PD-L1発現率が5%以上の人が初めての治療を考える場合、「オプジーボ」治療を選択しても、化学療法に比べ、無増悪生存期間の延長は期待しにくい。
試験では、「プラチナ製剤を含む化学療法」を受けた人の無増悪生存期間は5.9ヵ月であったのに対し、「オプジーボ」治療を受けた人では4.2ヵ月と治療間に差は認められなかった(p=0.25)。
「プラチナ製剤を含む化学療法」を受けた人は、病勢が進行した後「オプジーボ」治療を選択することが可能であったが、生存期間は、一次治療として「プラチナ製剤を含む化学療法」を受けた人で13.2ヵ月、一次治療として「オプジーボ」治療を受けた人は14.4ヵ月と治療間に差は認められなかった。
「プラチナ製剤を含む化学療法」を受けた人の92%が治療に関連した有害事象(全グレード)を発現し、「オプジーボ」治療を受けた人では71%が発現した。グレード3または4に限ると、「プラチナ製剤を含む化学療法」を受けた人の51%、「オプジーボ」治療を受けた人の18%に発現した。
【発表】
2017年6月22日
【試験名】
CheckMate 026(Phase 3)〔NCT02041533〕
【原著】
N Engl J Med 2017; 376:2415-2426. [PubMed: 28636851]
【さらに詳しく】
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