【BRCA陽性乳がん:術後治療(3年iDFS)】「リムパーザ」vs「プラセボ」

OlympiA(NEJM)                       

BRCA変異を有するHER2陰性早期乳がんと診断され、術前または術後補助化学療法を完了した女性は、術後補助療法として「リムパーザ」治療を選択することで、3年無浸潤性疾患生存率の向上が期待できる。

BRCA遺伝子変異陽性トリプルネガティブ乳がんの女性も「リムパーザによる術後補助療法」を選択することで3年無浸潤性疾患生存率の向上が期待できる。試験では76.9%から86.1%に向上した(HR 0.56(95%CI 0.43-0.73))。

リムパーザ」治療の主なグレード3または4の有害事象は、貧血(8.7% vs 0.3%)、好中球数減少(4.8% vs 0.8%)、白血球数減少(3.0% vs 0.3%)、倦怠感(1.8% vs 0.4%)であった。

本試験の結果に基づいて、2022年8月24日、「リムパーザ」が「BRCA 遺伝子変異陽性かつHER2陰性で再発高リスクの乳がんにおける術後薬物療法」についても効能・効果として承認された。

【発表】

2021年6月3日

【試験名】

OlympiA(Phase 3)〔NCT02032823

【試験参加国】

日本(静岡がんセンター、九州がんセンター、国立がん研究センター中央病院、相良病院、京都大学医学部附属病院、群馬県立がんセンター、千葉県がんセンター、大阪国際がんセンター、大阪大学医学部附属病院、愛知県がんセンター、昭和大学病院、北海道がんセンター、四国がんセンター、聖マリアンナ医科大学附属病院、国立がん研究センター東病院、がん研有明病院、埼玉医科大学国際医療センター、新潟県立がんセンター新潟病院、聖路加国際病院、東海大学医学部付属病院、広島市民病院、高知大学医学部附属病院)、台湾、韓国、中国、米国、カナダ、オーストラリア、英国、オーストリア、ドイツ、オランダ、ポーランド、ベルギー、フランス、ポルトガル、スペイン、イタリア、アイスランド、ハンガリー、スイス、スウェーデン、イスラエル、アルゼンチン

【原著】

N Engl J Med. 2021 ;384:2394-2405.  [PubMed: 34081848]

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