【前立腺がん:ホルモン感受性(2年OS)】「アーリーダ+アンドロゲン除去療法」vs「アンドロゲン除去療法」

TITAN(NEJM)                          

遠隔転移が認められた人が初めての治療を考える場合、アンドロゲン除去療法に「アーリーダ」の上乗せを選択することで無増悪生存期間、生存期間の延長が期待できる。

アーリーダ+アンドロゲン除去療法」治療を受けた42.2%の人がグレード3または4の有害事象を経験した(vs 40.8%)。「アーリーダ」の上乗せを選択することで皮疹を発現するリスクが増加する。

本試験の結果に基づき、2019年5月31日、「アーリーダ」が「転移性去勢感受性前立腺がん」の効能・効果の追加に関する製造販売承認事項一部変更承認について申請され、2020年5月29日承認された。現在の「アーリーダ」の適応症は「遠隔転移を有しない去勢抵抗性前立腺癌」「遠隔転移を有する前立腺癌」である。

【発表】

2019年5月31日

【試験名】

TITAN(Phase 3)〔NCT02489318

【原著】

N Engl J Med 2019; 381:13-24. [PubMed: 31150574]

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【さらに詳しく】

【添付文書における表記】

骨転移注1)を有し、ADT開始後6ヵ月以内注2)の前立腺癌注3)患者を対象に、ADT注4)の併用下で、本剤とプラセボを比較することを目的とした二重盲検ランダム化試験が実施された(有効性解析対象例1052例、日本人51例)。本剤群では本剤240mgを1日1回連日経口投与した。主要評価項目は全生存期間(OS)及び画像判定に基づく無増悪生存期間(rPFS)と設定された。OSの中間解析(解析イベント数200)の結果、両群ともに中央値は未到達であったものの、本剤群で統計学的に有意な延長を示した(ハザード比:0.671、95%信頼区間:0.507~0.890、層別log-rank検定:p=0.0053)。また、rPFSの中央値は本剤群未到達、プラセボ群22.08ヵ月で、本剤群で統計学的に有意な延長を示した(ハザード比:0.484、95%信頼区間:0.391~0.600、層別log-rank検定:p<0.0001)。

注1)骨スキャンで1ヵ所以上の骨転移が確認された患者(骨病変が1ヵ所のみの場合は、CT又はMRIにおいても骨転移が確認された患者)が組み入れられた。内臓転移又はリンパ節転移のみを有する患者は除外された。

注2)限局性前立腺癌に対するADT(ランダム化の1年前までに完了しており、合計3年以内の場合に限る)は許容された。

注3)骨転移を有する前立腺癌に対する前治療歴として、①6サイクル以内のドセタキセル投与(最終投与がランダム化前2ヵ月以内であり、かつランダム化前に画像上の疾患進行又は血清PSA値の増加が認められていない場合に限る)、②1コースの放射線療法及び③手術は許容された。

注4)外科的去勢術を実施していない場合には、ランダム化の14日以上前から内科的去勢術を開始することとされた。

本剤が投与された安全性評価対象例524例(日本人28例を含む)中315例(60.1%)に副作用が認められた。主な副作用は、皮疹114例(21.8%)、疲労68例(13.0%)、ほてり66例(12.6%)、そう痒症42例(8.0%)、甲状腺機能低下症25例(4.8%)であった。