実施した(無作為化例数462例、日本人31例を含む)。その結果、主要評価項目である無増悪生存期間(Progression-free survival:PFS)の中央値は、本剤投与群16.6カ月、アナストロゾール投与群13.8カ月であり、アナストロゾール投与群に対する本剤投与群の優越性が検証された(ハザード比0.797(95%信頼区間:0.637~0.999)、p=0.0486)。

本剤投与群228例中(日本人12例を含む)91例(39.9%)に副作用が認められた。主な副作用は、ほてり26例(11.4%)、関節痛20例(8.8%)、悪心12例(5.3%)及び疲労12例(5.3%)であった。(2016年4月11日カットオフ時点の集計)